障害者雇用枠での履歴書の書き方|基本からポイントまでくわしく解説

就職活動をする時に必要となる応募書類のひとつ「履歴書」。障害者雇用枠への応募用の履歴書を作成する際は、基本情報や学歴・職歴のほか、障害や必要な配慮について書くのがポイントです。
この記事では、サンプル・ダウンロードできるフォーマット付で詳しく解説していきます。
これまで数多くの応募書類添削をおこなってきたキャリアアドバイザー(以下、CA)によるのアドバイスもたくさんあるので、ぜひ就職活動での履歴書作成に役立ててくださいね。

履歴書を書く際に気をつけるべきルール

履歴書を書き始める前に、基本的なルールを理解しましょう。ルールが守られていないと、せっかく書き上げた履歴書でもしっかり見てもらえないかもしれません。

事務職履歴書のサンプル画像
※クリックすると画像が拡大します

履歴書はこのような構成になっています。こちらのサンプルを基に気をつけるべき4つのルールを説明していきます。

デスクワーク志望なら「手書き」より「パソコン」で

「手書きでないと企業に対して失礼にあたるのでは?」と心配される方もいますが、デスクワークを志望されるなら手書きよりもPCスキルのアピールにもなるためパソコン(PC)で書くことをオススメします。
加筆修正や増刷がしやすいこともあり、最近はPCで作成する求職者が大半です。

もし手書きで履歴書を書くときは、基本的には黒のボールペンを使用します。消せるボールペンは擦れたり光や熱で消えたりしてしまう恐れがあるのでNGです。もし間違えてしまったら、修正液などは使用せず書き直しましょう。

 
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PCを使う場合は英語・数字の全角・半角も統一してください。(原則は半角でOKです)

履歴書フォーマットを使用する

履歴書フォーマットを用意して記述・提出するのが基本的なルールです。履歴書フォーマットは、100円ショップや文房具など多くのお店で取り扱っています。

また、転職サイトなどで配布しているフォーマットをインターネットでダウンロードすることも可能です。
一般的なフォーマットでは「障害の詳細について」という項目がないため、ご自身で欄を追記する必要があります。

●D&Iオリジナル履歴書フォーマット(こちらをクリックしてダウンロード)

 
CA

DIエージェントを利用する場合は、応募者に代わってプロのCAが障害の事前説明を企業へいたします。「書類で説明するのが難しい」と感じたらエージェントも利用してみてくださいね。

標準的なフォントを使用する

履歴書は、ビジネスシーンで使用するものなので、シーンに合わせて「明朝体」「ゴシック体」などの標準的なフォントを使用しましょう。たとえばWordにある丸みを帯びた「ポップ体」などは書類のフォントとしては不適切です。

空白部分は作らない

項目によっては、記入する内容がない場合があるでしょう。空白のまま提出するのではなく、空白部分をしっかり埋めるのが履歴書の基本です。どうしても記入できることがなければ、「特になし」または「なし」と記入しましょう。


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基本情報の書き方

基本情報は、自分自身の情報を伝える項目です。項目に合わせて、偽りなく正確に情報を記載しましょう。日付・名前・住所・写真・電話番号、メールアドレスの5つについて書き方をご紹介します。

日付

日付の部分は、履歴書を作成した日付なのか、郵送・持参する日付なのか迷いやすい項目です。履歴書を作成した日付ではなく、志望先に渡す・送る日付を書く必要があります。

志望先に持参する際は提出しに行く日付、郵送の際は郵送(投函)する日付を書くのが正しい書き方です。郵送・持参する日が決まっていないときは、一度空欄にしておいて、日付が決まってから最後に記入すると良いでしょう。

暦については、和暦・西暦どちらでも問題ありません。ただ、履歴書全体でどちらかに統一する必要があるので、バラバラにならないように気をつけましょう。

名前

名前を書くときは、戸籍と同じ名前を正しく記入しましょう。普段省略した漢字を使用している方は、そのまま書くのではなく、省略していない正しい漢字で書く必要があります。

履歴書フォーマットによっては、名前欄に「ふりがな」または「フリガナ」と記載されています。「ふりがな」のときはひらがな、「フリガナ」のときはカタカナで名前の振り仮名を書きましょう。

