障害者枠で公務員を目指す|公務員試験のポイントや面接対策方法まで詳しく解説

この記事では公務員の障害者枠を目指している方に向けて、仕事内容などの基本的な知識から対策方法までをご紹介します。
「民間企業とどちらが良いか」といった疑問や働く上でのメリット・デメリットにもお答えしますので、受験やキャリアチェンジを考えている方はぜひ参考にしてください。

※この記事は2021年6月3日に公開し、2021年12月24日に情報を更新をしました。

障害者枠での公務員に関する採用状況

まずは公務員の障害者枠での最新の採用状況をみてみましょう。
令和2年6月1日時点での障害者雇用数は以下の通りでいずれも前年より増加傾向にあります。

  • 国:9,336.0人(前年は7,577.0人) 法定雇用率 2.83%(前年は2.31%)
  • 都道府県:9,699.5人(前年は9,033.0人) 都道府県:2.73%(前年は2.61%)
※「令和2年 障害者雇用状況の集計結果」を元に作成

いずれも公的機関での障害者の法定雇用率2.5%を上回っています。
近年では精神障害者の新規雇用数の占める割合が高くなっています。
障害者枠の雇用に対する姿勢は社会情勢の影響を大きく受けると言えるでしょう。

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中央省庁による障害者雇用水増し問題

公務員の障害者雇用を語る上で、避けて通れないのが2018年に発覚した「中央省庁による障害者雇用水増し問題」です。障害者手帳を取得していない者を障害者として不正に計上するなど、法定雇用率を満たしているように見せかけていました。内閣府や厚生労働省、国税庁、地方裁判所や教育委員会・独立行政法人などにくわえ、都道府県や市、警察本部などで中央省庁の8割の機関にて3,460人の水増しがありました。

2019年に障害者枠の国家公務員試験をおこない大量採用を実施、2020年には不足分の解消を発表しました。近年の採用数の増加はこのためです。

しかしあまりに急速に採用をおこなったため、受け入れ態勢が整っておらず、雇用形態が非常勤に限られたり、早期離職に繋がったりしたケースもありました。

 
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公務員の定着率は高めですが、必ずしも配属先での配慮が万全とは限りません。
安心して長く働きたい場合、「自分と同じ障害をもった採用実績がある」「柔軟な対応が相談できる」民間企業を視野に入れるのも良いですよ。

参考:朝日新聞デジタル「中央省庁、障害者雇用の水増し解消 採用の大半は非常勤」

【2022年7月最新情報】東京都「障害者採用選考(3類)」の募集が開始

2022年7月29日に情報が公開になった最新情報です。
都の職員は定期採用をおこなっており、今年は40名の募集があり、今年度より上限年齢が引き上げになりました。
詳細は東京都職員採用のホームページ「障害者採用選考(3類)」よりご確認ください。

【2021年12月更新】7都県の労働局の募集が実施

2021年12月13日に情報が公開になった最新情報です。厚生労働省が令和3年度都道府県労働局の障害者採用(常勤職員)をするとの告知がありました。

【2021年10月更新】外務省にて大量募集が実施

2021年10月1日に情報が公開になった最新情報です。外務省が障害者枠の非常勤職員40名を募集するとの告知がありました。

【募集要項】
  • 雇用形態:非常勤職員
  • 採用期間:2022年4月1日から2023年3月31日(最大2回までの更新可能性あり)
  • 業務内容:入力・集計業務、資料作成業務(外国語を用いる業務を含む)、軽作業、事務補助業務(資料のコピー、ファイリング、書類整理等)等
 
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語学力を活かしたい方にはピッタリの職場ですね。

2019年以降このように大量募集がおこなわれることは珍しく、また募集期間が短いことも多々あるので、普段から人事院のホームページなどをチェックしておくことが重要です。


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障害者枠で公務員になった場合の業務内容

それでは、障害者枠で公務員として採用されたあとはどのような仕事をするのでしょうか。
一般的には、資料作成や集計、庶務など事務職をメインとした業務内容となっています。

