【25卒・26卒】新卒障害者雇用の基礎知識|就活スケジュールや傾向・動向をわかりやすく解説

障害をお持ちで新卒就活を控えているみなさんに、障害者雇用枠というルートをご案内します。新卒の場合の就活スケジュール、一般雇用との違い、大卒障害者の就活動向や、相談できる場所までキャリアアドバイザー(CA)が丁寧に解説します。なかなか手に入りにくい情報ばかりですので、ぜひ参考にしてくださいね。

障害者雇用の基礎知識|対象者・一般雇用との違い

障害者雇用の基礎知識|対象者・一般雇用との違い

障害者手帳をお持ちの学生さんが就活をする際、2つのルートがあるのはご存知でしょうか?

いわゆる一般的な就職の「一般雇用(一般枠)」と、障害の配慮を受けながら働ける「障害者雇用(障害者枠)」です。

 
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これまで障害者手帳を取得していなくても就職を機に取得を考える方もいらっしゃいます。

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一般雇用の特徴

障害をお持ちの場合でも一般的な「就活」を進め、就職ができます。また必ずしも就活で障害をオープンにしなくても構いません。障害の開示は個人の自由です。

 
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しかし、障害を隠しながら、無理をして働き続けてメンタルに不調を起こす方も少なくはありません…(これを二次障害といいます)。DIエージェントとしては、可能な限り障害をオープンにして働かれることをオススメします。

障害者雇用の特徴

障害者雇用を目指す場合、障害者手帳を取得していること・そしてお持ちの障害を開示することで応募が可能です。

企業は障害者雇用枠で働きたい方の状態や希望を聞きながら、配慮が叶うかどうかを検討し、安全かつ能力を活かせるような配属を検討していきます。

 
キャリアアドバイザー
障害者雇用枠の新卒採用の場合、一般的な新卒就活のスケジュールと同様におこなう場合と、ほぼ通年でおこなっている場合があります。一人ひとりに合わせた受け入れをする為です。

障害者雇用の対象者

障害者雇用枠の対象となるのは「身体障害者手帳」「精神障害者福祉保健手帳」「療育手帳」のいずれかの障害者手帳をお持ちの方に限られています。

難病の方の場合も障害者手帳を取得し、障害者雇用枠で働かれることもできますので、主治医・お住まいの市区町村の窓口へ相談してみましょう。

 
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障害者手帳をお持ちであれば、一般求人と障害者雇用の両方に応募することができますよ。

新卒障害者雇用のニーズ|傾向・就活動向

新卒障害者雇用のニーズ|傾向・就活動向

障害者雇用と一般雇用の違いについて理解したら、次は最近の「大卒障害者」の就活動向について深掘りしていきましょう。

ここからは4つの傾向に合わせて国の法律や義務化した取り組み、参考として新卒採用に取り組みやすい企業をご紹介します。

これから転職する方は、就職先の傾向をチェックするときの参考にしてください。

【傾向1】障害をお持ちの方を貴重な労働力として考える企業が増加

少子高齢化が進む日本では、若い労働力は非常に貴重な存在です。また「多様性な人材の魅力を活かせる組織がこれからの時代成長していく」ということからも、経営戦略としてダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を推進する企業は増えています。

 
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企業が新卒採用をする理由としては、「企業の文化を継承しつつ、新しい時代の感覚や価値観を持った若い世代に活躍してもらいたい」との考えを持っているからです。
日本では障害をお持ちの方が働く機会を損なわないように、様々な法整備も行われています。詳細は後述します。

【傾向2】これまでの障害者採用・就労定着の経験から新卒採用のニーズが増加

障害者採用に取り組む企業は、以前からありました。しかし現在では、これまでの障害者採用・就労定着の経験を活かして、新卒採用にも視野を向けています。そのことから、新卒障害者の雇用ニーズも増加傾向にあります。

また、若い人材の採用・育成を中心とした採用方針をもつ企業であれば、障害者雇用であっても同じと考え、新卒採用に力を入れていることも。

さらに、これまで社内の中枢で活躍してきた中高年層の高齢化による退職を見据え、若年層の障害者採用・育成に力を入れ、長期定着を目指す企業も少なくないようです。

【傾向3】法律や義務化が後押し

日本では法律や施策などによって障害者雇用を促進させるはたらきもみられます。具体的には、「障害者雇用促進法」や「障害者雇用制度」などです。
詳しい概要について見ていきましょう。

