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障害の等級によって受け取るお金はどう変わる?障害年金とその他のお金についても解説

「体に障害がある」「うつ病になった」など心身の事情で働くことに障害があるとお金のことで悩んでしまいますよね。受給の条件を満たせば障害年金をもらうことができますが、「障害年金はいくらもらえるの?」と気になる人が多いと思います。

この記事では、障害年金受給の条件や金額の計算方法、さらに障害年金以外のお金にまつわる制度まで詳しく解説します。「自分は障害年金を受給できるのか」、「障害年金以外に受けられる制度はあるのか」と気になっている人は、ぜひ参考にしてください。

※本記事の内容は2020年7月時点の情報に基づいており、各制度は変更になる可能性があります。詳細はかならず各制度の実施主体のHP等でご確認ください。

最初におさえておきたい障害年金

障害年金は、病気やケガ・障害によって仕事や日常生活に支障がでる場合に支給される年金です。障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。国民年金に加入してる人は「障害基礎年金」が支給され、厚生年金に加入してる人は障害基礎年金に加えて「障害厚生年金」が支給されます。そのため、障害年金は2階建て年金ともいわれているのです。障害年金は手続きをしないと受け取ることができない年金ですので、受給条件を満たす場合には忘れずに申請手続きを行いましょう。

尚、それぞれの年金の「障害等級」とは障害者手帳の等級とは別物である点に注意してください。

障害基礎年金とは

障害基礎年金は、基本的に国民年金の加入者が受給できる年金です。自営業を営んでいる人、家族が国民年金に加入している場合には障害基礎年金を受け取ることになります。国民年金法で定められている基準で障害等級1級または2級にあたる場合が給付の対象です。前述の通り、障害者手帳の等級とは別に認定基準が設けられています。また、初診日(病気やケガの診療を初めて受けた日)に国民年金に加入していない場合や加入していても一定の未納期間がある場合には受給対象とならないことがあります。

障害厚生年金とは

障害厚生年金は厚生年金に加入している人が受給でき、厚生年金法で定められている障害等級1~3級にあたる場合が受給対象となります。こちらも障害者手帳の等級とは別の認定基準となります。障害等級が1級と2級の場合は「障害基礎年金と障害厚生年金」を受け取ることができますが、3級の場合は「障害厚生年金のみ」の受給となっています。また、病院の初診日から5年以内に病気やケガが治ったものの、障害厚生年金の対象とならない程度の軽い障害が残ってしまった場合には障害手当金(一時金)を受けることが可能です。

障害年金の等級と障害者手帳の等級は違う

障害年金と障害手帳は別々の制度です。それぞれの制度の等級基準が異なるため、障害年金と障害者手帳の等級が違うケースもあります。「障害年金の等級=障害者手帳の等級」とはならないので、必ず確認をしましょう。また、障害者手帳を持っていなくても障害年金の申請は可能です。

障害年金をもらうための条件

障害年金は申請すれば必ず支給されるものではありません。障害年金を受けるためには条件を満たす必要があります。こちらでは、障害年金受給の条件となる「初診日」と「保険料納付要件」についてご説明します。

初診日の日付がはっきりしている

障害年金は、初診日(障害の原因となる病気やケガを病院で初めて診てもらった日のこと)に国民年金や厚生年金に加入していた人が受給可能となっています。そのため、初診日がいつなのか分からない場合には申請することができません。初診日は「初めて診察を受けた日」であり、「障害の診断を受けた日」ではないので注意しましょう。

初診日の時点で年金に加入し納付している

障害年金をもらうためには、初診日に国民年金や厚生年金に加入し、滞納なく支払っていることが必要です。細かい条件としては、「年金加入期間の3分の2以上納めていること」、「直近1年間に未納期間がないこと」があげられます。国民年金や厚生年金に未加入の場合、長期間支払っていない場合、1度も支払っていない場合には障害年金受給の対象外です。

