障害者の方がハローワークで在宅ワーク(在宅での仕事)を探すには?

就職や転職を考えたときに、自宅で仕事をしたいと思う障害者の方は少なくありません。この記事では、ハローワークを活用して在宅でできる仕事の探し方を紹介します。

在宅での仕事といっても、在宅勤務・在宅ワーク・内職の3つに分かれるのをご存じでしょうか。ハローワークで探せるのは「在宅勤務」に当たります。それぞれの仕事の違いや、ハローワーク以外の方法で探す、家でできる仕事の探し方なども合わせてご紹介します。

在宅でできる仕事を探している方は、ぜひ参考にしてみてください。

障害者の方がハローワークで在宅ワークを探すには?

障害者の方がハローワークで在宅ワークを探すには?

仕事探しといえば、ハローワークを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。ハローワークでは障害者の方でも仕事が探しやすいよう、あらゆる工夫がなされています。ここではハローワークを活用した在宅ワークの探し方を紹介します。

ハローワークの求人にあるのは「在宅勤務」のみ

ハローワークの求人にある在宅ワークは、「在宅勤務」と呼ばれるもののみです。在宅勤務とは「雇用型テレワーク」と呼ばれるもので、会社に出勤せずに家で仕事に取り組める働き方です。家で働くスタイルではありますが、会社と雇用契約を結んでいるので会社員という立場に、契約期間が決められているときは契約社員といった立場になります。

ハローワークで取り扱う「在宅でできる仕事」のほとんどがこの在宅勤務ですが、PCを使った仕事が中心で、PCの基本スキルが必須です。

なお、ハローワークでは取り扱っていませんが、在宅ワークにはほかにも2つの種類があります。

在宅ワーク

  • 「自営型テレワーク」と呼ばれる
  • 会社と働く人の間に雇用契約がない
  • フリーランスや自営業の人で、家で働くことを中心とする人が該当する
  • 仕事をするときは、取引先の企業と請負契約または委任契約のいずれかの業務委託契約を結ぶ
  • 厚生労働省の定義では「情報通信機器を活用して仕事をするもの」としている

内職

  • 在宅勤務や在宅ワークと異なる働き方
  • 企業と契約を結ぶことは同じだが、部品や材料を組み立てる、仕様書通りに商品を作成するといった手作業中心の業務が一般的
  • 成果物1つに対する単価が低い
  • PCスキルが不要なのでチャレンジしやすい

引用元
厚生労働省|在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン

「在宅勤務」と「在宅勤務可」という表現の違いに注意

在宅で働ける仕事を探すときに注意したいのが「在宅勤務可」と書かれた求人です。一見、在宅勤務と同じように見えますが、実は違う働き方。具体的な違いは以下のとおりです。

在宅勤務

在宅勤務可

  • 在宅勤務を前提とした働き方
  • 通勤での勤務を前提とした働き方
  • 事情または業務スキルなどを考慮し、在宅勤務に切り替えても業務に支障がないと判断される場合に限定される

「在宅勤務」と記載があっても基本的な働き方が異なるので、在宅で働ける仕事を希望する方は「在宅勤務」と書かれた求人を探しましょう。

在宅で仕事をする場合にあるとよいスキル

在宅で仕事をしたいけれど、自分に何ができるだろうかと疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。在宅で仕事をするときにあると有利になるスキルを紹介します。自分に照らし合わせてチェックしてみてくださいね。

基礎的なPCスキル

在宅でできる仕事は、内職をのぞいてそのほとんどがPCを使う機会のあるものです。在宅勤務の一例を挙げると、Webデザイナーがあります。Webデザイナーは1日中PCを使った作業が多く、在宅勤務という働き方で募集する企業も少なくありません。

Webデザイナーと同じように、企業の目的や要望に添ってシステムを構築するシステムエンジニアや、構築したシステムにプログラミングを行い、機能を実装させるプログラマーといった職種にも在宅勤務があります。

これらの職種は高度な技術が必要になることもありますが、ワードやエクセル、パワーポイントといった基礎的なPCスキルがあればできる業務や、ハローワークの職業訓練で得たスキルが活かせる業務がたくさんあります。

 
キャリアアドバイザー
後に紹介しますが、ハローワークインターネットサービスでは、職業訓練情報の検索もできます。
希望の求人情報がみつからないときは職業訓練情報を閲覧し、スキルアップに時間を使うのもおすすめです。

