「今は自分のペースで働けています」初の障害者枠での転職経験談 [転職成功事例 Vol.2]

DIエージェントを通じて転職に成功した皆さんのエピソードをご紹介します。
今回は、Yさんの転職エピソードです。

プロフィール
Yさん 女性(24歳)
障害:発達障害(ADHD)
経験:自動車関連企業での店舗スタッフを1年、代車手配スタッフを約半年ご経験
就職先:テレビ番組の編集を手がけるポストプロダクション業界のN社の総務アシスタント職に入社決定

急な部署異動。仕事も人間関係もミスマッチに

――まず、Yさんが転職活動を始められたきっかけを教えていただけますか?

私の前職は自動車関連の会社で、新卒1年目は店舗での勤務だったのですが、欠員補充のために今年の4月から部署が異動になったんです。新しい部署は、休職者が何人も出ているような多忙な部署でした。私はコールセンター業務を任されることになり、保険会社、自動車の修理工場、事故に遭われた方など、色々な関係者の対応に追われ、覚えることも多く慌ただしい日々を送っていました。さらに異動先の上司が社内ではパワハラで有名な人で…。「何でそんなこともできないの?」と、毎日のように言われてしまい、人間関係的にもつらい状況が続いていました。

「きついのはわかるけど、まず1年は頑張ってみて。」理解のない言葉に落胆

――ミスマッチが重なってしまったんですね。仕事内容としては、どのようなところが合わなかったのでしょうか?

スピーディーな対応や臨機応変さが求められる部分ですね。電話対応がメインだったので、問い合わせや連絡に対して、その場その場で即答しなくてはいけない場面が多くて。私は型通りの対応でないと動けないタイプなので、突発的な依頼が重なってしまうと対処しきれず、「遅い」と上司によく叱られていました。

――Yさんにとって辛い環境でしたね。当時、職場に相談はされましたか?

はい、もともと自分にADHDの傾向があることは自覚していたので、入社時に職場へ伝えていました。当時もこのままではいけないと思い、部長に相談してみたのですが、理解を得られずでした。こちらはもう限界まで努力しているつもりなのに、上司に「きついのはわかるけど、まず1年は頑張ってみて。」という簡単な言葉で片付けられてしまい、転職するしかないと決断しました。

新卒の就活では消極的だった「障害者枠」を再び検討

――ちなみに、新卒の就活の頃は、障害者雇用枠で働くことは考えましたか?

障害者雇用枠というものの存在は知っていましたし、検討したこともありました。ただ、給与面が心配だったんですよね。また、ADHDの特性は幼い頃と比べ、大人になるにつれてカバーできるようになったので、一般枠でも働けるのではないかと思っていました。前職の内定が早期にもらえたこともあって、就職を決めました。

――今回の転職では、最初から障害者枠を検討されたのですか?

はい、前職でのミスマッチを経験して、障害にどの程度配慮してもらえるかわからずに入社することはリスクだと思いましたし、一般枠では、障害を持っていることを理由に選考で落とされるのではないかという不安があり、今回は障害者枠に絞って転職活動をしました。

――具体的には、その後どのように転職活動を進めましたか?

DIエージェントを含め、障害者枠に特化したエージェントに何社か登録してみました。ですが、私の職歴が1年半と短いことや、障害者手帳が申請中の段階であることを理由に面談(キャリアカウンセリング)や求人の紹介を断られてしまい、思うように進みませんでした。DIエージェントでは、面談当日に求人をいくつか紹介してもらえたので、その場で何社か応募し、その2週間後くらいには面接まで進むことができました。

――障害者枠での本格的な転職活動は初めてだったかと思いますが、実際に求人をご覧になって、何か印象はありましたか?

名前を知っているような大手企業の求人も多くあり、障害者枠だからといって選択肢が狭いわけではなく、色々な業界の求人があるんだな、と思いました。自分の関心のあったメディア業界のN社を見て、すぐに興味を持ちました。

面接対策はちょっとした工夫の積み重ね

――求人に応募してから、内定までの道のりはいかがだったでしょうか。初の転職活動で、感じられたことが色々あったのではないかと思います。大変だったこと、印象に残ったことはありますか?

