悩まないで!適応障害になった場合の仕事や転職について詳しく解説

適応障害の診断を受けた方の中には、今後の働き方に悩まれる方も少なくないと思います。
本記事では、適応障害をお持ちの方のお仕事の悩みにお答えします。転職のメリット・デメリットや、受けられるサービス・制度、転職以外の方法のあり方をぜひ参考にしてください。

転職が必要?有職者の適応障害

在職中に適応障害になった場合、転職を検討する方も多いのではないでしょうか。
しかし転職以外にも色々な選択肢があるため、慎重に選んでいくことが重要です。

適応障害とは?

適応障害とは、ある特定の状況や出来事が原因で強いストレスを受け、それにより情緒面・体調面・行動面に症状がみられる障害です。

適応障害の症状(情緒・体調・行動の変化)

代表的な症状としては、下記の症状が挙げられます。

  • 抑うつ気分
  • 不安
  • 怒り
  • 焦りや緊張
  • 動悸がする
  • 汗をかきやすくなる
  • めまいがする
  • 不眠や食欲不振
  • 涙もろくなる
  • 暴飲暴食
  • 無断欠勤
  • 集中力が保てない
  • 人とけんかや口論になりやすくなる
  • 涙もろくなる

適応障害の原因

仕事や日常生活上の悩みなどによる強いストレスが原因です。
大切な人との死別、職場での人間関係、業務内容の負荷の大きさなど、何が原因となるかは人によって異なります。
ストレスの原因・ストレスの源を「ストレッサー」とも呼びます。
「ストレッサー」から離れると症状は次第に改善することが多く、逆に離れられない場合には症状が慢性化することもあります。

適応障害の治療方法

適応障害と診断された際は、下記のような治療法が考えられます。
個人差がありますので、必ず精神科や心療内科を受診し、自分にあった治療法についてアドバイスをもらうことをおすすめします。

  • 原因となっているストレッサーの除去
  • (例)人間関係が悪くなっている相手と距離を置く、仕事量や内容の調整など
  • ストレッサーへの適応力を高める
  • (例)認知行動療法、ストレス解消法を見つける 
  • 十分な睡眠と休養
  • 服薬

うつ病との違い

適応障害ではストレッサーから離れると症状が改善することが多くみられますが、うつ病の場合はストレス因から離れても症状が持続することが多いのが最大の違いです。
しかし適応障害と診断されても、5年後には40%以上の人がうつ病などの診断名に変更されているとのデータもあり、適応障害から他の病気に発展する可能性も指摘されています。

参考:厚生労働省「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス」

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仕事を続けるために

今の職場で働き続けたい場合

ストレッサーの除去が適応障害にとって効果的な治療の一つといえますが、今の仕事や職場を変えたくない方も中にはいらっしゃるでしょう。そのような場合の対処法をお伝えします。

就業環境を変える

職場環境を変えたい場合、まずは上司や人事担当、産業医などに相談しましょう。
自分から相談するのは勇気がいる行動ですが、相談してみると「そんなに辛い思いをしているなんて把握していなかった」「もっと気軽に相談してくれてよかったのに」など、意外な答えが返ってくる可能性もあります。
場合によっては「パワーハラスメント(パワハラ)」の芽を潰せることになるかもしれません。
協力者が見つかることで、あなたのストレス原因となっている職場環境、例えば所属部署、業務内容、勤務形態を調整してもらえるなどの改善につながることが考えられます。

業務量を調整する

業務過多による忙しさや残業による疲労が原因と考えられる場合、業務量を調整できないかどうか上司に相談してみましょう。
近年、残業規制が厳しくなっている企業が増えているので、相談すれば理解が得られる場合もあります。

仕事や職場を変えたい場合

人によっては「相談できる相手がいない」「相談窓口が会社に設置されていない」「相談しても改善の見込みがないが自分で対処することも難しい」などの場合もあるかもしれません。
そのようなときは以下の選択肢があります。

  1. 休職後、復職する
  2. 休職後、転職する
  3. 転職する

次の項目で詳しくご説明します。


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まずは休むのが一番! 休職のケースとは?

