障害者手帳とは?対象疾患・等級、 受けられるサービスなどもわかりやすく解説!【専門家監修】

障害者手帳を申請しようか迷っているけれど、その実態について詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、障害者手帳の内容、対象疾患や等級、受けられるサービス、申請方法などを詳しく解説します。また、障害者雇用枠で就職をする場合には、障害者手帳の取得が必須となるため、これから障害者雇用枠での就職を検討されている方も、本記事をぜひ参考にしてみてください。

この記事はYORISOU社会保険労務士法人の社会保険労務士・行政書士監修のもと作成をしております。

監修:YORISOU社会保険労務士法人
(松山純子、大内一彦、柏原花菜、古川崇史)

代表 松山純子。2006年6月に独立開業、2017年10月に法人化。
従業員が自分らしく継続して働くことができるよう、病気・育児・介護と仕事の両立支援を積極的に支援しています。
企業側と従業員側の両方の視点を持ちながら、障害者雇用コンサル、障害年金の手続きをおこなっております。

障害者手帳とは?3つの種類

「障害者手帳」とは、障害のある人が取得できる手帳の総称です。障害者手帳には、身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳の3つの種類があります。それぞれの手帳の概要をみてみましょう。

身体障害者手帳

青い身体障害者手帳と特別割引引用ICカード2枚

「身体障害者手帳」とは身体障害者福祉法に基づき、身体障害のある方の自立や社会活動の参加を促し、支援を目的とした手帳です。

また、国が医療費助成制度の対象としている 「指定難病」のある人も、疾患の症状と医師の診断により障害者手帳の取得ができたり、障害者総合支援法に定める福祉サービスを受けることができたりする場合があります。

参考:厚生労働省『難病患者等に対する障害程度区分認定 』(外部サイト)

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精神障害者保健福祉手帳

「精神障害者手帳」とは精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)に基づき、精神障害のある方の自立や社会活動の参加促進と支援を目的とした手帳です。

精神障害者保健福祉手帳は、一定程度の精神障害の状態にあることを認定するものです。
精神障害者の自立と社会参加の促進を図るため、手帳を持っている方々には、様々な支援策が講じられています。
精神障害者保健福祉手帳の等級は、精神疾患の状態と能力障害の状態の両面から総合的に判断され、1級から3級まであります。
引用:厚生労働省「障害者手帳について」

精神疾患により、長期にわたり日常生活または社会生活への制約がある方を交付対象としています。なお、発達障害に関しても精神障害者保健福祉手帳の交付対象となっています。

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療育手帳

「療育手帳」とは知的障害のある方に対して一貫した指導・相談をおこない、各種の援助措置を受けやすくすることを目的とした手帳です。

1 概要
知的障害児・者への一貫した指導・相談を行うとともに、これらの者に対して各種の援助措置を受けやすくするため、児童相談所又は知的障害者更生相談所において知的障害と判定された者に対して、都道府県知事、指定都市市長又は児童相談所を設置する中核市の市長が交付する。
引用:厚生労働省「療育手帳の概要」

療育手帳制度は法律で定められた制度ではなく、都道府県・政令指定都市が、児童相談所または知的障害者更生相談所における判定結果に基づき手帳の交付を決定しています。そのため、自治体によって制度名(東京都や横浜市では愛の手帳などと呼ばれています)や支援内容、手帳取得の基準などが異なる場合があります。

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障害者手帳の対象疾患と等級

障害者手帳の種類ごとに、対象疾患と等級が定められています。

身体障害者手帳の対象疾患と等級

身体障害者福祉法に定める身体上の障害がある方に対して交付される手帳です。
対象の障害は以下の9つで、これらの障害は程度や日常生活に及ぼす支障により7段階の障害程度等級に分けられます。
7級にあたる障害は単独では手帳の対象となりませんが、7級の障害が異なる部位に重複する場合は6級として手帳が発行されます。
また、いずれも永続すること(障害が固定されており、身体の機能が回復する可能性が極めて低い状態にあること)が要件となっています。

  • 視覚障害
  • 聴覚または平衡機能の障害
  • 音声機能、言語機能またはそしゃく機能の障害
  • 肢体不自由(上肢、下肢、体幹機能、脳原性運動機能)
  • 心臓、じん臓または呼吸器の機能の障害
  • ぼうこうまたは直腸の機能の障害
  • 小腸の機能の障害
  • ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害
  • 肝臓の機能の障害

参考: 厚生労働省『身体障害者障害程度等級表』(外部サイト)

【用語解説】「症状の固定」とは
症状固定とは、症状が固定し、これ以上回復する可能性が極めて少ないことをいいます。
障害種別によって、障害が固定されたとみなされる時期は異なるため、指定医への相談が確実です。

