発達障害で仕事を辞めたいと感じる理由は?退職前にすること・相談できる場所も紹介

「大人の発達障害」をご存知ですか? 子どもの頃は気づかず働き始めてから、「周りの人と同じようにできない」と悩み、発達障害を診断されるケースがあります。
発達障害者の方の中には障害が理由となって仕事が上手くいかず「辞めたい」と感じられる場合も多いです。
今回は発達障害の主な種類や仕事をする上で悩むこと、退職を決断する前にできること、そして退職前後に相談できる場所などを紹介します。

発達障害とは?種類と特徴

発達障害とは脳発達に障害が生じ、さまざまな場面において困難が出てくる障害を指します。先天性の障害で病気ではありません。
まずは発達障害の主な種類を見ていきましょう。

自閉スペクトラム症(ASD)

自閉スペクトラム症(ASD)は、生後1歳ごろから特性が見られるようになります。主な特徴はコミュニケーション障害、対人関係障害、そして興味・行動の偏りの3つです。
コミュニケーション障害は日常会話では使わないような専門用語などを話す、一見会話は流暢に見えても言葉の本質を理解していないなどにより困り感が生まれることです。
対人関係障害は相手の気持ちをイメージできなかったり場の空気を読めない場面があります。
そして興味・行動の偏りとは物の位置や行動の順序にこだわりがあったり、特定のものに対して強い興味や関心を抱いたりすることを指します。

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注意欠陥・多動性障害(ADHD)

注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、通常7歳ごろまでに特徴が見られるようになります。注意欠陥、多動性、衝動性の3つの特徴があり、いずれか1つ、または2つ以上が組み合わさって表れるのが通常です。
注意欠陥とは忘れ物が目立つ、仕事でミスが多い、集中できないなどの症状が表れます。
多動性ではじっとしていられない、順番を待てないなどの症状がありますが、大人になるにつれて改善されていくのが一般的です。
衝動性は思いついたことを突発的に行動してしまうのが特徴です。

学習障害(LD)

学習障害(LD)知的発達には問題がなくても、読む・書く・計算するなどの特定のスキルに大きな困難が生じます。
文章をスラスラと読めない、行を飛ばして読んでしまう、バランスを取って文字を書けない、また数の概念が理解できないので簡単な計算もできないなど、人によって症状の表れ方はさまざまです。

限局性学習症(SLD)

最近では限局性学習症という言葉も聞きますが、内容は上記で紹介した学習障害と同じものです。
アメリカ精神医学会が作成している精神科の診断マニュアル、DSM-5の中で名称が学習障害から変更されました。

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「仕事が辛い・続かない」原因は?障害特性のポイント

仕事をしている発達障害者の方はどのようなことで悩み、「仕事を辞めたい」「続かない」と感じているのでしょうか。
主なものを6つと対処例を紹介します。

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ミスを繰り返したり約束を忘れたりしてしまう

特性のために、仕事でミスを繰り返したり、約束を忘れたりしてしまう場合があります。
ASDの人が上司からの指示の意味を理解できない、ADHDの人が不注意から業務に見落としが出やすいことなどから、ミスを繰り返すことは少なくありません。
また計画的に行動することが難しいADHDの人の場合、スケジュール管理ができずに約束を守れないこともあります。
さらにLDやSLDの人では、書類の文章に読み間違いや読み落としが生じる、計算違いが生じるなどが考えられるでしょう。

◆対処例◆
✓メモをとる
✓パソコンやアプリなどのタスク管理ツールやリマインド機能を使う

集中力を持続させることが難しい

どのような仕事でも集中して取り組むことは求められるでしょう。
ASDの人の中には興味や関心が持てるものであれば強い集中力を発揮できる反面、興味のない仕事では集中力を持続させることが難しいことがあります。また多動性や衝動性が際立つADHDの人では、頭の中にいろいろなことが浮かび上がり、仕事に集中できないこともあるでしょう。

◆対処例◆
✓集中できる環境を整える
✓集中タイムとこまめな休憩を組み合わせたメリハリあるスケジュールを組む

コミュニケーションがうまくとれない

多くの仕事では上司や同僚と、仕事に関するコミュニケーションを取る必要があります。
ASDでは雑談が苦手で職場の人との関わりを極端に避けてしまったり、逆に相手の都合を考えずに一方的に話してしまったりすることも。ADHDでは自分の興味関心が移ることで急に話題を転換してしまい、話し相手を困惑させる……などが起こりえます。周囲から「関わりにくい人」と思われ、次第に居心地の悪さを感じるようになります。

