30代の障害者雇用枠で就職・転職を目指す方必見! 転職活動をする際には実は年齢や経験によって対策のポイントが異なることはご存知ですか?
ライフイベントの変化も大きい30代の転職について、データを見ながらDIエージェントのキャリアアドバイザーが転職のポイントをお伝えします。
30代・障害者雇用枠就転職データ
統計データから30代の転職について考えてみましょう。
「令和2年雇用動向調査結果の概況」によれば、20代が転職のピークで、30代以降は転職の動きが落ち着くと見ることができます。
こちらのデータからは転職市場の全体の傾向としては、20代後半までに転職をする方が多いといえそうです。
|
男性 |
女性 |
20代前半 |
12.7% |
14.3% |
20代後半 |
12.2% |
13.8% |
30代前半 |
11.1% |
10.0% |
30代後半 |
7.6% |
10.8% |
40代前半 |
6.2% |
11.0% |
40代後半 |
5.2% |
9.0% |
参考:厚生労働省「令和2年雇用動向調査結果の概況」(年齢階級別転職入職率 令和2年(2020)より)
同じ調査からは、女性はパート・アルバイトが半数近くという結果も出ています。
20代後半から30代前半にかけては出産・育児による離職も目立ちます。
30代の転職・離職理由は?
「令和2年転職者実態調査の概況」によると、30代の転職理由(自己都合退職)は
- 「労働条件(賃金以外)が良くなかったから」
- 「会社の将来に不安を感じたから」
- 「賃金が低かったから」
などが上位の理由として挙げられています。
また、転職によって約4割の方が賃金が増加したとの調査もあります。
障害者の場合「30~40代」「精神障害」が転職が活発
障害をお持ちの方に限った場合は、「労働市場分析レポート 第 87 号」に調査結果があります。
就職件数における比率は40代、次いで30代が多く、障害種別では30代は「精神障害」をお持ちの方が全体の2割を占めます。
DIエージェントでは「障害と向き合いながら働くことができてきた……キャリアアップが目指せる職場に転職したい」「転職を繰り返してきたがそろそろ自分に合った職場を見つけたい」といったご希望・お悩みから転職を検討される30代の方が多くいらっしゃいます。
30代で障害者雇用枠転職を目指す方に伝えたい3つのポイント
30代で転職活動をする場合の3つのポイントがこちらです。
- 専門エージェントを利用する
- 強みと弱みを把握し、転職の軸を定める
- ライフプランを見据えた選択をする
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1.専門エージェントを利用する
障害者雇用枠の求人はどこで探せばよいでしょうか?
- ハローワーク
- 求人サイト
- 専門エージェント
などで見つけることができます。
その中でも、障害について深く理解をしており内定までをサポート、優良企業の公開求人・非公開求人を豊富に所有している障害者雇用枠専門のエージェントの利用がオススメです。
求人サイトやハローワークなどを利用するのが30~40%に対し、エージェントを利用するのは約15%程度!
エージェントを利用することで他の転職者に差をつけられます。
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2.強みと弱みを把握し、転職の軸を定める
ここでいう強みと弱みとは、障害や個性、人柄(コミュニケーション面)などによるものとキャリアやスキルによるものの2種類が考えられます。
選考の限られた機会の中で「何を強みとし、PRするか」また「弱みとなる部分が働く上で大きな支障にならないか、どれだけの対処ができそうか」を示せるようにしましょう。
20代までは「未経験歓迎」だったポジションは30代以降だと厳しくジャッジされることも…。
キャリアチェンジを目指すのであれば、これまでの経験やどのような強みを転職先で活かせるのかを説得力を持って伝える必要があります。
初めて事務職を目指すのであれば独学や就労移行支援事業所などを利用しつつ、最低限のパソコンスキルを身につけておきましょう。
もちろん「私の強みってなんだろう?」といったご相談も就労移行支援・ワークイズやDIエージェントで承りますよ!
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3.ライフプランを見据えた選択をする
結婚、出産・育児、介護などライフイベントの変化を迎えたり、そして体力の衰えなどを感じ始めたりするのも30代のキャリアでは非常に大きなポイントです。
接客業や肉体労働、変形シフト制などから事務職へ転身したいと考える方もいらっしゃいます。
目の前の年収や企業のネームバリューに惑わされるのではなく、長期的なキャリアプランを描き、ズレが起きないか考えてみましょう。
- 雇用形態はどのようなものか(正社員登用実績はあるのか?)