住所

住所は丁目・番地・号などを省略しないのが書き方のポイントです。都道府県から書き始め、「〇〇県〇〇区〇〇△丁目△番地△号」といったように、省略なしですべて書きましょう。集合住宅に住んでいる場合は、建物名や部屋番号も省略せずに記載します。

写真

胸から上が映っている社会人女性の証明写真の例
▲このような映り方が望ましいです

履歴書には、写真を貼る箇所が指定されています。証明写真はその人の第一印象を決定する重要な部分なので、お店や駅に設置されているスピード写真機もよいですが、写真館などでプロに撮影してもらえるとベストです。

写真館では撮り直しができたり、肌色補正をしてもらえたりと色々なオプションがあります。ネクタイの曲がり具合や髪型のハネ、顔の傾き具合まで細かくカメラマンがチェックし、好印象な写真が撮れるので、迷っている方は調べてみるとよいでしょう。

 
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最近はスマホで証明写真が撮れるアプリなどもありますが、写真写りが悪くなりがちです。自撮りは避けましょう。

また、写真を撮るときの服装・身だしなみもしっかり整えます。服装はダーク系のスーツで清潔感を出すのがポイントです。長い髪はまとめて、表情がしっかり見えるようにしましょう。

 
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明るすぎる髪の色(赤や緑・金髪・明るい茶色など)はビジネスシーンにふさわしいとは言えません。証明写真でも落ち着いた髪色を!

電話番号・メールアドレス

電話番号・メールアドレスは、志望先が連絡に使う重要な情報です。電話番号は、固定電話の場合は市外局番から、携帯電話の場合は「090(1234)5678」のように()やハイフン(-)使って書きましょう。

企業によって連絡手段が異なるため、電話番号とメールアドレスの両方をしっかり記入しましょう。
適性検査の連絡がメールで届くこともあるので、スマートフォン用のキャリアアドレスではなく、PC用のアドレスを準備して、記入するようにしてください。

 
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時々「〇〇love」など自分の趣味やニックネームをアドレスに含めている求職者の方がいますが、面接官に見られても恥ずかしくないビジネスシーンに合ったものを使用しましょう。

学歴・職歴の書き方

学歴・職歴の項目では、いつ・どこの学校を卒業したのか、会社に勤務していたのかなどを記載します。時期の書き間違いや職歴の記入忘れがないようにしましょう。

年・月

入学年・月、卒業年・月、入社年・月、退社年・月は、それぞれ間違えないように正しく記入しましょう。書いているうちにズレてしまうこともあるので、提出前に再度チェックすることが大切です。

学校名

学歴は高校や専門学校から記載するのが一般的で、中学校までの義務教育については省略可能です。高校は「高等学校」とし、「〇〇市立」などは略さず記載します。
大学に関しては、学部名や留学経験を書くことも企業へのアピールにつながります。

 
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一部企業では「高卒」(専修学校卒業資格のみでは応募不可)が必須条件なところがあります。応募条件に合致しているか今一度チェックしましょう。

会社名

職歴を書く際は基本的にこれまで社員として在籍した会社名を書きましょう。原則、社会保険加入歴があるものは全て記入します。
短期のパート・アルバイトの経歴は省いて構いませんが、離職期間が長く「パート・アルバイトの就業経験しかない」という方は記載をオススメします。
また派遣社員で登録した場合は、登録社名と派遣先・期間を明記してください。

 
 
「正確な職歴を覚えていない」「保険加入状況が分からない」という方はお近くの年金事務所に相談しにいきましょう。
「うっかり経歴詐称」には注意して! 内定取り消しや在職中に経歴詐称が判明した場合には解雇になる恐れもあります。

現在の状況

学歴・職歴の最後には、現在の状況を記載します。現在も会社に勤めている場合は「現在に至る」と書きましょう。
既に退職している場合は、「契約期間満了につき退職」「一身上の都合により退職」など理由と合わせて書くのがマナーです。

免許・資格の書き方

免許・資格は、企業にとって自社で活躍してもらえるかを見極める重要な項目です。書き方のポイントをおさえて、所持している免許・資格をアピールしましょう。

関連性・難易度の高い資格から書く

志望先の企業は、自社で活かせる免許・資格があるかを見ています。所持している免許・資格を取得した順などに記載するのではなく、仕事への関連性や難易度の高い資格から書くとアピールにつながるでしょう。

