注目キーワード
  1. 障害者
  2. 高年収
  3. ハイクラス
  4. 内定

障害者枠で雇用された場合の時給や最低賃金は?|賃金が低いのでは?と感じる理由など解説

この記事では、障害者枠で雇用された場合の時給や最低賃金、また一般的に「賃金が低いのでは?」と感じる理由を解説します。仕事を探す際の参考にしてみてください。

障害者枠で雇用された場合の時給や最低賃金とは

日本には最低賃金を定める法律(最低賃金法)があり、最低賃金制度によって2種類に分けられています。障害者雇用も一般雇用も、この制度に基づいて賃金が決定されるのです。こちらでは、障害者枠で雇用された場合の時給や最低賃金についてご説明していきます。

障害者雇用であっても、一般枠雇用であっても最低賃金は同じ

障害者雇用であっても、基本的には一般枠での雇用と同様の賃金が支払われます。2016(H28)年に制定された「障害者差別禁止法」では、障害の有無によって分け隔てられることがなく、基本的人権を持つ個人として尊重されることが定められています。また、それ以前にも「障害者基本法」において差別や権利利益の侵害行為は禁止されているのです。そのため、「障害があるから」という理由で最低賃金以下に減額されるようなことはありません。

(参考)特例許可制度

一部特例として、事業主が最低賃金の減額を都道府県労働局長に申請し、許可された場合にのみ最低賃金の減額が出来るという特例許可制度があります。この特例は、最低賃金を一律にするとかえって障害者の方の雇用機会を狭めるおそれなどがあるときに適用されるものです。

下記の条件に該当する場合に、許可される可能性があります。

  1. 精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い方
  2. 試用期間中の方
  3. 基礎的な技能等を内容とする認定職業訓練を受けている方のうち厚生労働省令で定める方
  4. 軽易な業務に従事する方
  5. 断続的労働に従事する方

すべての障害者の方に適用されるわけではなく、あくまで個別に、障害者の方一人ひとりの労働能力や職務状況によって判断される制度です。許可された業務以外を行う場合は、一般労働者と同じ最低賃金となります。

「最低賃金」は2種類ある

最低賃金は最低賃金制度によって決められている1時間当たりの賃金で、国が最低額を定めています。最低賃金には、「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の2種類があります。もし両方の最低賃金が同時に適用される場合、事業主は高い方の最低賃金以上の賃金を支払わなければならないことになっているのです。

地域別最低賃金

地域別最低賃金は産業や職種にかかわらず、都道府県別内で働くすべての労働者に適用されます。各都道府県で1つずつの最低賃金が決められており、全部で47件の最低賃金が定められているのです。最低賃金の金額は、労働者の生計費や賃金、事業の賃金支払い能力などを総合的に判断して都道府県ごとに決定されます。事業主が地域別最低賃金額以上の賃金を支払わない場合は、50万円を上限とする罰則があります。

令和元年10月に地域別最低賃金が改訂され、最低賃金が変更されました。令和元年10月時点で、地域別最低賃金が高い都道府県1位は東京都:1,013円、2位は神奈川県:1,011円、3位は大阪府:964円です。

参考:厚生労働省『地域別最低賃金の全国一覧』

特定最低賃金

特定最低賃金は、特定の産業に設定されている最低賃金です。都道府県別に決められていることがほとんどですが、全国単位で決められている産業もあります。特定最低賃金は最低賃金審議会が調査し、地域別最低賃金よりも金額水準を高く設定することが必要と認められた産業に設定されます。ただ、地域最低賃金と特定最低賃金の改訂時期は同じではないため、特定最低賃金が地域別最低賃金を下回っている場合もあります。この場合には、高い方の最低賃金が適用されます。
都道府県別に特定最低賃金が設定される産業には、電子部品・デバイス、電子回路、電気機械器具、自動車小売業、はん用機械器具、生産用機械器具などがあります。また、全国設定の特定最低賃金の対象となる産業は、非金属工業1種類のみです(平成元年5月発効)。