障害者雇用促進法

企業が障害者雇用を進める後押しになっている法律が「障害者の雇用の促進等に関する法律」(通称「障害者雇用促進法」)です。

「事業主(企業)は労働者の募集や採用の際に、障害のある人と障害のない人と公平に機会を与えなければならない」、また「就業後も賃金や福利厚生などの待遇について不当な差別的扱いをしてはならない」と定められているのです。

また雇用義務の対象は1997年に知的障害者、2018年には精神障害者へと広げられました。

障害者雇用率制度(法定雇用率)

企業は雇用する労働者のうち、障害をお持ちの方の割合が一定の率以上となるよう雇用をしなければなりません(法定雇用率)。不足する場合は障害者雇用納付金を納付しなければならず、雇い入れに後ろ向きな企業に対しては最悪のケース、企業名が公表されます。

2024年の4月には法定雇用率が民間企業は2.5%(公的機関は2.8%)に引き上げられ、40人以上の従業員がいる企業では1名以上の障害をお持ちの方を雇うべきだとされています。これが達成できている企業は日本全体で50.1%です。

 
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そのため、企業は「障害をお持ちでも配慮があれば会社に貢献してくれる人材」を求めています。

引用元
令和5年 障害者雇用状況の集計結果|厚生労働省

法定雇用率制度|厚生労働省

合理的配慮の提供義務化

障害をお持ちの方を雇い入れる雇用主には「合理的配慮」の提供義務があります。

合理的配慮とは障害をお持ちの方が、そうでない人と同じように過ごせるように実施する変更や調整、サポートのことです。
(中略)
ただし「合理的配慮」は主張すれば必ず認められるものではなく、事業者の「過重な負担」と判断されれば実施しなくてよいとされています。

合理的配慮をどのように求めたら良いかは、ぜひ以下の記事も参考にしてください。

引用元
雇用の分野で障害者に対する差別が禁止され、合理的な配慮の提供が義務となりました|公益社団法人 日本包装技術協会
「合理的配慮」を知っていますか?|内閣府
合理的配慮とは?障害者差別解消法で法的義務化されます!|公益財団法人日本ケアフィット共育機構

【傾向4】コロナ禍の障害者採用や就職活動への影響 様々な変化も今では障害者雇用の追い風に

障害者採用のニーズは増加しています。その一方で、この2~3年では新型コロナウイルス感染症の流行により、影響が大きい業界では新卒採用がストップ・採用数の減少が見られました。

さらに、いわゆる就活イベントである「合同企業説明会」などが感染予防の観点から中止となり、例年の就職活動とは大きな違いが生まれました。

その結果、インターネットやWebカメラを使ったWeb説明会・Web面接の実施が増加。就活スタイルそのものが変化しました。

新型コロナウイルス感染症と共存する時代、いわゆる「Withコロナ時代」となった今では、企業説明会の実施も元に戻り通常の面接を実施する企業が増えています。

コロナ禍で経験した人との接触を最小限にする教えを活かし、今では実際に面接することに加えてWeb面接の選択肢も増加。さらには自宅で働くことのできるテレワークも誕生・普及しました。

そういった意味でも、障害をお持ちの方にとっては追い風となる部分が増え、これまで以上に就労の選択肢が広がったと言えるでしょう。

 
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「フルリモートであれば特別な配慮が要らない」という方は、一般枠も選択肢に入るようになりますよね。「新卒からフルリモートで!」といったご支援例も過去にありましたよ。

【参考】新卒採用に取り組みやすい企業とは

新卒障害者採用に取り組みやすい企業としては、将来的な就労定着や活躍を見据え人材育成に注力する企業が挙げられます。

ほかにも、障害者であっても個性や適性、配慮といった部分に目を向けて、ひとりひとりにあわせた働き方や業務を工夫・提案できる企業も良いでしょう。

とくに個性や適性を重視し、職種・業務に幅広い選択肢がある企業なら、新卒障害者採用にマッチしやすいと考えられます。また、上述したリモートワークを導入した企業にフォーカスするのもおすすめです。