身体障害者手帳の有効期限について

身体障害者手帳には、原則有効期限はありません。障害の状態が変わったり、障害がなくなったりした場合には、「等級変更」や「返還」の手続きをすることが可能です。再認定制度の対象になっている方は、指定された期日までに改めて診査を受ける必要があります。

「障害再認定」とは

手帳が交付される際に、将来、障害程度に変化が予想される場合は、都道府県知事が、再認定の期日(手帳交付時から1年以上5年以内)を指定し、その期日までに障害程度を改めて診査する制度です。結果、障害程度に重大な変化が認められた場合には、先に交付した手帳と引換えに、新しい手帳を交付することになります。
東京都では障害再認定制度を平成14年度から実施しています。

精神障害者保健福祉手帳の対象疾患と等級

精神障害者保健福祉手帳は、何らかの精神疾患(てんかん、発達障害などを含む)により、長期にわたり日常生活また社会生活への制約がある方を対象としています。生活への影響の程度により1級から3級の等級に分けられます。
また、手帳を受けるためには、その精神疾患による初診日から6ヶ月以上経過していることが条件になります。

  • 統合失調症
  • うつ、双極性障害(躁うつ病)などの気分障害
  • てんかん
  • 薬物やアルコールによる急性中毒またはその依存症
  • 器質性精神病(高次脳機能障害を含む)
  • 発達障害(自閉スペクトラム障害(ASD)、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD・ADD)等)
  • その他の精神疾患(ストレス関連障害等)
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療育手帳の対象疾患と等級

療育手帳は各自治体の独自制度のため、判定区分は自治体によって区分の呼び名や、判定基準に若干の違いがあります。各自治体の基準により、障害の程度が重度なら「A」、その他は「B」に区分されています。
例えば、東京都では障害の程度によって1度から4度に区分され、「愛の手帳」という名称です。

障害の程度「重度/中度/軽度」とは?

障害等級とは別に「重度の障害」といった言葉を耳にしたことはないでしょうか?
厚生労働省の「障害者雇用実態調査」では以下のように障害の程度が定義づけられています。

重度 身体障害者程度等級表の1級、2級/療育手帳で程度が「A」「1度」及び「2度」または障害者職業センターで重度知的障害者と判定された者
中度 身体障害者程度等級表の3級、4級
軽度 身体障害者程度等級表の5級、6級

精神障害については程度に対しての明確な定義は確認できませんでした。また知的障害も重度は「A」、それ以外は「B」などと表現されているようです(※障害の程度を明文化している自治体もあります)

「特別障害者」とは?

特に税金面の減免などを受ける際には「特別障害者」という言葉が出てきます。

◆特別障害者
障害者のうち、次の特に重度の障害のある方
  • 身体障害者手帳に身体上の障害の程度が一級又は二級と記載されている方
  • 精神障害者保健福祉手帳に障害等級が一級と記載されている方
  • 重度の知的障害者と判定された方
  • いつも病床にいて、複雑な介護を受けなければならない方 など
引用:国税庁「特別障害者」

「特別障害者」の他、「特別障害者以外の障害者のうち精神に障害がある方」を含めた「特定障害者」という区分もあります。主に贈与税の非課税化の適用範囲で言及されます。

障害者手帳の11のメリット(支援サービス・優遇)

障害者手帳取得のメリットは手帳の保有・提示により様々な支援や優遇が受けられることです。詳しく見ていきましょう。

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障害者雇用枠での就労

従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります(障害者雇用促進法第43条第1項)。
例えば民間企業の場合、従業員を43.5人以上雇用している企業は、障害者を1人以上かつ従業員の2.3%にあたる人数の障害者を雇用することが定められています。
障害者手帳をお持ちの方は、この法定雇用率で定められる枠での就業が可能です。なお、障害者手帳を持っていても障害者雇用枠で就業することは義務ではなく、一般雇用枠で就業することも問題ありません。

企業ごとに「求人への応募段階で手帳を取得していることが必須」か「申請中(取得見込み)でも応募可能」かは異なります。
手帳の申請中に求人への応募を検討されている方は、応募したい企業への確認が必要です。

障害者雇用枠で働くメリット

すべての障害者手帳に共通しますが、障害者雇用枠に応募し、就職・転職することが可能です。障害者雇用枠として就職・転職した場合、障害をオープンにして必要な障害配慮を受けられることが大きなメリットとなります。

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身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳で受けられるサービス