例えば、事務職なら簿記やパソコン関連の資格をまず記載すれば、採用担当者の目に留まるはずです。

勉強中の資格も記入可能

所持している資格はもちろん、勉強中の資格も記入してOKです。仕事に関係のある資格であれば、入社後の仕事をイメージしやすくなります。

記入できる資格に制限はなく、国家資格でなくても書くことができます。また「日商簿記2級取得に向けて勉強中」など勉強中の資格についても書けるで、意欲や熱意をしっかりアピールしましょう。

志望動機・自己PRの書き方

志望動機は、なぜ志望したのかを確かめる項目となっています。志望動機がはっきりしていないと、志望先への熱意が伝わらないこともあるでしょう。自分の想いをしっかりと盛り込んで、「入社してほしい」と思ってもらえるような志望動機を書き上げることが大切です。

自分の言葉で記入する

就職活動では履歴書を参考にして、面接が行われます。面接で重要視されるのが志望動機です。

良い履歴書を書くための参考書やマニュアルが多く販売されていますが、そのまま引用してしまうと、面接でズレが生まれたり、上手く質問に対応できなかったりして、失敗しやすくなります。
履歴書の志望動機は、参考書やマニュアルに頼り切りにならず、自分の言葉で書くことが大切です。考えて書くことによって、面接でも自信をもってスムーズに話せます。

なぜ志望したのかを書く

なぜ志望したのかは、志望先の企業が気になるポイントです。理由をできるだけ具体的に書きましょう。

例えば、「貴社に魅力を感じました」という言葉だけでは何に魅力を感じて志望したのかがわかりません。
「私は〇〇の経験から、貴社の〇〇に魅力を感じ、自分自身も貢献したいと思い志望しました」などのように、「自分の原体験」「会社に対し、具体的に興味を持っているポイント」をふまえて書く方が、志望度の高さが伝わりやすくなります。

志望動機や応募企業先の求めている人物像をもとに、「自己PR」も書くことができますね。ここでも実際に経験した事実を添えれば、説得力が増します。

 
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結論を先に書き、読みやすい文章を意識しましょう。

何ができるのかを書く

入社したときにどんな貢献をしてくれるかをイメージさせる必要があります。何ができるのかをしっかり書くことが大切です。自分のスキルや資格、経験などを踏まえて、どのようなことができるかを具体的に記入します。

経験のない業種を志望する場合は、経験や知識、資格などから関わりのあるものをアピールしましょう。できることとそれを裏付ける根拠をセットで記入するとアピールにつながりやすいです。

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障害についての書き方

障害を開示して働く場合は、履歴書に障害について記載する必要があります。履歴書フォーマットに欄がない場合は、自分で欄を追記するかA4用紙に別途まとめて提出しましょう。

書く内容について厳密なルールはありませんが、主に下記のような内容をまとめるとよいでしょう。

  • 障害者手帳取得年(月日)
  • 障害者手帳の種類・等級
  • 内容
  • 現状と詳細
  • 通院状況
  • 必要な配慮

現状と詳細、必要な配慮については、文章で詳しく記載しましょう。現状と詳細は、障害の簡単な詳細を書き、障害とどのように付き合い、就職活動や生活をしているかを記載すると、状況が伝わりやすくなります。

必要な配慮については、障害があることによって難しいことや不調が起きたときの対応などを記載します。

【書き方例】
季節の変わり目や、業務過多(月30時間以上の残業等)となった際に、倦怠感を感じる傾向がございます。十分な睡眠と食事を心がけ、異変を感じた際には主治医や上司の方に早めに相談することで予防しております。

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職務経歴書の書き方

職務経歴書とは、履歴書とは別に、職歴を詳しく記載し能力・スキルや経験をアピールする書類であり、基本的に履歴書と同時に提出を求められます。

職務経歴書は、履歴書のようにフォーマットは決まっていませんが、自己アピールにつながる重要な書類ですので、具体的な職歴やスキルをわかりやすく書くことがポイントです。

文章を書き連ねるだけでは見にくくなってしまうので、見出しをつけてまとめると見やすいでしょう。以下のような見出しに合わせて、作成してみてください。

  • 経歴要約
  • 「一般事務を〇年、経理補助を〇年」のように、簡単に経歴をまとめた内容を書く
  • 勤務先企業
  • (株)などの略称を使わず正式名称で記載する
  • 職務内容
  • 業務内容を具体的に記載する
  • アピールポイント
  • 仕事で培った経験や知識に基づくアピールポイントを書く

