障害をお持ちの方ができる仕事とは?障害者雇用の仕事の種類や働き方、就職・転職のポイントを紹介

障害や病気をお持ちの方のなかには、障害者雇用での就職について、迷っている方も多いのではないでしょうか。

実際に「障害者雇用と一般雇用のどちらがいいのか」「障害者雇用で希望の職種に就職できるのか」という不安を抱えている方は少なくありません。そこで、今回は障害をお持ちの方の仕事や働き方、仕事の探し方について解説します。

今後の働き方を考える参考として、ご自身の状況と照らし合わせながらお読みいただけると幸いです。

障害をお持ちの方の雇用を取り巻く現状とは?

障害をお持ちの方の雇用を取り巻く現状とは?

障害をお持ちの方が就職する場合、障害をオープンにして合理的配慮が受けられる職場に障害者雇用枠で就職するか、オープンにせず(クローズ)一般雇用枠で就職するかのどちらかで迷われる方も多いかもしれません。

どちらにもメリットとデメリットはありますが、障害をお持ちの方が自分らしく働けるのはオープン就労で、合理的配慮を受けられるため障害者雇用枠では定着率が高い傾向にあります。

障害者の雇用は法律で保障されており、従業員数に応じて一定の障害者を雇用することが企業に義務付けられています。令和5年度の法定雇用率は2.3%です。

引用元
厚生労働省|障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について

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障害者雇用促進法

障害者雇用促進法には、障害をお持ちの方の雇用に対して差別の禁止や企業への合理的配慮の義務付け、法定雇用率や企業への支援策などが盛り込まれており、より障害者の雇用を安定させるための改正もたびたび行なわれています。

令和5年度の改正では、企業に求められる合理的配慮の内容、どういったことが障害者雇用の差別に該当するかといった内容の具体化、苦情や紛争解決の援助などが盛り込まれました。

 
キャリアアドバイザー
障害者雇用率は令和6年4月から段階的に引き上げられることが決まっており、令和8年には2.7%になります。これに伴い障害者雇用の支援策強化も決定しているため、今後障害雇用枠の求人が増えると予想されます。

引用元
厚生労働省|令和4年障害者雇用促進法の改正等について
e-Gov|障害者の雇用の促進等に関する法律
厚生労働省|障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律の概要

障害者雇用枠の対象になるのは?

障害者雇用促進法の対象となるのは、身体障害者・精神障害者・知的障害者です。またこれらに該当しない発達障害者や難治性疾患患者なども対象とされています。

身体障害、知的障害又は精神障害(以下「障害」と総称する。)があるため、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者

厚生労働省の資料によると障害者雇用の対象者について上記のように定義付けられていますが、一方で「身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所有者」とされているため、障害者手帳の保有が前提条件であることに注意が必要です。

引用元
厚生労働省|事業主の方へ
厚生労働省|障害者雇用促進法における障害者の範囲、雇用義務の対象

障害をお持ちの方ができる仕事とは?障害者雇用に多い仕事の種類

障害をお持ちの方ができる仕事とは?障害者雇用に多い仕事の種類

障害者雇用では、テレワークが可能なデスクワークや負担の少ない軽作業などが多い傾向です。実際にどんな職種があるのかを見ていきましょう。

事務職

一般事務や営業事務、事務補佐などの事務職は基本的にデスクワークが多く、身体的な負担が少ないことから障害者雇用でもっとも多い職種です。

また特別な資格や技能を持っていなくても従事することが可能で、企業側にとっても合理的配慮の環境を整えやすいことなども事務職が多い理由のひとつに挙げられます。

システムエンジニア

システムエンジニアとは、パソコンでシステムの開発や保守を行う仕事で、開発するのはWebシステムのソフトウェアやアプリケーションなど。顧客の要望に合わせて設計や提案をします。

プログラミング言語の習得やデータベースなどの専門知識が必要ですが、デスクワークが中心で、テレワークも可能なため、障害をお持ちの方におすすめの仕事です。

またシステムエンジニアと似た仕事のプログラマーは、システムエンジニアの設計図や計画書をもとにコーディング(プログラミング)していく仕事で、システムエンジニア同様のメリットがあります。

CADオペレーター

CADオペレーターはCADという専門の機器を操作し、設計図を作成する仕事です。土木や建築、自動車などの工業部品や電子系のものなどさまざまな種類があり、CADで使用するコマンドを利用できる専門の知識が求められます。

CADにまつわる民間資格もあり、分野ごとの専門知識やある程度の数学の素養も必要ですが、デスクワーク中心でテレワークも可能です。

工場作業や清掃業

工場でのルーティン作業やホテル・施設などの清掃は、障害者雇用としてイメージされる方も多いかもしれません。パソコン作業が苦手な方や体力に自信がある方の場合、工場での作業や清掃業を好まれるケースもあります。

 
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働く上での困りごとや必要な合理的配慮は障害によってさまざまですが、身体的な負担の少ないデスクワークが多いのが特徴です。

障害をお持ちの方が働きやすい職場環境とは?

障害をお持ちの方が働きやすい職場環境とは?