心身の状態は日によって大きく変化します。そういった意味でも、自身の心身の状態を含め、個性や適性などを把握しておくと、自分・企業双方にマッチした就職活動が進めやすくなるでしょう。

新卒障害者雇用の就活スケジュール|目安・経団連

新卒障害者雇用の就活スケジュール|目安・経団連

ここからは一般的な新卒の就職活動の流れをお伝えします。

就活専用サイトへ登録して気になる企業を見つけていくのが、2000年頃からの一般的な就職活動の進め方です。

あるいは企業の採用窓口・採用Webページを探し、そちらから直接応募する方法もあります。気になっている企業があれば、「企業名 新卒採用」「企業名 障害者採用」などで検索してみましょう。

 
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新卒専用ではありませんが、DIエージェントの姉妹サイトBABナビでは「障害者雇用枠」の求人だけを2,400件以上集めています。「未経験OK」の企業は新卒でも採用の可能性ありです!
では、4年制大学の就活生の場合、どのように就職活動を進めるのか、近年の新卒採用動向と一般的なスケジュールを確認しましょう。
就職活動はその年によって、スケジュールや手法が大きく変わります。最新の情報を手に入れられるようにしましょう。

経団連加盟企業の一般的なスケジュール

2024年3月卒業の大学生の場合は……

大学3年生の3月1日に採用情報・説明会解禁
大学4年生の6月1日に採用面接など選考解禁
大学4年生の10月1日に正式な内定解禁

24卒に関しては上記のスケジュールのままですが、25卒は専門知識・技能を持つ新卒学生や若者の活躍推進のため、「専門活用型インターンシップ」を活用した採用日程の弾力化を図れるよう日程ルールの見直しが行われています。

引用元
2024(令和6)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請等について|一般社団法人 日本経済団体連合会

「経団連」とは?

正式名称は「一般社団法人日本経済団体連合会」。日本の代表的な企業約1,500社から構成されている経済団体です。新卒採用に関しては加盟団体で足並みを揃え、同じ採用スケジュールのもと採用活動を進めていきます。

加盟企業例:東京海上日動火災保険、ANAホールディングス、ENEOSホールディングス、伊藤忠商事、日本電信電話(NTT)など

引用元
一般社団法人日本経済団体連合会

 
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障害者雇用を熱心におこなう企業は経団連加盟の大手企業も多いです。

団連非加盟企業や一部マスコミ、外資系など

経団連に加盟していない大手企業・中小企業やベンチャーもあります。また、マスコミ業界や外資系企業も「経団連ルール」に縛られないスケジュールで進み、多くは前倒しで選考・内定が出ることがあります。

最近では、大学1・2年生からインターンシップを受け入れている企業や通年採用をおこなっている企業も徐々に増えてきています。

 
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DIエージェントでは障害者雇用枠も検討している場合、既卒の方も含めていつからでもご相談OKです。私達から適切な時期に企業さんへみなさんの魅力をPRしていきます。

25卒・26卒が就活の流れで気を付けたいことは?|準備時期・期間

25卒・26卒が就活の流れで気を付けたいことは?|準備時期・期間

ここからは、就活を進める上で気を付けたいことを、準備時期・期間の両面から見ていきましょう。

大学3年生の6月初旬から準備を始める学生が多い

これまでのスケジュールのままであれば、大学3年生の6月初旬からインターンシップの募集を始める企業が多いです。そのため、この時期から多くの学生さんは本格的に就活をスタートします。

 
 
25卒に関しては2023年3月には採用情報が解禁されます!

ただし、自己分析や業界研究などの準備はその数か月前から始める人もいるのでなるべく早めにスタートしましょう。

 
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特に障害をオープンにして働く場合、障害の自己理解を深め、企業の方に分かりやすく説明する必要があります。ぜひ「自己分析」はお早めに!