職務経歴書の書き方もそうですし、面接にむけての対策として、志望動機や障害の説明の仕方などをまとめる作業が難しかったです。カウンセラーさんからは、細やかなところまでアドバイスをしていただきました。志望動機は、要点をいくつかにまとめて話すようにするとか。また、障害の説明については、「苦手な部分ばかり伝えるとマイナスな印象になってしまうよ。表現を変換して『こういう特性があります。でも、こういうことができます』とプラスの面が際立つように話してみたら?」と教えていただきました。どのように話したら人に伝わるのか、自力ではわからなかったのでアドバイスをいただけて非常に助かりました。

――お役に立てて良かったです。それ以外に、DIエージェントを利用してみたご感想はありますか?

カウンセラーさんが自分のために親身になってくれた、という印象が一番強いです。面談に行って当日求人を紹介してくれたのは、DIエージェントだけでしたし、選考の対策に向けて丁寧なアドバイスをいただけるなど、フォローが手厚かったです。選んでよかったと思います。

――実際に面接を受けてみて、事前に対策した内容は役立ちましたか?

対策した通りの質問が多かったので、全体的にうまくいったかなと思います。しいて言うなら、一次面接では面接官が3名、最終面接では5名もいらっしゃったので、それにはちょっと緊張しちゃいましたね。笑

――1対5の面接はさすがに緊張しますね(笑)。でも、担当カウンセラー曰く、応募後の選考からご内定までは無事スムーズに進んだそうですね。

他にも何社か応募しましたが、もともとN社が第一志望でした。また一番早く選考が進んで内定をいただけたので、納得した状態で内定を承諾することができました。


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入社から1週間。ゆくゆくは障害を持つ社員と企業の懸け橋になりたい

――入社して、今日でちょうど1週間が経ちましたね。仕事が始まってからのご様子もうかがえますか?

今は総務部のアシスタント的な仕事をしています。職場の上司は「無理しなくていいよ」と声をかけてくださって、自分のペースで仕事ができています。今後は仕事が増えていく予定ですが、「もし困ったことが出てきたらその都度すり合わせていきましょうね」と言っていただけるので、いつでも相談できる環境の中で安心して仕事ができています。

――入社後も順調そうでこちらも嬉しいです。ちなみにN社では、障害者雇用枠で入社した社員はYさんが初めてとのことですね。Yさんご自身も障害者雇用枠で初めて転職されたわけですが、不安はなかったですか?

N社では、これから積極的に障害者雇用を進めていきたい、と会社として考えていると面接で聞いていたので、そこに自分が関わって一緒に環境を作っていけるというプラスの印象が大きかったです。自分自身が障害者雇用枠の社員第一号として、入社者と企業の「懸け橋」になりたいという思いも強くありました。

――懸け橋。とても素敵な目標ですね。特に、こんなことに挑戦してみたいという入社後のビジョンはありますか?

ゆくゆくは、リーダー的なポジションや、障害者雇用枠で入社される方の相談役になれたらいいなと思っています。「発達障害」と一口に言っても、人によって色々な特性や困りごとがあると思います。自分が入社する人の相談役になり、寄り添える存在になりたいなと思います。

――ありがとうございます。Yさんが後輩に慕われる先輩として活躍する姿を、いつか見られるのを楽しみにしています。

インタビュー当日は、お茶をしながら転職活動の思い出話を聞かせていただきました。
Yさんを担当したカウンセラー K. A
接客業や営業職を数社で経験後、人材紹介事業会社のオフィスサポート部にて精神障害の方の指導員に従事し、業務切り出しや業務研修、毎月の評価面談を経験。
「誰もが働きやすい社会にしたい」という思いからD&I(DIエージェント運営会社)に入社。
キャリアカウンセラーとして20代~50代まで幅広い年齢層の求職者を担当。