参考:厚生労働省『特定最低賃金の全国一覧』『全国設定の特定最低賃金』

障害者雇用の平均賃金が低く感じられるのはなぜか

一般雇用と障害者雇用の最低賃金が同じであっても障害者の方の平均賃金が低く感じるのは、障害者の方の雇用形態と労働時間に関係があります。こちらでは、障害者の方の平均賃金と「障害者雇用の平均賃金が低く感じられる理由(特例による減額以外の観点にて)」について解説していきます。

障害者の平均賃金(月額)

「障害者の平均賃金(月額)はどのくらいになるの?」「障害の種類で平均賃金は違うの?」と気になっている人は多いのではないでしょうか?障害者の方の平均賃金については、厚生労働省の「平成30年度障害者雇用実態調査」で詳しく知ることができます。この調査を見ると身体障害者の月給が24.8万円と突出して良いですが、障害者全体では約15.4万円と低くなってしまいます。日本全体の2018年の平均年収は約441万で、障害者の方の平均年収は約220万なので200万円近く違うという結果になるのです。一般雇用と障害者雇用で平均賃金に差が出てしまうのは、障害者ならではの雇用形態と労働時間が原因です。
厚生労働省の「平成30年度障害者雇用実態調査」では、障害別の平均賃金や雇用形態、労働時間、勤続年数などが載っています。また、雇用されている産業、性別、勤務する事業所の規模、年齢層などの詳細も記載されているので障害者雇用の状況把握ができます。下記に、障害種別に障害者の方の平均賃金をご紹介します。

身体障害者

身体障害者の1ヶ月の平均賃金は、21.5万円です。また、週の労働時間が30時間以上の場合は24.8万円、20時間以上30時間未満では8.6万円、20時間未満では6.7万円となっています。

知的障害者

知的障害者の1ヶ月の平均賃金は、11.7万円です。また、週の労働時間が30時間以上の場合は13.7万円、20時間以上30時間未満では8.2万円、20時間未満では5.1万円となっています。

精神障害者

精神障害者の1ヶ月の平均賃金は、12.5万円です。また、週の労働時間が30時間以上の場合は18.9万円、20時間以上30時間未満では7.4万円、20時間未満では5.1万円となっています。

発達障害者

発達障害者の1ヶ月の平均賃金は、12.7万円です。また、週の労働時間が30時間以上の場合は16.4万円、20時間以上30時間未満では7.6万円、20時間未満では4.8万円となっています。

障害者の雇用形態と労働時間

一般雇用と障害雇用での賃金に差が出てしまうのは、雇用形態と労働時間の問題がかかわっています。障害者特有の雇用形態と労働時間について解説し、一般雇用と賃金に差が出てしまう理由をご説明します。

障害者の雇用形態

障害者の方の雇用形態は、正社員(無期契約または有期契約)、正社員以外(無期契約または有期契約)の4通りです。厚生労働省の「平成 30 年度障害者雇用実態調査結果」によると障害者の正規雇用者の割合は身体障害者が52.5%、知的障害者が19.8%、精神障害者が25.5%、発達障害者が22.7%となっており、身体障害者以外の正規雇用率が低いことが分かります。
また、日本全体の労働者の正規雇用者の割合(H26年調べ)は約60%です。障害者の正規雇用率が低くなってしまうのは、「障害者が正規雇用されない」ということではなく障害の症状や状況によってフルタイムで働ける方が少ないことが原因の一つになっています。フルタイム以外のアルバイトやパートタイムで働く障害者の方が多いため、平均賃金が安くなってしまうのです。

障害者の労働時間

一般雇用でフルタイム勤務(残業がない)する場合の1か月の労働時間は160時間程度となっています。障害者の1ヶ月の労働時間の平均は30時間以上働く人でも140時間から150時間程度(障害の種類によって異なる)で、1日の平均労働時間が8時間未満となるため賃金に差が出てしまうのです。また、週30時間以上働く障害者の割合は、身体障害者が79.8%、知的障害者が65.5%、精神障害者が47.2%、発達障害者が59.8%となっています。障害者の週の労働時間を「30時間以上」、「20時間以上30時間未満」、「20時間未満」に分けると、「30時間以上」が一番多く、次いで「30時間未満」、一番少ないのが「20時間未満」となっています。