障害をお持ちの方は、通院や服薬の必要があったり通勤ラッシュ時の通勤に負担を感じたりすることも多く、障害の種類や特性によってもさまざまな配慮を受ける必要があります。

それぞれの障害によっても苦手なことや困りごとは異なりますが、ここでは一般的にどんな環境であれば障害をお持ちの方が働きやすいのかを見ていきましょう。

在宅勤務

在宅勤務とは俗にいうテレワークのことで、自宅でできる仕事のこと。企業に所属してインターネットを通じて業務のやり取りをする勤務形態のひとつであり、業務委託でフリーランスとしてできる仕事でもあります。

通勤で公共交通機関や自家用車を使用することに不安を感じる方や、人と密に関わるのが苦手な方などにおすすめの働き方です。

障害者雇用枠での勤務

障害者雇用枠での勤務は、先述したとおり障害者手帳をお持ちの方が対象で、一般雇用枠とは別に法定雇用率に基づいて設けられています。障害者雇用枠では、合理的配慮を受けやすいため働きやすい環境で勤めることが可能です。

一方で一般雇用に比べて求人数が少なかったり、職場によっては業務に物足りなさを感じることがあるなどのデメリットもあります。

特例子会社

特例子会社とは、障害者の法定雇用率を満たすために企業の傘下に設立された子会社のひとつで、施設や人員の整備が整っているため安定した職業生活を送ることができます。

特例子会社には合理的配慮の環境整備など厳しい条件があり、傘下に子会社を設立するほどの従業員がいる企業なので、誰もが聞いたことがあるような大企業であることも多いです。

親会社の補佐的な業務内容が多いため給与は低い傾向にありますが、親会社と同等の福利厚生を享受できるケースもあります。

就労継続支援サービス

就労継続支援とは一般企業に就職するのが難しい障害者が利用できるサービスで、障害の種類は問われません。また自治体によっては障害者手帳をお持ちでない方も利用できる可能性があります。

就労継続支援はA型とB型の2種類です。A型は原則18~65歳未満の方が対象で、企業と雇用契約を結ぶため最低賃金以上の給料をもらうことができます。B型は年齢制限がなく、雇用契約を結ばないため生産物に対する成果報酬として賃金が支払われ、最低賃金を下回ることも。

またA型・B型どちらでも、事業所に対して利用料を支払わなければなりません。

障害をお持ちの方が仕事をする上で抱える悩みとは?

障害をお持ちの方が仕事をする上で抱える悩みとは?

障害にはさまざまな種類があり、障害の種類によって仕事上での悩みや困りごとは異なるでしょう。しかし障害への理解が得られなかったり、できる仕事とできない仕事のバランスをとったりすることに問題を抱えるケースが多いのは事実です。

たとえば車いすユーザーの方は、通勤やトイレの利用、段差や階段などの社内環境が整っていない職場での就業が難しく、聴覚障害をお持ちの方は、電話応対ができないことや口頭での指示が理解しにくいなどコミュニケーションに悩みを抱えることが多くあります。

また内部疾患をお持ちの方は、突然体調に変化が起きることがあったり長時間の労働が難しかったりすることが多い一方、見た目でわからないため理解が得にくいといった悩みを抱えがちです。

障害者雇用で働くメリットとデメリット

障害者雇用で働く大きなメリットのひとつが、障害をオープンにして就職するため企業の受け入れ態勢が整えられ理解を得やすく、自分の特性に合わせた合理的配慮が受けられることです。無理をせず働ける環境が整っているため、職場定着率が高くなる傾向があります。

一般雇用では合理的配慮を求められないので、無理をしてしまったり結果的に職場に迷惑をかけてしまったりする場面が出てくる可能性も。その場合、長く働き続けることが困難になってしまいます。

障害者雇用は一般雇用に比べて昇進や昇給がしづらいという一面があり、高収入を得にくかったり職種の幅が狭く選択肢が少なかったりするのがデメリットです。

障害者雇用のメリットとデメリットについては以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

障害をお持ちの方が就職や転職する時のポイント

障害をお持ちの方が就職や転職する時のポイント

障害をお持ちの方が仕事探しをする場合は、長く働ける職場かどうかを見極めるためにおさえておきたいポイントがいくつかあります。

そこで、障害をお持ちの方が就職や転職をするときのポイントについて見ていきましょう。

障害に対する理解がある職場を選ぶ

障害をお持ちの方が長く働き続けるためには、企業側に障害への理解があることが重要です。障害に理解があるかどうかは、障害者の受け入れ実績や障害者雇用への取り組みなどを企業のホームページなどでチェックしましょう。

企業が発表している取り組みやプレスリリースなどがない場合、社内のバリアフリー化やテレワーク可能かどうか、フレックスタイムや時差出勤の制度が利用できるかなどで、働きやすい職場かどうかをある程度はかることができるかもしれません。

自分のアピールポイントやできないことを明確にする

就職・転職活動をはじめる際は、自分自身の障害への理解を深め、できることとできないことを明確にしておく必要があります。どんなことが苦手かを知り、得意なことやアピールポイントを明確にすることで、職種や企業を絞り込むのにも役立つでしょう。

