弱視とは?治療方法や見え方・就活のポイントなどをわかりやすく解説

弱視とは視力が弱く、眼鏡などを用いても十分に見えず日常生活に支障が出ることを指します。
この記事では、社会人の弱視の方の就活のポイントを中心にわかりやすく解説いたします。「弱視の方の見え方」も掲載していますので就活時や就職後にこの記事を職場の方に見せて理解を深めていただくなどにもお役立てください。

弱視(ロービジョン)とは

弱視(ロービジョン)とはメガネやコンタクトレンズを利用しても視力が出ない状態を指します。成長する時期に何らかの原因で視力の発達が阻害されることが要因とされています。メガネやコンタクトで矯正できる場合、たとえ視力が0.01などでも弱視とはいいません。

この記事においてはその他、「視界の一部が欠ける」「重複して見える」といった見えづらさを抱える方についても解説していきます。

見えづらさや生活の支障の度合いによっては、視覚障害に該当し、身体障害者手帳の交付や障害年金を受給できる場合があります。

国立障害者リハビリテーションセンターのサイトにある「視覚障害者等級計算機( http://www.rehab.go.jp/hospital/department/consultation/shinryo/ganka/ganka-keisanki/ )

」は障害者手帳・障害年金・労災等級のそれぞれの等級が視力から計算できます。気になる方はチェックしてみてください。

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弱視は早期の治療で回復が可能

「弱視は目の発達の問題である」とお伝えした通り、赤ちゃんから大人になるにつれて判明することも多くあります。そのため早期発見・早期治療が回復のポイントであり、特に3歳児検診での視力チェックが重要です。
「緑内障」「網膜剥離」また糖尿病などの合併症で後天的に受傷することもあります。いずれにしても早期発見や治療・管理は重要です。

弱視の種類と診断・治療

詳しい弱視の種類と診断・治療について説明します。

参考:日本弱視斜視学会「弱視」

屈折異常弱視

屈折異常弱視とは両眼とも遠視・近視・乱視などが強く、ピントが合わず、視力が未発達の状態です。一番多い原因は遠視です。
物を見る時、眼を細めているなどといった様子から周囲の人の指摘によって気づくことがあります。早期治療により視力は成長しますが、生涯眼鏡は手放せないでしょう。

不同視弱視

不同視弱視とは遠視・近視・乱視などで左右の視力の差が激しいことです。片方の眼は正常で、もう片方が屈折異常という場合もあります。
片方の目が正常のため発見が遅れがちです。治療方法は片眼に眼帯をし、弱視の目をトレーニングしていく方法があります。

斜視弱視

斜視も弱視の一種で、片方の眼が目標と違う方向を見ていることです。
不動視弱視と合併のある可能性もあり、トレーニングも同様に眼帯を用います。これを「健眼遮閉」といいます。

参考:「眼科センター」

形態覚遮断弱視

形態覚遮断弱視は「遮閉」ともいわれ、乳幼児期に白内障や眼瞼下垂のために網膜に十分な光刺激が入らないことによって引き起こされます。原因になっている先天白内障、眼瞼下垂などの疾患について治療をおこない、手術をする場合もあります。

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弱視の見え方

弱視といっても人によって見え方は様々です。以下に例をあげて解説していきます。

参考:視覚障害リハビリテーション協会「「見えない」「見えにくい」とは?」

ぼやけて見える

まずは「ぼやけて見える」状態です。
たとえて言えば、カメラのファインダーを覗いた時、ピントが合っていないような状態で全体がぼやけて見えます。遠くも近くもよく見えません。

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混濁して見える

混濁して見える状態とは「透明度の低いビニールの膜や、すりガラスを通して見ているような状態」などとたとえられます。

参考:千葉県立千葉盲学校自立活動弱視教育部「見る意欲・見る力を育てる」

視野の一部が見えない

視野の一部が見えないことを視野狭窄ともいいます。見え方にはいくつか種類があります。

  • 半盲…視野の半分が見えない
  • 狭窄…視野が狭くなる
  • 暗点…中心が見えないなど、視野に見えない部分がある

ゆがんで見える

視野がグニャリとゆがんで見える方もいて、そのゆがみの程度は個人差があります。普段は両眼を使って過ごしているので、片眼の見え方の異変に気づかない場合もあるので注意が必要です。

強い光に弱い

強い光に弱いことを「羞明(しゅうめい)」と呼び、強い光で痛みなどを感じます。
これは帽子やサングラス・メガネなどで光を遮ることで緩和されます。
またパソコンやスマートフォンは輝度を下げることで楽になることもあります。照明やカーテンなどの環境整備の他、目を休ませる休憩を小まめにとれると良いでしょう。

就職活動・転職活動時の伝え方

選考時には「自分にはどのように見えているのか」を伝えましょう。
たとえば、「右目の視界半分を紙で隠された状態」「ドーナツのように中心しか見えない」などといった伝え方ができます。
DIエージェントでは見え方を丁寧にヒアリングし、採用担当者に伝わりやすい表現をアドバイスしていますよ。


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弱視の方の就活のポイント

ここからは弱視の方、特に障害者手帳を保有している方が障害者枠で働く方法について詳しく説明していきます。

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もしも後天的に段々と目が悪くなっていった場合、これまでの働き方を変える必要があるかもしれません。
パソコンを用いる仕事であれば、機器やアプリなどを使うことで、これまでと同じ程度に能力を発揮できる可能性があります。

「見え方紹介アプリ」を利用する

弱視の方の就職活動・転職活動では、どのように見えているかを説明できるとスムーズです。「日本弱視者ネットワーク」が開発した「見え方紹介アプリ」は、画像を自分の見え方に近いかたちに加工して紹介できます。

見え方紹介アプリのご紹介|日本弱視者ネットワーク
https://jakumonken.com/miekata_apps.htm

就職・転職支援サービスを利用する

障害者枠に特化した就職・転職をサポートするサービスの利用はメリットがたくさんあります。

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まとめ

弱視といっても見え方は人それぞれです。それをうまく周囲の人に伝えるのは難しいことですよね。このような記事や医師や専門家の力なども借りながら、周囲に理解を得て、安心して暮らせるように働きかけていきましょう。

また最近のトレンドとして視覚障害をお持ちの方は通勤上の安全を考えてテレワークができる会社を希望される方も増えてきました。DIエージェントではテレワークの求人も多く取り扱っております。

DIエージェントでは希望の条件だけではなく「今後どうしていきたいか?」「働く上で大切にしたいことは何か?」なども丁寧にお伺いして求人をご紹介するので、ぜひ色々とお話を聞かせてくださいね。


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監修:井村 英里
社会福祉士。福祉系大学を卒業し、大手小売店にて障害者雇用のマネジメント業務に携わる。その後経験を活かし(株)D&Iに入社。キャリアアドバイザーを務めたのち、就労移行支援事業所「ワークイズ」にて職業指導・生活支援をおこなう。