参考:厚生労働省『平成 30 年度障害者雇用実態調査結果』

実際に障害者の方の賃金を決める条件

実際に企業はどのような条件で障害者の方の賃金を決めているのでしょうか?こちらでは、障害者の方の賃金を決める条件として一般的に検討される条件についてご説明します。

企業によっても、労働条件や業務内容によっても異なる

障害者の方が実際に働く際の賃金は、企業によっても労働条件や業務内容によっても異なります。また一般的な傾向として、障害者雇用枠では負担が少なく自分のペースで進められるアシスタント系の仕事に就く方が多く、その結果年収が低くなりやすいことが考えられます。

最低賃金の遵守

障害者雇用であっても、最低賃金以上の賃金が支払われます。もし雇用者と労働者の合意で最低賃金より低い賃金を決めたとしても、法律上は無効となり最低賃金と同額の賃金を支払われることになります。

雇用形態

正社員・嘱託・アルバイト・パートタイム・期間雇など、雇用形態の違いも賃金を決定する条件になります。正社員雇用とアルバイト雇用ではボーナスの有無や給与体系が異なるので支払われる賃金も異なってきます。

労働条件

所定労働時間、社会保険の加入、企業年金・退職金、賞与、勤務場所、勤務体系、職場で必要とされる配慮の内容など様々な労働条件によって賃金が決定されます。一般雇用と同じような労働条件で働く場合はそれに見合う賃金が支払われます。

その他

すでに雇用している障害者の賃金や他企業の障害者の賃金とのバランスを考えて賃金が検討されます。また、「将来的に成長性があるか」、「求められる業務内容をこなしているか」などの査定や評価でも賃金が決まります。「障害者が生計を立てていけるかどうか」を判断して賃金を決定することも重要な要素とされます。

【参考】生活を安定させるための主な制度やサービスの利用など

お金の不安があると安心して暮らすことが難しくなるものです。障害者が利用できる制度やサービスを利用して生活を安定させましょう。こちらでは、障害者手帳や障害年金、医療助成制度や割引サービスなどについてご紹介します。

障害者手帳の交付を受ける

障害者手帳を持っていると自治体や事業者が提供する様々な助成を受けることができます。例えば、車椅子や補聴器、義肢などの補装具の購入や修理をする場合に自己負担が1割になる助成制度があります。また、障害により住宅のリフォームが必要となった場合に費用を助成してもらえる制度もあります(自治体によって制度が異なるので確認が必要です)。

障害年金の受給

障害年金を受給することで定期的に年金が振り込まれるため経済的な不安を減らすことができます。また、障害等級が1級・2級で障害年金を受給すると国民年金保険料の支払いが免除となり、免除期間は半額を支払ったものとみなされます。

自立支援医療制度などの利用

国の自立支援制度では、医療費の自己負担が原則1割になります(月の上限額はあります)。また、各自治体でも医療助成制度があり、例として東京都では身体障害者手帳1級・2級、精神障害者保健福祉手帳1級、愛の手帳1度・2度の場合には自己負担が原則1割となります。

交通機関や公的施設の等の割引制度の利用

障害者手帳を持っている場合、交通機関、美術館などの施設で割引を受けることができます。JRでは片道100kmを超えて乗車する場合に普通乗車券が5割引きとなります。また、有料道路、タクシー、バスなども割引サービスがあるので確認してみましょう。

就業支援サービスやハローワーク、民間のエージェントを利用しての就職・転職

障害者の方向けの就業支援サービスやハローワーク、民間のエージェントでは、障害者の方ならではの悩みを相談しながら希望条件(希望年収や就業形態)に合った職場を紹介してもらえます。自分一人で就職活動や転職活動を行うよりも賃金の不安を軽減できる仕事環境を見つけることができるでしょう。

まとめ

一般雇用であっても障害者雇用であっても、定められている最低賃金は同じです。ですが、障害者の方の場合は障害の症状や状況によって短時間勤務をする方が多いなどの理由で、一般雇用よりも賃金が低くなってしまう現状があります。賃金決定条件は企業によって異なりますが、評価制度がしっかりしている企業や昇給の可能性がある企業であれば将来的に給与が上がる可能性があり、長く働けるでしょう。
各種助成制度なども利用しながら、給与以外での収入を上げる方法も検討してみてください。

あなたに寄り添い、導く転職エージェントサービス
DIエージェント