国民年金や厚生年金への加入義務は20歳からなので、障害年金が受給できるのは20歳以上となっています。ただ、先天性の障害や病気やケガによる障害で20歳より前に初診日がある場合は、「初診日から1年半経過している」、「20歳以上である」、「厚生年金に加入していない」という条件を満たしていると「20歳前傷病による障害基礎年金」の請求が可能です。20歳前傷病による障害基礎年金では、保険料の支払いなしで障害基礎年金を受給することができます(所得制限あり)。

1級・2級の人が受給できる障害年金の金額

障害年金は認定される等級によって受給金額が異なります。こちらでは、障害基礎年金と障害厚生年金にて、1級と2級の人が受け取れる障害年金の金額をご説明します。

障害基礎年金の金額

障害基礎年金の支給金額は、1級と2級で異なります。1級の年金額計算式に使われる「1.25」は等級倍率で毎年変動があります(1.25は令和2年4月分から)。

1級・2級の障害基礎年金の計算式は下記のとおりです。

障害等級 計算式
1級 781,700円×1.25+子の加算
2級 781,700円+子の加算

障害等級の1級に認定される障害の例としては、

・両方の上肢機能に著しい障害がある

・両方の下肢機能に著しい障害がある

・両眼の視力を合わせて0.04以下である(矯正視力)

・両耳の聴力レベルが100デシベル以上

などがあげられます。

また、障害等級2級に認定される障害の例には、

・片方の上肢機能に著しい障害がある

・片方の下肢機能に著しい障害がある

・両眼の視力を合わせて0.05以上0.08以下である(矯正視力)

・両耳の聴力レベルが90デシベル以上

などがあげられます。

子の加算とは

障害基礎年金では「子の加算」というものがあり、扶養する子供の人数分の金額が加算されます。原則として「18歳までの子供」、「20歳未満で障害等級が1級または2級の障害者」が対象です。

【子の人数と加算金額】

人数 加算金額

第一子

224,900円/年

第二子

224,900円/年

第三子以降

1人につき75,000円/年

障害厚生年金の金額

障害厚生年金は収入や厚生年金の加入期間によって受給額が変わります。

障害厚生年金の計算式を表にまとめました。

障害等級 計算式
1級 報酬比例の年金額×1.25+配偶者の加給年金額(224,900円)
2級 報酬比例の年金額+配偶者の加給年金額(224,900円)
3級 報酬比例の年金額

※報酬比例の年金額とは

下記の式によって算出した金額が報酬比例の年金額となります。(1)が(2)を下回る場合には、(2)によって算出した金額を適応します。

(1)本来水準

 平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数

+平均標準報酬月額×5.481/1000×平成15年4月以降の被保険者期間の月数

(2) 従前額保障(平成6年の水準で標準報酬を再評価し年金額を計算したもの)

 (平均標準報酬月額×7.50/1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数

+平均標準報酬月額×5.769/1000×平成15年4月以降の被保険者期間の月数)

×1.002

障害年金の対象となる障害には、手足などの外部障害だけでなく、精神障害・がん・糖尿病などの内部障害も含まれます。外部障害の例としては、眼・聴覚・肢体(手足など)の障害、精神障害では統合失調症・うつ病・認知障害・知的障害・発達障害などがあります。また、内部障害では呼吸器疾患・心疾患・腎疾患・血液疾患などが対象です。

配偶者の加給年金とは

65歳以下の配偶者がいる場合には、224,900円の配偶者の加給年金が加算されます。ただし配偶者が老齢厚生年金、退職共済年金、障害年金などを受給している期間は支給されないケースがあるため確認が必要です。

3級の人が受給できる障害厚生年金の金額

障害基礎年金は障害等級が1級と2級のみが対象になりますが、障害厚生年金では障害等級3級まで受給対象となります。

3級の年金額の計算式は、「平均月収額×0.55%×厚生年金加入期間」となっています。また、3級では最低保証額が決められており、最低でも586,300円の受給が可能です。1級と2級では配偶者の加給年金額が加算されますが、3級は配偶者の加給年金額は加算されません。

障害者手帳で受けられる制度も多い

障害者が受けられるお金の制度は障害年金だけではありません。障害者手帳を持っていれば、医療費助成や税の控除など様々な制度を利用することができます。まずは、障害者手帳の種類について知っておきましょう。