障害種別・等級・在住の自治体・所得状況等によって内容は変わるので注意が必要です。

障害者雇用枠への応募
医療費の助成
一部税金の控除
一部税の非課税化
補助具購入費用の助成
リフォーム費用の助成
失業保険の延長
子の保育園入園時の加点
交通機関・インフラの割引
その他、民間企業による割引・サービスなど

代表的なものを確認していきましょう

医療費の助成

「医療費の助成」とは障害者手帳をお持ちの方の医療費負担が軽減される制度です。
一例として、東京都内在住の方で下記に該当する方は、医療機関での医療費の自己負担が、原則1割になります。

(1)身体障害者手帳1級・2級の方(心臓・じん臓・呼吸器・ぼうこう・直腸・小腸・ヒト免疫不全ウイルスによる免疫・肝臓機能障害の内部障害については3級も含む。)
(2)愛の手帳1度・2度の方
(3)精神障害者保健福祉手帳1級の方

引用:東京都福祉保健局「心身障害者医療費助成制度(マル障)」

 
CA

医療費の助成については年齢や所得により助成の対象にならないケースもあります。また、地方自治体ごとに制度の名称や内容が異なります。お調べになる場合は、検索サイトで「障害者 医療費 助成 〇〇市」のようにお住まいの市区町村を含めた検索をお試しください。

補装具の助成

補装具とは、義肢・視覚障害者安全つえ・補聴器・車いすなどを指し、補装具の購入または修理で必要な費用の助成が受けられる制度です。対象となる補装具の種類・上限の価格・個数など細かい条件があるため、申請を検討されている方は厚生労働省『義肢等補装具費支給要綱』をご確認ください。

障害者住宅改造費(リフォーム費用)の助成

住宅リフォーム費用の給付が受けられます。例えば、住宅内の段差解消のバリアフリー工事やスロープ・手すりの設置費用を助成するものです。

各種税金のメリット

所得税・住民税・相続税・自動車税などの軽減が受けられます。等級によって変わりますが、一定の金額の所得控除が受けられます。障害当事者本人だけでなく、扶養している方が対象になる特例もあります。

所得税の控除

障害者控除として27万円(特別障害者の場合は40万円)が所得金額から控除されます。

相続税の控除

相続人が障害当事者の場合、85歳になるまでの年数1年につき10万円(特別障害者のときは20万円)が相続税額から控除されます。

「心身障害者扶養共済制度」給付金の非課税

心身障害者扶養共済制度」の給付金に対して、所得税がかかりません。

贈与税の非課税 ※「特定障害者」のみ

生活費などに充てるための信託(贈与)があった場合、6,000万円または3,000万円まで贈与税がかかりません。

少額貯蓄の利子等の非課税 ※「身体障害者手帳」交付者など一部

通称「障害者等のマル優」。預貯金、信託、国債などに対する利子が350万円を限度額として非課税になります。
 
CA

ここでは簡単に説明しましたが適用条件や申請は非常に複雑です。窓口や社会福祉士などの専門家に相談してみるとよいでしょう。

参考:国税庁『障害者と税』(外部サイト)

交通機関の割引

交通機関(鉄道・バス・タクシー・航空旅客機・船舶など)によっては障害者手帳をお持ちの方は割引が適用となる場合があります。こちらも手帳の種別等によって割引内容が異なるため、ご利用になる交通機関の運営会社のホームページなどで確認しましょう。

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療育手帳で受けられるサービス

療育手帳をお持ちの方は、前述の支援・優遇に該当する場合が多いですが、諸条件は自治体によって大きく異なるため、お住まいの自治体に確認してください。

「特別障害者手当」―重度障害者が受け取れる手当

重度の精神障害や身体障害をお持ちの方が受け取れる国の制度として「特別障害者手当」があります。月額にして3万円近い経済的支援策なので大きな助けとなるでしょう。

精神又は身体に著しい重度の障害を有する方に対して支給される手当です。受給資格が認定されると、申請月の翌月分から、毎年2月・5月・8月・11月に各月の前月分までの手当が支給されます。
手当月額は27,300円です。
引用:東京都福祉保健局「特別障害者手当(国制度)」※2022年11月4日確認

支給の条件は20歳以上の在宅で生活する方(グループホームは対象)で、精神又は身体に著しく重度の障害があるため、日常生活において常時特別の介護を必要とする状態(おおむね身体障害者手帳1、2級程度もしくは療育手帳1、2度程度の障害が重複している状態、またはこれらと同等の疾病・精神障害がある状態)にある方です。所得制限等もあるので、お住まいの市区町村の障害者福祉窓口へ申請や詳細の問い合わせをしましょう。