なお、就活生の全体の約4割は卒業年次前年の9月前から活動開始しています。しかし、学内の活動など就活以外に優先すべきことは個人によって異なるので、いずれかの時期に就活を始めなければならないというわけではありません。

実際、卒業年次になってから就活に取り組む学生も少なくないため、自身のタイミングで始めても問題はありません。

就活は内定を獲得する時期まで続く

一般的には内定を獲得する時期まで就職活動を続けます。

現行スケジュールであれば、経団連加盟企業では大学4年生の6月頃から夏までの間に内定獲得する就活生が多い傾向にあります。

それ以外のスケジュールの場合、早い企業だと大学3年生の10月に選考開始。3年生の3月から内々定・内定を出し始める企業も少なくありません。

内定を複数とった学生による内定辞退があった場合、追加採用の可能性もあります。4年生の秋冬、そしてそれ以降も既卒を含めた採用をおこなう企業があるので、チャンスは必ずあります。

 
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長期化しても焦らずに、燃え尽きてしまう前に適宜お休みをとりながら就活を進めましょう!
DIエージェントであれば専任の担当キャリアアドバイザーが親身になってサポートするので、不安に思ったらいつでもご相談くださいね。

新卒障害者雇用に向けた準備

新卒障害者雇用に向けた準備

ここからは新卒障害者雇用に向けた準備について見ていきましょう。一連の流れとして押さえておくことで、就職活動や実際に働き始めたあとも落ち着いて対処できます。

 
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障害者雇用の検討前に、具体的な準備について押さえておきましょう。主治医への相談や心身状態の安定を保つ工夫を取り入れるなど、これからできることを紹介します。

主治医へ報告・相談

まずは就職する意思があることを主治医へ報告しましょう。心身が不安定なまま就活・就労を始めてしまうと、長続きしなかったり症状が悪化したりする可能性があるためです。

働く意思があり、これから就職活動を始める、といったときは、主治医へその意思を相談し、問題なく働けるかどうかを判断してもらいましょう。

なお、一定期間療養すれば落ち着く場合であっても、自己判断で就職活動を進めるのは厳禁です。また、真面目すぎる性格から周囲の動きに焦ってしまうのも注意が必要です。

長く楽しく腰を据えて働き続けるには、主治医に報告・相談し適切なアドバイスを受けながら取り組みましょう。

心身状態の安定を図る

適性を活かし充分なパフォーマンスを職場で発揮するためには、普段の生活や通勤時間など様々なシーンで強く症状が出ないよう心身状態の安定を維持することが大切です。

たとえば、通勤時に症状が出てしまったときのための対策として、自身の病状を振り返りながら工夫できることを考えるのも有効です。

心身の状態が不安定に陥ったときに「なぜ不安定になったのか」「なにが原因なのか」を自分なりに分析しておくと、入社後も安心して業務に取り組めます。

障害の自己理解を把握する

社会生活において重要なことは、障害のあるなしにかかわらず就活初期に自分の性格や能力、適性といった自己理解を深めることです。自己理解を深めておくことで自分に合った働き方や仕事を見つけやすくなります。

この自己理解を深めるなかで、障害を持っていることをプラスします。そうすることで、自分の強みや長所とあわせて弱みや困りごと、配慮してほしいことを明確にできます。

就職時に自分が必要な配慮はなかなか言い出しにくいかも知れません。しかし企業としては働く上で欠かせない情報であり、申し出てもらうことで適切な配慮ができます。

同じような障害をお持ちの方であっても、自己理解や配慮点は同じではありません。そのことから、配慮点がわかれば、企業側にとって採用しやすいのも理由のひとつです。

障害の自己理解を把握したいときは、家族や友人と一緒に分析することで客観的な意見や配慮点を見つけられるでしょう。

スキル・ビジネスマナーを押さえる

就職活動では、コミュニケーションスキルやビジネスマナーなど、社会人生活において常識とされるスキルを押さえておきましょう。

コミュニケーションスキルやパソコンスキルはハローワークの障害者訓練で学ぶことができます。ビジネスマナーについては就職や転職を支援する公的機関・企業セミナーなどを利用することで、対面でのスキルアップが期待できるでしょう。

なお、ハローワークや就労移行支援事業所の訓練プログラムは、お住まいの地域や開催する事業所によって異なります。利用を検討するときは希望するプログラムがあるか問い合わせ・確認することをおすすめします。