- どのようにキャリアを積めるか(専門スキルを高めるのか? マネジメントが必須か?)
- ワークライフバランスなど無理のない働き方ができるか
- 福利厚生・手当なども含め生涯年収はどのくらいになりそうか
- 育休・産休、介護休暇制度は適用されるか
「一般枠→障害者枠にチェンジしたことで長く働ける見通しが立った!」というケースもあります。
30代の障害者雇用転職で気を付けたい落とし穴
DIエージェントの支援実績から気を付けたい30代転職のポイントをお伝えします。
まずは「転職理由の伝え方」です。
30代までに短期離職を繰り返しており10社近い会社経験があるようでしたら、「なぜ辞めてしまったのか?」「同じ状況にならないためにはどうしたらよいか」を整理して伝える必要があります。
転職回数の多さを理由に書類選考が通らないことも出てくるでしょう。転職回数を気にしない企業を知りたい場合はぜひDIエージェントに聞いてみてください!
第二に「企業が求めるポジションとミスマッチはないか」に気を付けましょう。
仕事に対して自信を持ち始め「これがやってみたい!」と思うことも出てくるかもしれません。
即戦力が求められる30代の転職、せっかくスキルを持っていても会社が期待する役割とズレていてはなかなか内定はもらえません。
企業が求めているものと自分の志向・スキルがマッチしているかはきちんと見極めましょう。
最後に「謙虚さと熱意」です。
30代で転職をすると、自分より入社歴の長い20代の上司・同僚といった環境に入ることも少なくありません。そのような場で謙虚に仕事について学べるかを人事担当者は見ています。
また「障害者雇用枠だから」と無理なく働ける定型業務しか用意していない企業も多々あります。今の仕事に物足さを感じている場合は「配慮は最低限で、もっと働いていきたい!」という熱意を伝えるべきです。
残業なし・残業時間の配慮を求める方も多い中、「●時間程度の残業でしたら可能です」という言い方をすると、比較的裁量のある仕事も検討してもらいやすいです。
もちろん、体調に無理のない範囲を伝えましょう!
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30代の転職成功事例から学ぶ
それでは実際にDIエージェントを通じて転職を成功された30代の方々の転職エピソードを紹介します。
30代前半(女性/精神障害)のキャリアップ転職のケース
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30代(男性/聴覚障害・てんかん)の外資企業転職のケース
今までのプログラミングスキルを活かせることにくわえ、障害への合理的配慮がしっかりして安心して働ける企業に入りたいと考え転職に至りました。
細かい懸念事項もキャリアアドバイザーがチャットで迅速に回答いただけたことで転職活動に専念できました。結果として人気の高いグローバル企業に転職でき、満足をしています。
「てんかん」の障害説明がネックとなりましたが、これまでのご支援例からどのように企業に伝えればよいかをアドバイスしました。
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30代後半(女性/発達障害)の在宅勤務転職のケース
前職では特有の人間関係や雑談といったことに疲弊してしまい、給料や業界などは考えずに、テレワークができることを最優先にしていました。
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30代の転職、まだまだ可能性は広げられます!
アメリカの心理学者のシャインの説によれば、20代後半からスペシャリストかゼネラリストの方向性を決めていく時期に差し掛かり、また35歳からは「キャリア中期の危機」といい現状維持か仕事をアップデートしていくか葛藤が生まれやすい時期だといわれています。
そのような大切な時期をみなさんはどう過ごしたいですか?
仕事のことで悩んだら、一人で抱え込むのではなく、ぜひ第三者に相談をしてみてくださいね。DIエージェントでは転職を前提としないご相談も歓迎です。障害と向き合いながら働く方法を一緒に見つけていきましょう。

障害者雇用コンサルタント、キャリアアドバイザー。早稲田大学卒業後、(株)D&Iに入社。 障害者雇用ソリューション営業、転職キャリアアドバイザーと幅広い領域を担当。現在はHRソリューション事業部の副部長として、DIエージェントの責任者を務める。