参考:厚生労働省「特別障害者手当について」


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障害者手帳の2つのデメリット

障害者手帳を持つことについてのデメリットは、基本的には無いと考えて問題ありません。前述の転職活動に関しても、障害者手帳を持っていることを企業側に開示することは義務ではありませんので、一般雇用枠・障害者雇用枠を自由に選択することが可能です。

 
CA

病気のことを知ってもらうことは周囲の理解が得られるようになり、自分の体調にあった働き方を選択することもできるのですよ。

手帳を取得した際は有効期限が訪れる前に更新をを忘れないように注意しましょう。
精神障害者保健福祉手帳は2年に1度。
身体障害者手帳は障害部位に応じて。
療育手帳は2022年(令和4年)1月1日から療育手帳の再判定の時期が改正されました。18歳以降に判定を受けた方は、その後の再判定が不要になります。令和2021年12月末までに判定を受けて、次回判定年月が定められた方も経過措置があり、「次回判定」欄の書換えが可能な方がいます。詳細は、住所地の市区町村の障害福祉窓口、または知的障害者更生相談所に確認してください。

障害者手帳と障害年金は別物!?手帳がなくても受給できる場合も

「障害者手帳」と「障害年金」どちらも障害のある方のための制度であり、どちらにも等級が存在することでよく誤解されますが、両者はまったく異なる制度になります。
障害者手帳を取得せずに、障害年金を受給されているケースもあります。また、障害者手帳を持っていることで必ずしも障害年金支給の対象となるとはいえません。申請などの際には、それぞれ別のものとして専門の機関に相談してみてください。

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障害者手帳の申請方法

申請はお近くの自治体へ

次の項目では、手帳の申請方法について説明していきます。診断書は、各自治体による規定のフォーマットを確認してください。

身体障害者手帳の申請方法

身体障害者手帳を取得する際は、指定医の診断書が必要です。診断が下りるまで初診から期間を要する場合があるので、取得を検討している方は早めに医師への相談をおすすめします。下記で申請にあたっての主な流れを説明します。

(1)お住まいの市区町村の障害福祉窓口にて、診断書(もしくは意見書)や交付申請書の書式を受け取る
(2)指定医に「身体障害者診断書・意見書」を書いてもらう
(3)診断書及び交付申請書、顔写真などを(1)の窓口で提出する
(4)手帳が交付される

精神障害者保健福祉手帳の申請方法

精神障害者保健福祉手帳を取得する際も、指定医(精神保健指定医その他精神障害の診断又は治療に従事する医師)の診断書が必要な点や主な流れは前述の身体障害者手帳と同様です。異なる点として、初診日から6ヶ月を経過しないと申請ができないので注意が必要です。

療育手帳の申請方法

療育手帳を取得する際は、主に下記の流れで申請手続きを進めます。

(1)お住まいの市区町村の障害福祉窓口もしくは児童相談所で障害の程度判定の予約を申し込む
(2)心理判定員・小児科医による面接・聞き取りを実施
(3)判定結果に基づき、精神保健福祉センター等、審査機関にて審査が行われ、区分が決定される
(4)手帳が交付される


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まとめ~障害者手帳取得に抵抗がある方へ~

最後に、YORISOU社会保険労務士法人のお客様のあるエピソードをご紹介します。

障害者手帳の取得に抵抗があったけれど……
 

とある企業の社員様

手帳の取得に抵抗があり取得をしていませんでした。しかし自分と同じ病名の方が障害者雇用で採用され、周囲からの配慮を受けているのを見て、「働きやすそうだな、自分も仕事しやすくなるかな…」と思い、会社に相談して障害者手帳を取得しました。
現在、配慮を受けながら仕事がてきるようになり、長く勤務できそうです。安心しました。

障害者手帳の取得に抵抗がある方は少なくはないようです。しかし何も後ろめたいことはありません。毎日を生き生きと過ごせ、選択肢を広げる一つの手段なのだと覚えていただければ嬉しいです。

一見複雑に思える障害者手帳の制度ですが、取得することによって得られる支援・サービスは幅広くあります。取得を検討されている場合は、ぜひ主治医やお近くの自治体に相談・確認をしてみてください。

また、法定雇用率の引き上げに伴って年々障害者の雇用数が増えている背景から、就職・転職を考えている方にとっては障害者手帳の取得によって就職先の可能性を広げられます。障害者雇用枠での就職・転職の進め方や採用市場の現状を知りたい方、自分にあった職場の探し方に悩んでいる方は、障害者雇用枠に特化した転職エージェント「DIエージェント」へもお気軽にご相談ください。
また障害者手帳全般に関するお悩みはYORISOU社会保険労務士法人の他、障害の制度を得意とする行政書士へもご相談ください。