より詳しい業務内容は「人事院の障害者選考試験」に各省庁のホームページリンクが一覧になっているので、目指す機関が決まっている方は確認をしてみましょう。また一次選考通過者には合同業務説明会おこなわれます。
また地方公務員を目指す方は各自治体の要項を確認しましょう。

中途採用の場合は、これまでの経験を元に業務内容は話し合いによって対応していきます。

配慮措置も面接などを通して決定していきます。

\実際に地方公務員として働いていた方へお話を伺いました/

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障害者枠で公務員に就職するメリット・デメリット

公務員を目指したいという方は多く、人事院が公表している「平成30年度の障害者選考試験の実施状況」によれば、その倍率は約11.6倍でした。なぜ障害者枠の公務員は人気なのでしょうか。

メリットとデメリットを改めて整理していきましょう。

障害者枠で公務員に就職するメリット

公務員就職のメリットは「安定と社会的信用を得られる」というイメージが一番にあがります。定着率の高さや手当(福利厚生)の充実度、休日の多さなど制度上安心して長く働ける環境だと言えます。

「障害に対する理解」だけでなく、コンプライアンス順守の意識も高くあるべき機関なので、その点に安心感を覚える方も多いでしょう。

 
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平成30年度の国家公務員の合格実績では過半数が精神障害でした。一方で、知的障害をお持ちの方の合格者は全体の1%にも満たず採用が進んでいない状況にあります。

障害者枠は離職率が低く定着率が高い

「安定のイメージ」は、公務員は民間企業と比べると圧倒的に「障害者枠での離職率が低く、定着率が高い」ことにもあるでしょう。

国の行政機関の障害者の採用・定着状況等特別調査の集計結果」によれば平成 30 年 10 月 23 日~令和元年6月1日までに採用された障害をお持ちの方の定着率は94.9%
民間企業全体の1年後の定着率が50~70%と考えると非常に定着率が高い状況にあります。

やりがい

なにより国や地域の仕事に携われてやりがいも大きいです。
公共の福祉に関わる配属によっては、障害当事者の意見や考えを仕事に活かせるかもしれません。

障害者枠で公務員に就職するデメリット

必ずしも全員に公務員の働き方がマッチするとは限りません。ここでは公務員就職のデメリットもご紹介します。

倍率が高く、公務員試験の対策が大変

安定のイメージが強いため倍率が高く試験対策に時間がかかります。一次試験は広い出題範囲から出されるので、まんべんなく広く学習することが苦手な方はしっかりとした対策が必要です。

 
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一般枠の公務員の場合でも予備校に通ってしっかり対策される方も多いですね。

今後の定期採用が不透明

既にお伝えしている通り、2019年に大量採用をおこなったため今後国家公務員を大量に採用するとは限りません。2021年現在は各省庁、団体が個別で採用をおこなっているようです。

 
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不足が起きた際に臨時採用などはおこなっているようです。臨時採用は人事院のサイトをこまめに見ておきましょう。

参考:文部科学省「文部科学省大臣官房人事課【障害者雇用(期間業務職員・時間雇用職員)】採用のお知らせ」

条件・業務や雰囲気のミスマッチ

また仕事の幅に関しては一般事務など補助的な仕事に従事する場合が多いです。評価制度も年功序列が基本となるため、「決められた仕事以外もどんどん挑戦していきたい」「頑張った分だけ評価されたい」という志向の方はミスマッチを起こす可能性もあります。

また、配属先も「受かるまで分からない」部分が多く、通勤が可能かどうか、興味のない仕事でも続けていけそうかをよく考えましょう。

 
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「想像以上に任された業務が少なかった」「車椅子なのにテレワーク不可でつらい」というようなギャップに悩む声は聞かれますね。

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国家公務員になった場合の給与

「安定している」と言われる公務員。障害者枠の給与額はどのくらいなのでしょうか。

採用当初の額は 148,600 円(行政職俸給表(一)1級5号俸)が基本とな り、採用前の経歴に応じて増額されます。

例えば、高等学校卒業後、30 歳で 採用された場合は、16.4 万円~ 21.9 万円です(行政職俸給表(一)1級の場 合)。なお、行政職俸給表(一)1 級の俸給月額は最高で 247,600 円です。 「国家公務員障害者選考試験 受験案内」より

