障害者枠では転職エージェントを利用すべき?メリット・注意点を含め解説!

障害者枠で転職を検討中の方の中には、ハローワーク、求人サイト、転職エージェント等、色々な手段がある中で、何をどう活用したらいいか迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、その中でも特に転職エージェントをおすすめする理由や注意点をご紹介します。

障害者枠専門の転職エージェントとは?

転職エージェントとは、人材紹介事業を運営する企業内のキャリアアドバイザーと呼ばれる専門のスタッフが、求職者に対して転職全般のサポートをしてくれるサービスのことです。
具体的には、下記のようなサービスを無料で提供してくれます。

  • キャリア全般のアドバイス
  • その方に合った求人の紹介
  • 応募書類の添削
  • 選考の日程調整
  • 選考対策のアドバイス
  • 内定後の給与交渉

障害者枠に特化した転職エージェントとは、障害者枠の求人を専門に扱うエージェントのことです。「障害者 エージェント」などのキーワードで検索すると、複数の会社が表示されるので、気になる方は実際に検索してみてください。


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転職活動で障害者枠専門エージェントをおすすめする理由!障害者枠と一般枠の違いから説明

ここでは、障害者枠専門のエージェントをおすすめする理由として、障害者枠と一般枠の違いを挙げながらご説明します。

(1)障害者枠は、インターネットの情報が限られているから
(2)障害者枠では、入社後ミスマッチが多いから
(3)障害者枠では、選考対策ポイントが一般枠と異なるから
(4)転職エージェントは、障害の発症・受傷を機に転職する場合の専門家だから

(1)から順にご説明します。

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障害者採用と一般採用の違いについてメリットデメリットを比較して解説します

(1) 障害者枠は、インターネットの情報が限られているから

障害者雇用枠で転職をお考えの場合、「その会社でどんな配慮が得られるか」が重要であるにも関わらず、サイトや求人票から得られる情報が少ないと感じたことはありませんか?
例えば、「短時間勤務が可能」と記載されていても、週4日の勤務はできるのか、もしくは1日あたりの短縮勤務はできるが週5日の勤務は必須となるのか、などが気になるかと思います。
また、制度はあるが利用されていなかった、という可能性もゼロではないため実際の利用状況も気になりますよね。転職エージェントであれば、インターネットには載っていない細かい情報を教えてくれます。
特に、自分と同じ障害を持った方の採用実績や、その方がどのように働いているか、といった情報にも詳しいので、是非参考にされることをおすすめします。

(2)障害者枠では、入社後ミスマッチが多いから

雇用に関するノウハウや受け入れ環境が企業ごとに異なることから、入社後にミスマッチが発覚することが多いのも障害者雇用の特徴です。
エージェントは企業の状況を把握した上で求人を紹介してくれることに加え、場合によっては、入社した後も定期的に連絡をしてくれたり、企業からの要望があった場合に定着支援の専任カウンセラーがついてくれたりすることもあります。
自ら職場に相談することも大事ですが、何かあったときに第三者に相談できることは、入社後の安心にもつながります。

(3)障害者枠では、選考対策ポイントが一般枠と異なるから

初めて障害者雇用枠の面接を受けた方は、「配慮事項は何ですか?」「症状が出た際の対処法は何ですか?」など、中途採用では聞かれないようなことを突然質問され、戸惑った方もいるのではないでしょうか。
障害者雇用においては、スキル・経験に加え、いかに自身の障害について理解し、わかりやすく他者に伝えることができるかが、選考通過のためのポイントになります。
「自分の体調や障害についてどこまで伝えたらいいのか」「人事はどんな点を気にするのか」等、エージェントのアドバイスを参考にすることで、選考の通過率を上げられる可能性があります。

(4)障害の発症・受傷を機にキャリアチェンジしたい場合の相談に強いから

障害の発症や事故による受傷等を機に、これまでの職種からキャリアチェンジされる方もいらっしゃるかと思います。
特に、初めて事務職を検討している方は、求人票の業務内容の欄を見ても、「書類作成、電話応対、一般事務全般」等、簡易的な記載しかなく、自分のスキルで対応できるかどうかイメージがつきにくいと思います。
転職エージェントは、異職種への転職事例を多く知っているため、その方のスキルを活かせる働き方を具体的に教えてくれます。キャリアチェンジでお悩みの方は、どのような働き方の選択肢があるか、エージェントに相談してみましょう。

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転職活動全般をサポートしてくれるエージェント。その他の活用例

他にも、エージェントを利用することで役立つ点がいくつかあるので、ご紹介します。

求人票ではわからない企業の本音を教えてくれる

エージェント利用のメリットとしては、その求人において企業がどんな人を求めているか(スキル、経験、その企業にマッチしそうな人柄等)という、求人票に書いていない企業の本音を教えてくれる点です。例えば、