身体障害者手帳

身体障害者手帳は、身体機能に一定の障害があると認められた場合に身体障害者福祉法に基づいて交付される手帳です。有効期限がないため更新の必要はありません(*)。障害等級は1級から7級の等級に分けられています。手帳の交付は都道府県、指定都市または中核市にて行われます。
*障害の認定時に障害が将来的に変化する可能性があると判断された場合は「再認定」の診査が必要な場合もります。

身体障害者手帳の対象となる疾患は、次のような障害です。

・視覚障害

・聴覚、平衡機能障害

・音声、言語、そしゃく障害

・肢体不自由(上肢不自由、下肢不自由、体幹機能障害、脳原性運動機能障害)

・心臓機能障害

・じん臓機能障害

・呼吸機能障害

・ぼうこう、直腸機能障害

・小腸機能障害

・HIV免疫機能障害

・肝臓機能障害

参考:厚生労働省 身体障害者障害程度等級表

精神障害者保健福祉手帳

精神障碍者保健福祉手帳は、精神障害がある人の自立と社会参加の促進を目的として精神保健福祉法に基づき交付される手帳です。等級は1級から3級まであります。手帳を受けるまでには、初診から6か月以上経過していることが必要です。手帳の有効期限は交付日から2年が経過する日が属している月の末日となっており、2年ごとに更新手続きをします。

精神障害者保健福祉手帳の対象となる疾患は、次のような障害です。

・統合失調症

・気分障害(うつ病、そううつ病など)

・非定型精神病

・てんかん

・薬物やアルコールによる急性中毒、またはその依存症

・器質性精神障害(高次脳機能障害を含む)

・発達障害(自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害など)

療育手帳

療育手帳は、知的障害があると児童相談所または知的障害者更生相談所で判定された場合に交付される手帳です。等級の判定基準や区分は自治体によって異なり、基になる法律はありません。厚生労働省の「療育手帳制度の概要」によると、障害の判定は重度(A)とそれ以外(B)に区分するとあります。療育手帳は自治体によって呼び方が異なり、東京都では「愛の手帳」、埼玉県では「みどりの手帳」と呼ばれています。

参考:厚生労働省 療育手帳制度の概要

障害者手帳で受けられる「お金」にまつわる制度

障害者手帳を提示することで医療費の助成、税金の軽減、各種割引を受けることができます。こちらでは、障害者手帳を提示することで受けられる「お金」にまつわる制度をご紹介します。

医療費の助成

自立支援医療

自立支援医療制度は、障害者の医療費の自己負担を軽減するために障害者総合支援法に基づいてつくられた制度です。所得や障害の重さによって月の上限額が決められていますが、自己負担は原則1割になります。自立支援医療は、精神通院、更生医療、育成医療の3種類に分けられ、対象となる障害や条件が異なります。

【自立支援医療の種類と対象となる障害】

種類

対象者

障害者手帳

主な障害

精神通院医療

精神疾患があり、継続的な通院が必要な人

不要

精神疾患

更生医療

【18歳以上】身体障害者手帳の交付を受けており、障害の改善のために手術や治療を受ける人

必要

肢体不自由、視覚障害、内部障害(心臓機能障害、腎臓機能障害など)

育成医療

【18歳未満】身体に障害を抱えており、障害の改善のために手術や治療を受ける人

有無は問わない

肢体不自由、視覚障害、内部障害(心臓機能障害、腎臓機能障害など)

自治体による医療助成

自治体によっては医療費の助成を受けることができます。自治体によって対象者、助成範囲、助成方法、名称が異なるため、医療助成の利用を考えている場合は住んでいる自治体の制度をインターネットなどで確認するか、役所に問い合わせてみましょう。

 

自治体による医療助成の例として東京都の「心身障害者医療費助成制度(マル障)」についてご紹介します。対象となるのは、東京都内に住所があり、次のどれかに該当する人です。

・身体障害者手帳1級・2級(心臓・じん臓・呼吸器・ぼうこう・直腸・小腸・ヒト免疫不全ウイルスによる免疫・肝臓機能障害の内部障害は3級も)