公務員の給料は障害者枠かどうかに関わらず、「別表第一 行政職俸給表(第六条関係)」の定める通り支給されます。

また、手当も多いのが特徴です。

  • 扶養手当:扶養親族のある人に支給。子どもがいる場合10,000 円/月など
  • 地域手当:民間賃金水準の高い地域で働く人に支給。東京都特別区の場合最高で俸給等の 20 %
  • 住居手当:賃貸住宅に住み、家賃を支払う人に支給。最高 27,000 円/月
  • 通勤手当:通勤時の交通費(定期券相当額)を支給。最高 55,000円/月
  • 期末手当・勤勉手当:いわゆるボーナス・賞与。俸給等の約 4.45 月分/年

さらに超過勤務手当(残業手当)もしっかりと支給されます。
賞与や住宅手当が充実しており、平均的な障害者雇用枠の年収総額に比べると高くなる傾向にあります。

参考:「国家公務員の諸手当の概要(令和3年4月現在)」

障害者枠で公務員になるには

ここでは公務員になる方法について具体的に説明します。

まずは障害者枠で受験するか、クローズ就労で受験するかを考えます。倍率や採用時の配慮などに違いがあります。また、障害者枠の働き方も非常勤からフルタイムまで多様化しているのでキャリアプランや体調にあった選択をするようにしましょう。

そして、「公務員採用試験」に合格する必要があります。
2019年には水増し問題を受けて、障がい者限定国家公務員試験が開催されましたが今後同じような形式で定期的な採用試験がおこなわれるようになるかは未定です。
公務員を目指す方は、人事院や志望する機関、自治体のHPをこまめにチェックするようにしましょう。

 
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障害者枠の公務員採用試験について

それでは公務員試験について、国家公務員と地方公務員別により具体的に説明をしていきます。

国家公務員の障害者枠選考試験

ここでは2019年に実施された「国家公務員 障害者選考試験 受験案内」をもとに、どのような試験がおこなわれたかを見ていきましょう。

障害枠での受験資格は障害者手帳を取得(有効期限内のもの)している方が対象です。
また最終学歴によってゆるやかな年齢制限があり、高卒相当が20代前半、大卒相当が30代前半、社会人経験者(中途採用)は59歳までとされています。

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国家公務員試験の流れ

試験の流れは基礎能力試験で一定以上の成績をおさめた人を対象に評定した上で作文試験の結果が反映されます。一次選考を通過すると二次選考の面接があります。

選考段階 試験種目 解答題数・時間 
一次選考 基礎能力試験(選択式) 30題・90分
一次選考 作文試験 1題・50分
二次選考 採用面接 採用予定機関における個選考別面接等

選択式の試験は「知能分野(文章理解、課題処理、数的処理、資料解釈)から15 題、知識分野(自然科学、人文科学、社会科学)から 15 題 」出題されました。

 
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点字での出題や識字障害者への配慮、車椅子の乗り入れなど選考時の障害別の配慮は細かにされていました。
民間企業であってもこのような配慮は可能ですので、お気軽にご相談くださいね。

地方公務員の障害者採用試験

地方公務員の場合は、自治体によって形式が異なります。対象となる学歴などによって初級・中級・上級の3種に区分されていることもあります。

ここでは一例として、東京都職員の採用(3類)を見てみましょう。一次選考は筆記試験となり、二次選考は面接です。

選考段階 試験種目 解答題数・時間
一次選考 教養試験 40題・2時間20分
一次選考 作文 1題・1時間30分
二次選考

口述試験

個別面接 2回

自分の志望する自治体で採用が行われているかは自治体のホームページで確認しましょう。

参考:東京都職員採用「障害者採用選考(3類)|令和3年度実施|試験・選考情報」

障害者枠での公務員試験に合格にするためのポイント

では、障害者枠の公務員試験に合格するためにはどのような対策をすべきか、勉強法をみていきましょう。
障害のための配慮はされていますが問題の難易度に変化はありません。一般的な公務員試験対策を着実におこなっていきましょう。