  • A社は待遇が魅力的な分、人気が高いので求められるスキルも高い
  • B社は、若手の方が多い会社なので、20代の方が選考に有利である

など、エージェントだけが知っている企業のニーズを知ることで、自分の希望が叶うかどうかだけでなく、「選考通過が見込めるかどうか」という視点でも求人を選ぶことができます。

自分では聞きにくいことを代わりに確認してもらえる

気になった企業名を検索して口コミサイトを見てみると、「残業が多い」「有休が取りづらい」などネガティブな内容が多く、不安になることも多いのではないでしょうか。
でも、面接の際に残業時間や有休消化率を聞いたら就業への意欲を疑われそうで聞くわけにもいきません。そんな時にはエージェントに相談してみましょう。
エージェントは人事担当と頻繁にやり取りしているため、持っている情報量も多く、気になることを本人に代わって確認してくれます。

企業からのフィードバックをもらえるから、効率的な選考対策ができる

面接対策のために重要なのは、「企業が求職者に何を求めているか」を知ることです。
しかし、自分自身で応募した場合は不合格の結果が出ても、理由がわからない以上、何を改善したら上手くいくのかは推測することしかできません。
一方でエージェントを通した応募の場合は、多くの場合不合格の要因がキャリアアドバイザーにフィードバックされます。それによって以降の選考に対策を取ることができます。
「X社の書類選考はお見送りの結果でしたが、今回はかなり応募数が多く、倍率がかなり高かったようです。なので、気にせず応募を続けていきましょう」
「Y社の面接では、企業様から〇〇というコメントをもらっています。次は〇〇に気を付けてみましょう」
など、具体的なアドバイスをもらえるので、精神的な支えになると同時に、より効率よくPDCAを回すことにつながります。


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転職エージェントの注意点

メリットが豊富な転職エージェントの利用ですが、注意点もあります。次で説明していきます。

障害者手帳を持っていないと応募できない

エージェントサービスに限らず、障害枠の求人全てに共通することですが、障害者手帳を持っている方を対象とする雇用枠であるため、求人への応募の際には手帳を持っていること、もしくは近いうちに取得見込であることが条件となります。

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地方の求人は少ない

そもそも多くの企業の本社が首都圏をはじめとする大都市に位置することから、転職エージェントが取り扱う求人も東京・神奈川・千葉・埼玉や主要都市に集中しています。

パート・アルバイトの求人は少ない

転職エージェントが扱っている求人は、週5日のフルタイム勤務での正社員・契約社員の募集が多く、週3~4日だけ働きたいという希望の方にマッチする求人が少ない傾向にあります。

軽作業・清掃・接客の求人は少ない

同様に、転職エージェントが扱っている求人には事務職を中心とするデスクワークや専門職の募集が多く、軽作業(工場や倉庫内作業など)や清掃、接客などの職種の求人が少ないという特徴があります。

上記のように、転職エージェントでは勤務地・雇用形態・職種により求人の取り扱いが少なくなる傾向があります。
そのため求人の数という点では全国の様々な求人が掲載されるハローワークに軍配が上がります。

エージェントに受けたくない求人を無理にすすめられることも…。そんなときは

転職エージェントの中には、応募数を増やしたいと思うあまり、希望しない求人を無理にすすめてくる場合もあるようです。
そのような場合には、求人をおすすめする理由を聞いてみましょう。信頼のおけるエージェントであれば「~~という観点であなたに合っているので、おすすめします」と、その求人を紹介した意図を明確に教えてくれます。
逆に、はっきりとした理由を言わずに強くすすめてくる場合には、エージェント側の事情が絡んでいることがあるので注意しましょう。

サービスを受けられない場合がある

下記のような場合には、残念ながらサービスを受けられない場合があります。

  • お住まいの場所がサービスの対象範囲外の場合である
  • ご経験やスキルに対し、ご希望要件が高い
  • 体調の回復が十分でなく、医師からの許可が下りていない

もし、体調に懸念のある場合には、リワークプログラムや就労移行支援事業所などの利用を主治医やお住まいの自治体に相談してみましょう。

まとめ

本記事では、転職エージェントを使うメリットや活用方法、注意点についてご説明しました。
ご自身の今の状況やご希望と照らし合わせて、エージェントサービスが合うと感じた方は、お申し込みをしてみてはいかがでしょうか。

監修:高橋 平
早稲田大学卒業後、(株)D&Iに入社。 障害者雇用コンサルタント、キャリアアドバイザーを歴任し、 現在はHRソリューション事業部の副部長として、DIエージェントの責任者を務める。