◆対処例◆
✓聞き手に徹する
✓飲み会などが苦手なことを周囲に理解してもらう

自分自身の評価と周りの認識に差がある

ASDの中には白黒思考といって、ゼロか100かでしか物事を考えられない人がいます。パーフェクトに仕事ができないと、まったくできていないと認識してしまうのです。ゼロと100の間、中間で物事を考えるのが苦手とします。
そのため周囲からの評価は高くても自己評価は低く、認識の差に悩んでしまう人がいます。

◆対処例◆
✓進捗を数値化する
✓面談などの機会をもらい客観的な評価を得る

空気を読めない

空気を読めないことに悩んでいる人もいます。
特にASDの人の場合は気持ちの推察が苦手なことから、不用意な発言をして場の空気を悪くしてしまうことも。また職場内にある暗黙のルールを理解できずに、少しずつ周囲との関係に亀裂が生じることも珍しいことではありません。

◆対処例◆
✓どのような場面で誤解が生まれやすいか点検してみる
✓言い方の癖などの傾向を周囲に知らせておく

周囲の音や目に映るものが気になり集中できない

周囲の音や光が気になって仕事に集中できないのは、「感覚過敏」という特性によるものです。
ASDの人の中には周囲の刺激が気になって、仕事に集中できないことがあります。耳や目から入ってくる刺激の取捨選択ができない、または特定の刺激に対して過敏に反応してしまうためです。仕事に集中できないことからミスが生じたり、納期を守れなかったりすることが想定されます。

◆対処例◆
✓壁に向かった作業スペースなど場所や環境を変えさせてもらう
✓在宅勤務(テレワーク)ができないか相談する
✓仕切りを付けたり、耳栓を使わせてもらう

参考:NHK「発達障害プロジェクト」


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「仕事を辞めたい」と感じた時にすべきこと

「もう仕事を辞めたい!」と思っても、安易に退職してしまうのは得策ではありません。
まずは解決方法があるかどうかを考えてみましょう。仕事を辞めたいと思っている理由を整理した上で、一つずつ解決できる方法を考えてみます。

 
 
「この業務は苦もなく取り組める」というものを自分の中で見つけていきましょう!
仕事への自信を取り戻し、部署異動のお願いや転職活動をする際にも役立ちます。

部署異動など退職以外の選択肢も併せて検討する

そのうえで解決方法が見つからない場合、部署異動や仕事の内容を変えてもらえないかを検討してみましょう。
ある程度の規模の企業であれば部署異動ができるかもしれません。部署が変われば人間関係や仕事内容も変わります。いまの状況よりも働きやすい環境になるかもしれませんね。
また退職したい原因が仕事内容にある場合は、同じ部署内でも職種や仕事内容を変えてもらう方法もあります。

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医療機関を受診する

あわせて検討してほしいのが医療機関の受診です。精神科の医師やカウンセラーに相談をすることで、退職しなくて済むアドバイスを得られるかもしれません。また仕事で感じるストレスやイライラを思いっきり聞いてもらうだけでも、スッキリとした気分になるでしょう。

有給休暇が残っていれば活用する

有給を取得して考える時間を作るのも効果的です。有休日数を確認し、計画的に消化しましょう。少し休息をとるだけでも気分がリフレッシュされ、冷静に現状を考えられるようになることも多いです。

会社の休職制度を確認する

勤務先の企業に休職制度があるかどうかを確認してみてください。退職ではなく休職をすることで一呼吸置き、休職期間中に今後の働き方について考えられるようになるでしょう。
また時短勤務を認めている企業もあります。時短勤務にすると給料が少なくなる可能性がありますが、その分、ストレスも減らして働き続けられるようになるでしょう。

失業手当について調べる

退職した後に失業手当をもらえるかどうかを調べることも大切です。
退職をすると次の仕事が見つかるまでの間、当然ながらこれまでもらっていた収入はなくなってしまいます。失業手当は雇用保険で保障されているもの。雇用保険加入者で一定の条件に該当すれば、一定期間に渡って手当を受給できます。
また障害者手帳保持者や精神科医師の意見書で障害が認められると判断された人は、通常よりも長く失業手当を受給できるので、期間を確認したうえで有効活用しましょう。

相談できる場所は?