企業(業界)研究をする

企業(業界)研究も欠かせません。企業(業界)研究は、自己理解を深めた上で行いましょう。そうすることで、自分の能力や適性に合った企業・業界を見つけやすくなります。

ただし、自分に合う仕事を考えるときは、周囲の配慮も必要です。客観的な意見を求めるときは、家族や友人に相談したり、ハローワーク・地域障害者職業センターなどに相談したりするのがおすすめです。

【大卒障害者】障害者採用枠を利用して新卒で就職するメリット・デメリット

【大卒障害者】障害者採用枠を利用して新卒で就職するメリット・デメリット

「障害者雇用か一般雇用かどちらが良いのだろう?」と迷う学生さんもいるでしょう。メリット・デメリットを比べてみましょう。

メリット デメリット
  • 障害特性や状況に応じた配慮を受けられる、障害を理解してもらいやすい
  • 職務や就業規則に大きく関わる配慮が必要な場合は、障害者雇用の方が働きやすい傾向にある
  • 有名、大手企業にも門戸が開かれている
  • 大卒者が多くはない障害者雇用枠において、大卒はアドバンテージになる
  • 体に負担のかかりにくい事務系・専門職に配属されることが多い
  • 一般雇用に比べて求人数が少ない
  • 障害者手帳を持っていないと求人に応募できない
  • 一般枠に比べると賃金が合理的配慮に相当分低くなる場合がある
  • 全国への異動、海外勤務希望やゼネラリスト志望する人にとってはミスマッチになる恐れもある
 
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「障害者雇用枠では仕事の幅が狭まるのではないか?」といった声も聞かれます。面接の場で「体力はこれくらいあるので、幅広い仕事を経験していきたいです!」と意欲を伝えてみるのは効果的です。

メリット1:障害に対する配慮やサポートを受けられ、定着率が高い

障害をオープンにした上で、安心して長く働きたい方にとっては障害者雇用枠で受けられる恩恵は大きいでしょう。

受けられる配慮の代表例としては、定期通院時の休暇、残業なし/●時間以内と限定、業務の調整、職場環境の調整……などが挙げられます。
面接・選考時にも合理的配慮は受けられます。たとえば、聴覚障害をお持ちの方は喋るのではなく、チャットでの面接形式にしていただくといったことができます。

 
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障害者雇用枠では入社1年後の定着率は約7割、クローズ就労は約3割。
短期離職はその後のキャリアにも関わってくるのでよく考えて選択しましょうね。

引用元
障害者の就業状況等に関する調査研究|独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構障害者職業総合センター

メリット2:有名企業、大企業に就職できる可能性が高まる

障害者雇用枠を設け、積極的に採用を行う会社は強い経営基盤をもつ有名企業・大企業が多いのが事実です。具体的な求人を見てみましょう。

株式会社神戸製鋼所は新卒採用にも積極的で、現在は約200名もの障害をお持ちの方が働き、受け入れ体制もしっかりしている大手の優良企業さんです。

また、障害者雇用枠の平均的な年収よりも高い傾向にあり、福利厚生も充実しているのが魅力です。

保険:健康保険/厚生年金保険/雇用保険/労災保険
制度:共済会/社員持株会/財形貯蓄/カフェテリアプラン(年間8.5万円相当の補助)/グループ保険/住宅融資
施設:社宅/寮/スポーツ施設/保養所
手当:通勤手当あり

憧れの企業で採用をおこなっていないか、一度チェックしてみてもいいかもしれませんね。

 
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いわゆる「学歴フィルター」のあるような会社でも、障害者枠であればチャンスが開けている可能性があります。

メリット3:企業によっては一般枠と変わらない給料や待遇を得られる

「障害者枠で就職すると給料が低い」といったイメージを持たれている学生さんもいらっしゃるかもしれませんね。

企業によっては給料や待遇も新卒での入社の場合は一般枠と差がないケースがあります。

 
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「短時間しか働けない」「突発的な体調不良が多いためサポート的業務しか担当していない」といったケースはこれに限りません。

引用元
障害者雇用と同一労働・同一賃金|障害者雇用相談/企業応援センターかわさき
厚生労働省「同一労働同一賃金特集ページ」

企業にとっても大卒障害学生を新卒採用するメリットがある

「障害者雇用枠では新卒採用をおこなっていない企業」もある一方、「ほとんど新卒採用からしか障害者雇用枠で採らない企業」があるのも事実です。チャンスは最大限生かしていきましょう。

では、企業にとって新卒で障害をお持ちの方を採用する意図とはなんでしょうか?