・愛の手帳1度・2度

・精神障碍者保健福祉手帳1級

助成対象となる場合は、原則として医療費負担が1割となります。ただし、ひと月当たりの自己負担上限額、年間上限額が決まっています。助成対象で住民税非課税の場合は医療費の負担はありません。また、決められた所得制限基準額を超えている場合、生活保護を受けている場合などは助成の対象外となります。

補装具の助成

補装具とは、義肢、義眼、視覚障害者安全杖、点字器、補聴器、人口喉頭、車椅子、車椅子など障害者が日常生活を送るために必要な用具のことを指します。これらの補装具の購入や修理をするために必要な費用の助成を受けらえる制度があります。自己負担は原則1割となっており、負担上限額は37, 200円となっています(所得制限あり)。

リフォーム費用の助成

障害によって手すりやスロープが必要になった場合、住宅のリフォーム費用の助成を利用することができます。リフォーム費用の助成はバリアフリー化のためのリフォームが対象となり、地方自治体によって制度が異なります。自治体ごとに助成対象者、助成金など細かい条件がありますが、条件を満たせばリフォーム費用を一部負担してもらうことができます。中には100%助成金が出るケースもあるので、まずは住んでいる自治体でのリフォーム助成制度について調べてみましょう。

「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」というサイトでは、住んでいる市町村の住宅リフォーム制度を検索することができます。

参考:地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト

税金の軽減・特例

障害者手帳を持っている場合、税金控除などの特例を受けることができます。

・所得税の障害者控除

障害者控除として所得金額から27万円(特別障碍者の場合は40万円)が差し引かれます。

・相続税の障害者控除

85歳になるまで、1年につき10万円(特別障害者の場合は20万円)を相続税から差し引かれます。

・特定障害者に対する贈与税の非課税

特定障害者(特別障害者、精神の障害がある障害者)の生活費などのために、特定障害者を受益者とする財産の受託があった場合、信託受益権の価額のうち3,000万まで(特別障害者の場合は6,000万円まで)贈与税がかかりません。

・少額貯蓄の利子等の非課税

身体障害者手帳を受けている場合、手続きを行えば350万円までの預貯金の利子が非課税(所得税)になります。

各種割引制度

障害者手帳を提示することで、公共料金や鉄道・バスなどの利用で割引を受けることができます。 

・JR等運賃の割引

JR等の運賃の割引は、身体障害者手帳に記載されている「第1種」、「第2種」で割引内容が異なります。

【第1種】

 

割引対象

割引率

片道100kmを超えて乗車する場合

普通乗車券

5割引き

介護者と乗車する場合(距離制限はなし)

普通乗車券

回数乗車券

普通急行券(特急券は除く)

定期乗車券

5割引き(本人・介護者ともに)

【第2種】

 

割引対象

割引率

片道100kmを超えて乗車する場合

普通乗車券

5割引き

12歳未満の身体障害児が介助者と乗車する場合

定期乗車券

5割引き(介助者のみ)

・バス運賃の割引

バス運営会社によって異なりますが、本人の運賃が5割引きになることが一般的です。介護者の割引についてはバス会社や自治体によって違うため、利用前に問い合わせてください。

・航空運賃の割引

JALとANAでは、搭乗時に12歳以上で障害者手帳を持っている障害者と同じ便に乗る介護者(一人まで)が障害者割引運賃を利用できます。

・NHK 放送受信料の減免

世帯に障害者手帳を持っている人がおり、さらに世帯全員が住民税非課税の場合にはNHK受信料が全額免除されます。

・携帯電話基本料金の割引

ドコモ、au、ソフトバンクなどの携帯キャリアでは、障害者向けの割引を行っています。基本料金の割引、一部事務手数料無料などの割引サービスがありますが各社でサービス内容が異なるので、利用している携帯電話会社のサービス内容を確認しましょう。

まとめ

障害年金は初診日に国民年金または厚生年金に加入し、滞納なく支払っていることで受給可能となります。また、障害年金だけでなく障害者手帳を持っていると医療費助成、税の控除、公共料金の割引を受けることができるので活用しましょう。

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