 
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公務員として採用されると日々法律や制度に触れることになります。その下地となる学力が試されていると考えましょう。コツコツと事務処理をおこなう能力、公共の福祉に貢献する奉仕の心構えも重要です。

合格に必要な勉強時間の目安

公務員試験の最初の関門は筆記試験(一般教養・論述試験)です。内容は高校卒業程度といっても出題範囲が広いため、対策もぬかりなくおこないたいものです。
合格のために必要な時間は平均800~1,000時間、1日4時間の勉強で半年程度が目安ともいわれています。

必要書類の不備に注意

民間企業の書類選考にも共通することですが、応募書類・申し込みの手続きはかなり厳格に定められています。応募書類に不備があった時点で、不合格になりますので、ここでのミスは絶対にないように気を付けましょう。
特に障害者手帳は受験日当日において有効であることが必要なため、期限などに注意してください。

一次試験の対策は市販のテキストがおすすめ

一次試験対策を独学で行いたい場合、市販のテキスト(参考書)で勉強するのが王道の勉強法です。
テキストや過去問題集を使って、傾向を掴み、時間内に解ききる練習をしていきましょう。

 
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最近では公務員試験対策の解説動画がある場合もあるので、効率的に勉強していきましょう。

暗記科目の勉強におけるポイント

教養試験においては暗記が重要になってきます。
そして、暗記における勉強方法で有効なのが「正文化」です。

試験は「5つの選択肢から、正しい答えを選ぶ」という形式が多いです。そこで正解以外の選択肢の誤っている箇所を正しい情報に訂正し、覚えていくことが「正文化」という勉強法です。

例題を使いながら、「正文化」の方法を見てみましょう。

(自然科学)化学反応に関する記述として最も妥当なのはどれか
  • 1.化学反応では熱の出入りが見られ,酸化は一般に吸熱反応であり,使い捨てカイロには鉄の酸化が利用されている。
    ×吸熱反応→〇発熱反応
  • 2.物質が電子を失う変化を還元,逆に電子を得る変化を酸化といい,両者をまとめて酸化還元反応という。
    × 物質が電子を失う変化を還元, 逆に電子を得る変化を酸化→〇物質が電子を失う変化を酸化, 逆に電子を得る変化を還元
  • 3.メタン(CH4)などの炭化水素を完全燃焼させると,二酸化炭素と水が生じる
    →誤りなし
  • ⇒よって3が正解 ※実際は5択から正答を選びます

人事院「一般職試験(高卒者試験) 基礎能力試験例題」より作成

選択肢の1・2でおこなったのが「正文化」です。
実際の出題形式に慣れながら、1問で5つの知識を身に付けられるので効率が良い勉強法だと多くの受験生の間で親しまれてきました。

手書きの「論文」を時間内に書ききるには?

作文・論文においては当日に課題が発表され、その場で手書きで論述をおこなうことが多いです。

時間内に指定の文字数を書ききることが重要ですので時間配分には気を付けましょう。時間制限を設けて、練習をしておくとよいでしょう。

  • 時間や文字数などの制約を厳守する
  • いきなり書き始めるのではなく、論展開を組み立ててから書く
  • 社会課題や時事的なことがお題になることも多いので、日々情報収集をしておく
  • コンプライアンスや倫理に反するような内容は避ける
  • 読みやすい丁寧な文字で書き、誤字脱字がないかチェックする
 
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2019年の公務員試験においては、書字障害がある方はパソコンの使用も認められていました。障害配慮の有無は事前に確認をしておきたいですね。

面接試験の対策方法

面接対策はマナーなどの「振る舞い」、そして「質問へどのように答えるか」がキーとなります。
そうはいっても、話している時の自分の癖や振る舞いはなかなか気づかないものです。
自分でビデオ撮影をして確認したり、予備校の面接対策に参加したり転職エージェントに見てもらいフィードバックを受けられるとなお良いでしょう。