一つは、新卒採用は「経団連ルール」のようにある程度決まったスケジュールで学生が動き、それに合わせて採用活動をおこなえるため、見通しが立てやすいことがあります。また、4月1日に入社し、集団で新入社員研修をおこなったりOJTへ移行したりと、効率的に人材の育成・戦力化がしやすいといったことがあります。

 

 
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DIエージェントでは新卒の方も場合によっては、みなさんの希望にマッチする企業が見つかった場合は時期を問わず企業にアプローチもいたしますよ。
また、障害をお持ちの方の大学進学率・大卒者の割合は決して多くはありません。大学に4年間通い続け、一定の学力を身に付けたという人材は貴重です。新卒採用は企業にとってもそのような優秀な人材に入社してもらうチャンスなのです。

引用元
障害学生の現状|文部科学省
障害学生受入促進研究委託事業―障害のある生徒の進学の促進・支援のための高大連携の在り方に関する調査研究―|独立行政法人日本学生支援機構

【障害者雇用】新卒応募を検討する場合に活用できる支援機関や手段

【障害者雇用】新卒応募を検討する場合に活用できる支援機関や手段

就活は情報やすることが多く、一人で進めることに不安を覚えるかもしれません。そんな時に頼れる支援機関や相談先をご紹介します。

キャリアセンター・就職課

各教育機関のキャリアセンター(進路指導課)の多くは手厚いサポートをおこなっています。OB/OGの就職実績のある企業からの求人票が見られたり、自己分析や面接対策のイベントなどを開催したりしているケースも少なくありません。

障害の知識に詳しい人がいない場合もありますが、学生の立場に寄り添い、場合によっては教員と連携しながらサポートをしてくれることもあるのでぜひ有効に活用してください。

 
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たとえば筑波技術大学のような視覚障害・聴覚障害をお持ちの学生が多く在籍している大学では、学校推薦の採用枠があることも…!

地域障害者職業センター

障害者職業センターは障害者職業カウンセラーが配置され、ハローワークや障害者就業・生活支援センターなどと連携をしながら職業評価・職業指導・職場適応援助などの各種の職業リハビリテーションを実施し、「働く」ためのサポートを提供します。また事業主側にもアプローチをしています。

引用元
地域障害者職業センターの概要|厚生労働省

新卒応援ハローワーク

地域に根付いて、職業紹介・あっせんやアドバイスをもらえる公的機関を「ハローワーク」と言います。その中でも、新卒学生に特化した窓口が「新卒応援ハローワーク」です。こちらは大学生だけでなく、専修学校生や既に学校を卒業した方(既卒者)も利用ができます。
新卒就活に詳しいナビゲーターからアドバイスをもらいながら就活を進められます。

引用元
新卒応援ハローワーク|厚生労働省

就労移行支援

就労移行支援は障害をお持ちの方が障害理解を深め、一般企業への就職を目指し準備・訓練ができる福祉サービスです。

対象年齢は18歳以上からです。就職に不安がある方は在学中からでも利用を検討しても良いかもしれませんね。また、新卒就活のタイミングで就職が決まらなかった既卒者が通所することもあります。

 
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就労移行支援を利用された方は、入社後半年間のフォローがつくのも安心のポイント!

就職エージェントの活用もおすすめ

星の数ほどある企業の中から自分にピッタリ合った働きやすい企業を見つけるのは簡単なことではありません。最高の形で社会人人生のスタートを切りたいのなら、ぜひ就職エージェントの手を借りてみてください。

DIエージェントは障害をお持ちの方のサポート実績が10年以上あり、日本の優良企業様と信頼を築いてきました。一人ひとり丁寧なヒアリングをおこなった上で、ベストな企業のご紹介をいたします。