適応障害の診断を受けたあと、転職せずに休職するケースをご紹介します。

休職後、復職する場合

「休職」とは一定期間仕事を休んで療養することを指します。
期間の上限は会社ごとに異なり就業規則で定められています。
休職制度を設けていない会社や制度を利用する際に勤続年数などの条件を定めている会社もあるので、自分の会社の就業規則を確認しましょう。
次の項目で、休職することのメリット・デメリットをご説明します。

休職のメリット①「傷病手当金」で経済的損失を最小限に防げる

労災を除いて休職期間中は賃金が支払われない場合がほとんどですが、健康保険に加入していれば傷病手当金が支給されます。
諸条件はありますが、概ね給料の2/3程度の額が支給されます。

参考:全国健康保険協会「こんな時に健保 | 病気やケガで会社を休んだとき」

休職のメリット②気持ち・体調を整えられる

休職期間中は業務が免除されるので仕事から解放されて、気持ちを整理したり体調を整えたりすることに専念できます。

休職のメリット③回復後の選択肢が多い

休職期間内であれば、会社に復職できます。
「せっかく入った会社なので、なるべくなら現職を続けたい」
「転職するにしても、転職先の環境が合うかどうか不安」
「療養と転職活動を両立することが難しそう」
……などの場合、転職に踏み切れないかもしれません。
まず休職して体調を回復させてから、復職を検討していきましょう。

【使えるサービス】リワークプログラム

リワークプログラムとは精神疾患を原因として休職している労働者に対し、職場復帰に向けたリハビリテーションを行う制度です。
休職期間中の方は復職に向けた準備を進められます。場合によっては支援者が就業先の企業と連携し職場の環境改善のための支援まで行ってくれる場合もあります。
リワークプログラムは、医療機関や障害者就業センターなどが実施しており内容がそれぞれ異なります。
適応障害をお持ちの方の転職に役立つ制度や支援は?」にて詳細を説明します。

復職のデメリットは再発のリスク

休職してから復職を目指すことのデメリットとしては、仮に復職後も職場の環境改善がなされていない場合は症状の再発の可能性があることが挙げられます。
復職を検討する際には、発症の要因となった職場環境が改善されているかどうかをよく確認しましょう。

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回復したら…転職のメリット・デメリット

状況が好転する見込みがない場合は……。 医師と相談し「転職しても問題ない状態だ」と言われたら、転職活動を視野に入れてもよいでしょう。

転職のメリット①新しい環境で心機一転取り組める

職場での環境改善が見込めない場合、「以前のように体調を崩してしまったどうしよう」という不安を抱えながら就業することになります。
転職のメリットは、職場を変えることにより人間関係や業務内容が変わり、より自分にあった働き方ができる可能性があります。

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転職のデメリット①新しい環境に馴染むための負荷がかかる

休職期間を経ての転職では、仕事をしていないブランクの期間により体力が落ち、仕事のパフォーマンスが発揮しづらくなることに加え、新しい環境に適応するためのストレスもかかるため注意が必要です。

退職のメリット・デメリット

心や身体がつらいとき、仕事を辞めるのは甘えや逃げではありません。

休職制度が利用できない場合や、転職活動を始められる程度に体調が回復していない場合、退職してしばらく休んでから再就職することも選択肢の一つです。

退職のメリットは「仕事から解放され、療養に集中できる」

一時的な休職も療養のためには有効な手段ですが、いずれは復職しなければいけないことや、同じ会社に戻ることが頭の片隅にある限りは、どうしても現職のことを考えてしまう方もいるかもしれません。
また、休職制度の利用が難しく、就業を続けることも困難という場合には、退職することも有効な選択です。

退職のデメリット①経済的な負担

収入がストップすることになりますので、経済的な負担はかかってしまいます。

退職のデメリット②職務経歴書にブランクが生まれる

次の仕事を決めずに退職することで、職務経歴書に空白の期間が生まれることになります。
一概に、空白期間があることが不利になるとは限りませんが、転職の面接などで「この期間はどう過ごしていたのか」などの質問をされたり、応募企業に健康面を懸念されたりする可能性は否定できません。

適職や求人を探すには?

心機一転「職場を変えよう」「異動をお願いしてみよう」となった際、どんな環境や仕事内容ならストレスなく働けるでしょうか? その観点で考えてみましょう。

向いている仕事はあるの?

適応障害をお持ちの方に向いている仕事を一言で言うと「ストレス源を避けられる仕事」です。
人によって何がストレスなのかは異なりますよね。
たとえば「手取り足取り教えてもらわないと不安な人」もいれば、「ある程度裁量をもって仕事ができないとストレスに感じる人」など様々です。

次の職場を選ぶ際は、クチコミサイトを見たりエージェントに相談したり、面接で「長時間労働はありますか?」「●●が苦手な傾向にありますが、御社ではどのような感じでしょうか」と質問をしたり、ミスマッチがないようにしましょう。

向いていない仕事は?求人探しのポイントはココ!