また苦手なことでも条件によってはできることなどを把握することで、合理的配慮を企業に求める際にも誤解や食い違いを防ぎ、双方が気持ちよく働きはじめることが可能になります。

障害者雇用枠の就職で利用できるサービスを積極的に利用する

障害者雇用の場合、一般の就職・転職サービスで求人が見つけにくかったり合理的配慮をどう伝えていいかわからなかったりといった不安があります。

障害者雇用枠での就職では、障害者雇用向けの就職サービスを利用するのがおすすめです。障害者雇用を支援した実績のある専門のサービスはいくつかあるため、自分に合った内容のサービスを探してみましょう。

障害者雇用枠の仕事探しに利用できるサービス

障害者雇用枠の仕事探しに利用できるサービス

障害者雇用枠での就職で利用できるサービスを紹介します。こういったサービスを積極的に活用して、長く働ける職場を見つけましょう。

ハローワーク

就職相談や職業紹介、雇用保険の手続きなどができる国(厚生労働省)が運営する機関で、全国にあります。ハローワークには障害者窓口があり、障害をお持ちの方の就職や職場定着のサポートを受けることが可能です。

ハローワークでは職業相談や紹介だけでなく、履歴書の書き方や模擬面接などのサポートも受けることができ、以後紹介する地域のサービスとも連携して就職を支援してくれます。

地域障害者職業センター

地域障害者職業センターは、障害をお持ちの方の就職や職場定着を支援することを目的に、各都道府県に設置された施設で、就職や復職に必要な訓練を受けることができます。

就労に向けた作業体験や講習、訓練などを通して課題を見つけたり自信がもてるようにしたりといったサポートがメインです。

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは、ハローワークや地域障害者職業センターなどのさまざまな機関と連携し、障害をお持ちの方の就業や生活を支援する施設です。

就職に向けた準備や職業訓練、現場実習の紹介のほか、求職活動のサポートや職場定着の支援なども行います。

障害者雇用に特化した就職・転職エージェント

障害者雇用を専門とした就職・転職サービスには、民間企業のものもあります。民間の就職・転職サービスは、国や地域が提供するものと同様無料で利用可能です。

障害者雇用に特化した民間の就職・転職サービスのほうが非公開求人など、市場に出回っていない求人を持っていることもあるため、是非利用しましょう。

障害者雇用専門のDIエージェント

障害者雇用専門の転職エージェントとして10年の実績があるDIエージェントは、スキルに合わせた求人開拓と優良企業の独占求人が特徴です。

ご本人の希望に沿った求人を紹介するだけでなく、障害情報や経歴、お持ちのスキルなどを分析し、時に求人募集のない企業にアプローチしてマッチングさせるなど、アクティブな求人開拓を得意としており、事務系職種やハイクラス求人などを厳選して紹介します。

以下はほんの一例ですが、実際にDIエージェントで転職に成功された方のお声も掲載していますので、是非ご一読ください。

 
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お一人おひとりのスキルに合った求人開拓と優良企業様の独占求人にくわえ、ご希望に沿った丁寧なマッチングが強みです。これから障害者手帳を取得予定の方や申請中の方のご相談もお受けしています。

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自分らしくいきいきと働きたいなら障害者雇用枠の就職がおすすめ

自分らしくいきいきと働きたいなら障害者雇用枠の就職がおすすめ

障害をお持ちの方の就職・転職では、ニーズのマッチングと障害への理解、合理的配慮を受けられることが重要です。

障害をお持ちの方におすすめの職種は、デスクワーク中心でテレワークも可能な事務系の職種やシステムエンジニア・プログラマーなど。机に向かってもくもくとできる仕事だと、合理的配慮を受けやすいというメリットがあり、体への負担も感じにくいでしょう。

転職におけるゴールは「採用されること」ではなく「自分らしく働ける環境で長く続けること」だと言えます。その視点で、 障害の特性に合った業務に従事することや、障害に理解や配慮のある環境で働くことが大切です。

今の職場を続けていくことに負担・不安を感じている方や、これから障害に合った仕事で就職を目指している方は、ぜひ一度DIエージェントにご相談ください。

DIエージェントは、「障害をお持ちの方一人ひとりが自分らしく働ける社会をつくる」ために、障害者枠で就職・転職を検討されている方に対して就職・転職についてのアドバイスや、ご希望に沿った障害者枠の求人紹介を行っております。

専任のキャリアアドバイザーが丁寧にヒアリングし、お一人おひとりに寄り添った働き方を提案させていただきます。

「今の自分に無理のない働き方をしたい」「理解のある環境で働きたい」というご希望がありましたら、まだ転職は検討段階という状態でも構いませんので、ぜひお気軽にご相談ください。

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監修:東郷 佑紀
大学卒業後、日系コンサルティングファームに入社。その後(株)D&Iに転職して以来約10年間、障害者雇用コンサルタント、キャリアアドバイザーを歴任し、 障害・年齢を問わず約3000名の就職支援を担当。