障害理解のお手伝いや企業への効果的な伝え方のレクチャー、エントリーシート(履歴書)の添削や面接対策まで全て無料で受けられます。

「受けたくもない企業に応募させられた」「就労環境の悪そうな職場を勧められた」といったことはDIエージェントでは一切いたしません。

「一般枠か障害者雇用枠かで迷っている」などのご相談にものっていますので、お気軽にご相談ください。

【障害者雇用】就活に関する注意点

【障害者雇用】就活に関する注意点

ここからはDIエージェントのキャリアアドバイザー(CA)が障害をお持ちの学生が新卒就活をする上での3つの注意点を解説します。

  • 自己分析・自己理解は丁寧に行う
  • 企業に障害や配慮を希望する場合は早めに申し出る
  • 高卒で就職するかどうかは慎重に検討する必要がある
  • 発達障害をお持ちの方は適切な支援を受けながらの就活がオススメ

自己分析・自己理解は丁寧に行う

自己分析や自己理解を深める際は、丁寧に行うよう心がけましょう。自分にとってどんな企業・業務が合っているのかは自分の能力や適性を知ることが大前提です。

そして働く上でどんな配慮を求めたいのかを明確にすることで、自分・企業双方にマッチした就職活動が進められます。

自分での判断だけでは求める配慮を見つけにくい場合もあります。そのようなときは、主治医や家族・友人に相談するほか、ハローワークや地域障害者職業センターなどの公的機関を利用するのがおすすめです。

企業に障害や配慮を希望する場合は早めに申し出る

「選考に不利になるかもしれない」と思って、配慮が必要であるにもかかわらず障害や希望について隠しておくことは控えましょう。企業側で対応ができず、早期離職に繋がりかねません。

配慮の内容は入社後、働きながら変更を申し出ることもできます。しかし全ての配慮が叶うとは限りません。だからこそ、入社前の段階で伝えることが重要になってきます。

 
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「配慮」とセットで、「ここまでなら自分でできる・カバーができる(自己対処)、このような得意を活かせる(貢献)」とPRもできるようにしましょう!

高卒で就職するかどうかは慎重に検討する必要がある

これを読まれている方の中にはもしかしたら「高卒」で働こうとしている方もいらっしゃるかもしれません。

既にお伝えした通り、大学を卒業する障害をお持ちの方の割合は低く、「大卒」がアドバンテージになることもあります。企業によっては、「大卒以上」と採用の規定を設けているケースもあります。

お住まいの地域での募集状況や、就きたい仕事の応募要件にかなうかなど幅広い視野で検討の上、進路を決めてくださいね。

発達障害をお持ちの方は適切な支援を受けながらの就活がオススメ

不備なく書類を〆切通りに送る、一日にいくつもの面接や説明会に参加する、グループディスカッションで空気を読みながら議論を進める……

発達障害をお持ちの方が就職活動で苦労するケースは少なくありません。なるべく早い段階から、使えるサポートはフル活用して就職に備えましょう。

働き始めても、マルチタスクや学生時代とは異なるコミュニケーションが必要となり、障害が発覚するいわゆる「大人の発達障害」といった問題もあります。心の健康も第一にみなさんらしく働ける場所を一緒に見つけるようにしましょう。

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「就活の味方は多い方が良い!」DIエージェントにもぜひご相談ください

「就活の味方は多い方が良い!」DIエージェントにもぜひご相談ください

そもそも自分にどんな働き方が向いているのか分からない…
周りがどんどん内定が決まっていく中、置いてけぼりにされている感じがする…
何が理由か分からず、何社も書類選考や面接に落ち続ける…

就職活動中はこのように不安や孤独を感じることもあるかもしれません。ぜひ一人で悩まずに周りを頼り、アドバイスをもらってください。

DIエージェントは、「障害をお持ちの方一人ひとりが自分らしく働ける社会をつくる」ために、障害者枠で就職・転職を検討されている方に対して就職・転職についてのアドバイスや、ご希望に沿った障害者枠の求人紹介を行っております。

専任のキャリアアドバイザーが丁寧にヒアリングし、お一人おひとりに寄り添った働き方を提案させていただきます。

「今の自分に無理のない働き方をしたい」「理解のある環境で働きたい」というご希望がありましたら、まだ転職は検討段階という状態でも構いませんので、ぜひお気軽にご相談ください。

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監修:東郷 佑紀
大学卒業後、日系コンサルティングファームに入社。その後(株)D&Iに転職して以来約10年間、障害者雇用コンサルタント、キャリアアドバイザーを歴任し、 障害・年齢を問わず約3000名の就職支援を担当。