次に、必ず聞かれる質問への回答練習はくり返しおこないましょう。
「志望動機」や「どのように活躍するか」は必須の質問です。スムーズに答えられるようにしましょう。

想定外の質問や「こんな場面ではどうしますか?」といった質問も、すぐに答えられなくても慌てずに。「少し考えさせてください」と時間をもらってもよいです。

 
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公務員と民間企業の面接における最大の違いは「働く目的」。
公務員では国や地域、そこで暮らす人たちへの奉仕の姿勢が大切です。
民間企業の場合は、いかに組織の一員としてビジネスに貢献できるかをPRします。

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障害配慮について

障害者雇用ならではの面接内容は、障害配慮についての質問と説明です。
面接官は必ずしも障害に詳しいとは限りません。どんな時にどのような配慮が必要か、自分ではどのように対処ができるのかを相手に伝わるようにわかりやすく説明しましょう。

 
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自分の体調・体の状態と必要な配慮・自己対処は必ず聞かれると言っていいでしょう。スラスラと答えられるように練習しておきましょう。

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障害者枠で公務員として働くうえでの注意点

障害者枠の公務員として働くうえでの注意点を2つお伝えします。

体調管理に留意が必要

公務員は年間休日日数が比較的多いとはいえ、公務員でも安定した勤怠は重要視されます。

また、解雇(リストラ)が少ないとはいえ「国家公務員法」では「休職1年で無給、休職後3年で免職」となりますので、環境に甘んじないように体調管理に努めましょう。

相談できる上司や医療機関、外部の支援機関を見つけておくことも重要です。

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イメージとのギャップ

公務員に対してどのようなイメージをもっているでしょうか。

最近ではキャリア官僚をはじめ公務員も激務であると言われており、メンタルヘルスの問題で休職している職員も増えています。障害者枠の場合残業があまりないよう配慮はなされていますが、雰囲気がマッチするかの確認はしておきたいですね。

また「もっと稼ぎたい!」と思っても残業の抑制や副業が禁止などのルールもあります。働き方や収入が現実的かはよく考えましょう。

参考:人事院「義務違反防止ハンドブック」

「公務員→民間企業」へのキャリアチェンジが難しい

公務員の仕事の進め方は特殊と言われています。いざ「民間企業にキャリアチェンジしたい」と思った時、やや転職のハードルが上がる傾向があります。
特に非常勤など有期雇用の方は将来を見据えてExcelやPowerPointなど汎用的な仕事のスキルを身に付けたり、資格を取得したりしておくとよいでしょう。

 
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憧れだけではなく、実際に公務員として働いている方の声を調べたり、面接で逆質問をしたりイメージとのギャップを埋めていきましょう。民間企業との比較をするのもいいですね。

参考:人事院職員福祉局「国家公務員とメンタルヘルス」

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障害者枠の公務員を目指す方へのアドバイス

最後に様々な障害をお持ちの方のキャリア支援をしてきたDIエージェントのキャリアアドバイザーから参考となるようなメッセージを送ります。

就業中の方

仕事と試験勉強の両立はかなりハードなので、体調面にも影響が出やすくなります。
スケジュール管理や準備は念入りにおこないましょう。

離職中の方

公務員試験は受験可能な時期・期間が決まっており、試験勉強に費やしてきた期間が空くほど、民間企業への就職活動に切り替えた際にはブランク期間とみなされて不利に働くリスクがあります。
併願先として民間企業へのエントリーを進めるかも合わせて検討しておくことをオススメします。

以下の方たちのエピソードはのように公務員から民間企業へキャリアチェンジをされてイキイキと働ける職場を見つけられた方もいます。長い視野で考えてみてください。

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最後に

「公務員目指してきたけれど、やはり民間企業も受けてみたい」
「これまで公務員として働いてきたけれどもっとキャリアアップしたい」
「公務員と民間企業を並行して就職活動をするのはあり? 面接対策に違いはあるの?」
このようなご相談もいつでも気軽にしてください! お待ちしています!

監修:高橋 平
障害者雇用コンサルタント、キャリアアドバイザー。
早稲田大学卒業後、(株)D&Iに入社。 障害者雇用ソリューション営業、転職キャリアアドバイザーと幅広い領域を担当。現在はHRソリューション事業部の副部長として、DIエージェントの責任者を務める。