発達障害者の方が「仕事を辞めたい」「解雇されるのではないか不安だ」と思った時、悩みを聞いてくれる相談先を紹介します。

発達障害の専門医

発達障害を専門とする精神科医師に診てもらうことが解決策の一つです。
専門的な観点から仕事における対処法や、現状を打破するためのアドバイスを受けられます。

心療内科・精神科

発達障害の専門医は患者が殺到して、なかなか予約が取れないのが現状です。一般的な心療内科や精神科でもある程度は発達障害についての知見はあるため、相談やカウンセリングに乗ってくれることでしょう。
ただし、まだ発達障害の診断を受けていない場合、発達障害専門医以外では診断を受けることは難しい可能性があります。

転職エージェント

特に障害者雇用に特化した転職エージェントであれば、障害者雇用をしている企業の現状や障害に対しての理解が深く、退職の悩みに沿った的確なアドバイスを受けられるでしょう。
実際にどのような求人があるかをチェックしてみることで、退職するかどうかを判断できるようにもなります。

DIエージェントでは発達障害をお持ちの方の状況をヒアリングし、配慮のある企業への転職先をご紹介しています。インタビューも併せてお読みください。

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発達障害者支援センター

最後は発達障害者支援センターです。発達障害と診断された方や発達障害が疑われる方、そして家族に対して各種の相談や支援を行っています。都道府県や政令指定都市に設置されていることが多いです。
相談や支援の内容は多岐に渡り、仕事に関するものも含まれています。悩んでいることを丁寧に聞き取った上で解決策を考えたり、必要に応じて他の専門機関を紹介したりするのが特徴です。

上記のほか、後述する地域障害者職業センターでも、職場で安定して働くためにどうしたらいいのかなどを相談することができます。


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退職後に相談できる場所は?

すでに離職している場合は、以下の機関に今後のことを相談することができます。

転職エージェント

転職エージェントは在職中でも、そして離職中でも利用できます。
登録をすると専任担当者が求職者に付き、これまでの就労経験や障害特性、仕事の希望などを丁寧にカウンセリング。聞き取った内容に基づいて、一人ひとりに合った仕事を紹介してくれるのが特徴です。仕事の選び方から面接のアドバイスなど、仕事が決まるまでトータルでサポートをしてくれる機関です。

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発達障害者支援センター

発達障害者支援センターの就労支援では、各労働関係機関と協力しながら仕事の情報提供を行います。
また実際に職場を訪問して企業へ障害特性を伝えたり、働きやすいように環境調整を行ったりしてくれる場合もあります。

地域障害者職業センター

地域障害者職業センターは各都道府県に設置され、障害者に対しての職業リハビリテーションを提供している機関です。
障害者手帳がなくても、障害が疑われれば利用できることもあります。詳細は各センターへ問い合わせてみましょう。就職後に職場を訪問して支援を行うだけでなく就職前の職業評価や、準備支援として一定期間センターに通って職業トレーニングを受けることもできます。

地域若者サポートステーション

地域若者サポートステーションは、厚生労働省委託の支援機関です。就労を希望する若者に対して、就業体験や各種講座、セミナー開催などを行っています。
対象年齢は15歳~49歳までです。実際に働き始めた後でも、職場に慣れるまでサポートを受けられます。

就労移行支援事業所

最後は就労移行支援事業所です。障害福祉サービスの一つで、一定期間通所をして就労トレーニングを受けます。
仕事探しから応募、面接対策、そして就労後の定着支援まで一貫してフォローをしてくれるのが特徴です。トレーニングの内容は事業所ごとに異なるため、利用する場合はいくつかを見学して比較するのが良いでしょう。利用するためには住んでいる市区町村に申請をして「受給者証」という取得する必要がありますので、希望する方はお住まいの自治体の福祉担当窓口に問い合わせてみてください。

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我慢のしすぎは禁物! 二次障害を防ぎましょう

発達障害の特性によって仕事のやりづらさを感じている場合、自己対処できることもありますが、ストレスがずっと続く・合わない環境で無理をして働き続けると、精神障害を併発するリスクも出てきます。これを二次障害と言います。
健康を損ねる前に様々な頼れる場所を覚えておいていただければ幸いです。
DIエージェントでは「同じような立場の人はどのような働き方をしているの?」「適職はある?」といったご相談も受け付けております。ぜひお気軽に下記フォームからお問い合わせください。

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