障害者雇用枠において押さえておきたいポイント

障害者雇用枠において押さえておきたいポイントとして、履歴書で障害について記載する必要があります。
正しく伝えることによって、企業が採用を検討しやすくなると同時に、働き始めてから必要な配慮をしてもらうことにもつながるでしょう。2つのポイントを解説していきます。

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障害の話はできるだけ客観的に書く

自分の障害について書くのは気が引けるかもしれません。「障害について書くことで、自分への評価が下がるのではないか」と不安になりますが、企業にとって障害については一番気になる内容です。

面接での答えとズレが生まれないように、できるだけ客観的に記載しましょう。現状とあわせて、過去から徐々に改善している、付き合い方がわかり生活しやすくなったなど、安定している部分があれば、記載することで採用担当者は安心できるはずです。

注意点として客観的な事実をありのままに書きすぎると、必要以上に志望先へ不安な印象を与えてしまう可能性があります。
客観的でありつつ、「〇〇が苦手ですが、このような配慮をいただくことで〇〇のように働くことが可能です」と前向きに障害を説明するようにしましょう。

【書き方例:発達障害(ADHD)の場合】
過集中により疲れやすい傾向がありますが、1~2時間に5分程度の小休憩をいただければ気持ちを切り替えて働くことができます。

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「必要な配慮」については具体的に書く

「必要な配慮」は、採用担当者に実際の仕事の様子をイメージさせるために欠かせない項目です。過去の経験を思い出し、できることややりたいことを具体的に書きましょう。

企業はどのような配慮が必要かを知りたいので、できないことやあまりやりたくないこともしっかり書くのがポイントです。ただやりたくないことではなく、障害の影響で苦手なことを書くと、自分自身を理解している印象を与えられるでしょう。

自分の特性や不調に対してお願いがあるときもここに記載します。「不調が出たときに10分だけ休憩をもらいたい」「不安なとき気軽に相談させてもらいたい」など、素直にお願いを記載しましょう。

 
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障害の自己理解」と「客観的に見てどうなのか」のギャップを埋めて、相手に伝わるように言語化すること。ここが一番難しいポイントです。 第三者である支援機関やエージェントを気軽に頼ってみてくださいね。

よくある質問1「職歴が多い場合の書き方は?」

「職を転々としており、職歴が多くなってしまう。既存の履歴書では書ききれない!」といった相談もよく受けます。そのような場合はどうしたらよいでしょうか?

 
CA

雇用形態(正社員・契約社員・アルバイト)に関わらず、社会保険に加入していた際の職歴は抜け漏れなく書きましょう。

アルバイトや短期派遣でアピールしたいことがある際は、職務経歴書にまとめて書いて構いません。その際は履歴書の職歴の末尾に「詳細は職務経歴書へ記載」と記入しましょう。
履歴書は一目で完結にあなたの概要を伝える書類です。職務経歴書では経験社数が多い理由の説明もできるとよいですね。

よくある質問2「職歴がない場合は?」

「正社員での職歴はないと履歴書には何も書けない?」「就労移行支援は通っていたけれど経験になる?」 このような質問もよくいただきます。その答えは……

 
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職歴に書くことがなければアルバイトや勉強していたことを書いてもOKです。
また、就労移行支援などの通所経験は「訓練歴」として書けます。

職歴を一切書かないで応募することもできますが、少しでもアピールできる要素があるのなら、記入した方が好印象です。
たとえば、経理職に応募する際は「簿記2級取得のための勉強をしていました」と書くと前向きさが伝わります。

同じく就労移行支援や職業訓練校に通っていた経験を書くことも可能です。その結果どんなスキルを習得したのかも補足できるとよいでしょう。

キャリアアドバイザーからメッセージ

応募書類の書き方でつまずく求職者の方はたくさんいらっしゃいます。
一人で悩むより、第三者に客観的に書類を見てもらうと内定にもグッと近づきます。少しでも迷ったらいつでも相談に来てくださいね。
下記フォームからのご登録お待ちしています。

監修:高橋 平
早稲田大学卒業後、(株)D&Iに入社。 障害者雇用コンサルタント、キャリアアドバイザーを歴任し、 現在はHRソリューション事業部の副部長として、DIエージェントの責任者を務める。

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