前述のとおり、人によってストレスに感じることは異なるので、一概に向いていない仕事を挙げるのは難しいです。しかし、ストレス源となりうるポイントを元に職場・求人探しはできますね。

  • 業務量が常に多い
  • 自分で仕事をコントロールしづらい
    (お客さんに合わせる場面が多いなど…)
  • 職場が遠く、通勤時間が長い

万が一、体調を崩した際に柔軟な対応があるか(フレックス勤務や休暇の取りやすさ)も確認しておきたいポイントです。

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参考:庄司正実,佐藤親次,小田晋,久保田浩也,今井保次(1990)「ソフトウエア技術者の精神健康――II.仕事上のストレッサーの分類および仕事上のストレッサーと精神障害の関連性」『産業医学』(32):258-064

「適応障害を隠さず、配慮のある職場で働きたい!」

適応障害になった場合、障害者枠雇用で働くという選択肢もあります。適応障害をオープンにしたうえで、体調の配慮をしてもらいながらの採用です。
そのためには障害者手帳の取得が必要になる点はご承知おきください。
現在の年収をキープしながら転職もできるチャンスも十分にあります。

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適応障害をお持ちの方の転職に役立つ制度や支援は?

適応障害と診断された場合、使える支援制度や福祉サービスが多数あります。
ただでさえ、辛い思いをしているなか、自分で調べるのは大変ですよね。こちらでまとめてチェックしましょう。

就労移行支援

「就労移行支援」とは一般企業への就労を目指す、障害や難病をお持ちの方が利用できる福祉サービスです。
就労移行支援事業所という施設に通所し、体調管理方法やコミュニケーションスキルを学んだり、応募書類作成や面接対策など、転職活動に向けてのアドバイスをもらったりすることができます。
就労移行支援事業所は、地方自治体から指定を受けてサービスを提供しており、全国には約3400ヵ所以上(2017年時点)の事業所があります。また、就職後の職場への定着もサポートしてくれます。

参考:厚生労働省「平成29年 社会福祉施設等調査の概況」

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就労継続支援

「就労継続支援」とは一般企業に就労することが困難な障害のある方に、働く場と一般企業などでの就労に向けての訓練を提供する福祉サービスです。
就労継続支援A型事業所と、就労継続支援B型事業所の2種類があります。

リワーク

先ほど紹介したリワークプログラムについて、ここでは、実施主体ごとの特徴を紹介します。

精神科・心療内科などの医療機関

復職支援に特化しており、復職後も長期的に働けるための病状の回復と安定を目指した治療です。

地域障害者職業センター

各都道府県に設置され、障害者に対する専門的な職業リハビリテーションサービスや、事業主に対する障害者の雇用管理に関する相談・援助、地域の関係機関に対する助言・援助を行う機関です。
休職者・就業先の企業・主治医らと連携と連携しながら、復職の支援を行います。下記のサイトで、地域ごとの障害者職業センターを調べられます。

参考:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「地域障害者職業センター」(外部サイト)

就労移行支援事業所

前述した就労移行支援事業所の中にも、休職者を対象としたリワークプログラムを設けている施設があります。通所を検討している方は、お住まいの地域の就労移行支援事業所に問い合わせてみましょう。

ジョブコーチ

ジョブコーチ制度とは、障害者の就労・定着の専門家が、一定期間、障害者の就業先の企業などに在籍もしくは出向し、障害者およびその家族や企業に対し、職場定着のための支援を行う制度です。
障害者本人に対しては、健康管理や職場でのコミュニケーションなどの職場への適応に向けてのアドバイスを、就業先の企業に対しては、本人の体調や障害特性に配慮した雇用に向けてのアドバイスを行います。
利用するためには、従業員と企業双方の合意が必要となりますので、利用を検討されている方は、まず職場の方に相談してみましょう。

参考:厚生労働省「職場適応援助者(ジョブコーチ)支援事業について」

長い仕事人生「どの選択肢が得?」で考えよう

適応障害の診断を受けたり、それに近しい症状が見られたりするなど、不安を抱えていらっしゃる方がいると思いますが、今の状態を改善する選択肢も多くあります。
この記事が「自分を大切にしながら、健康に働き続けるには?」といった観点で自分を見つめ直すきっかけになれば嬉しいです。

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