文章の構成スキルや表現スキル

障害者の方が行う在宅の仕事のなかでも人気が高いのが、Webライターと呼ばれるインターネット上で公開される記事を執筆する仕事です。

仕事内容は、新発売する商品について紹介する記事や、ビジネスで使う専門用語を解説する記事などさまざまです。文章の構成スキルや表現スキル、正しい言葉の使い方など、国語力が問われる仕事だと言っても過言ではありません。

たくさんの本や記事を読んで表現力や語彙、品詞のルール等を勉強することでスキルを高められます。

ハローワークでの求人の探し方

ハローワークでの求人の探し方

障害者の方が、在宅でできる仕事をハローワークで探したいときにはどのようにすれば良いのでしょうか。ハローワークの在宅の仕事の探し方は2通りあります。ハローワークでの求人の探し方を紹介します。

ハローワークを訪れ相談する

ハローワークでは、仕事に関する相談窓口が設けられています。求人のなかで気になるものがあったときに、求職者に代わってハローワーク担当者が企業へコンタクトを取るというのが業務です。

担当者によっては、在宅でできる仕事を探していることを告げると、相談に乗ってくれたり、情報提供してくれたりすることがあります。まずは、一度窓口で相談してみると良いでしょう。

検索システムを利用する

一般的には、ハローワークで求人を探すときは、ハローワークが開設している「ハローワークインターネットサービス」を利用して、PCやスマートフォンから求人情報をチェックします。

ハローワークではサービスのひとつとして、ハローワークインターネットサービスから、障害者の方の仕事が探しやすいように窓口を開設しています。

ハローワークインターネットサービスのトップページから、「仕事をお探しの方へのサービスのご案内」のページへ移った「各種ご案内」のところに、障害のある方の仕事が探せるページがあります(サイトの仕様は変更になる可能性があるのでご注意ください)。

仕事を探すページで、条件入力としてフリーワードに「在宅勤務」を記載すると、障害のある方を対象とした、在宅勤務の仕事が見つかりやすいでしょう。

ハローワーク利用のメリット・デメリット

ハローワーク利用のメリット・デメリット

障害者の方がハローワークを利用して在宅の仕事を探すことには、収入の安定や情報の安心感など大きなメリットがあります。

しかしその一方で、デメリットがあることも念頭に置くことが大切です。ここでは障害者の方が、ハローワークを利用して在宅の仕事を探すメリットとデメリットを紹介します。

メリット1.直接雇用となるため収入が安定する

ハローワークのインターネットサービスに掲載されている在宅の仕事のほとんどが、在宅勤務の仕事になります。

ハローワークで探した仕事が在宅勤務の場合は、応募者と企業との直接雇用となるため、フリーランスで契約するよりも収入の安定が見込めます。

同時に、障害があることを前提として仕事が探せるため、企業とのミスマッチが起きにくいのも大きなメリットです。

メリット2.ハローワークを通しての就業先なので安心感がある

ハローワークに掲載されている企業の情報は、ある程度ハローワークで確認が取られています。就業先の求人内容に大幅な間違いがないことが予測され、応募する際に安心感があるのが特徴です。

また、ハローワークは都市部だけでなく、地元企業の情報量が多いこともメリットとして挙げられます。在宅勤務の場合、仕事や企業によっては月に数回程度、出社日が設けられているケースもあり得るため、地元企業であれば通勤の不便も少なくなるでしょう。

デメリット1.ハローワークに行く必要がある

ハローワークで仕事を紹介してもらうには、ハローワークに本人が出向き、担当者に企業と連絡を取ってもらうほか、応募書類や面接の際に必要となるハローワークからの紹介状を受け取りに行く必要があります。

ハローワークが近くにある場合は、不便が少ないかもしれませんが、遠方の場合は時間も手間もかかってしまいます。

デメリット2.必ずしも期待通りの仕事内容とは限らないので注意も必要

ハローワークで紹介される仕事は、企業の所在地や仕事内容などを、ひと通りハローワークがチェックします。

しかし、膨大な求人票を預かっているがゆえに、1社ごとの情報量が浅い場合があります。なかには業務がスタートしてから、仕事内容や待遇面などで、事前に聞いていたのとは異なるものを言い渡されるケースがあり、注意が必要です。

仕事内容や待遇が事前に聞いていたものと異なる場合は、ハローワークへ報告や相談をすることをおすすめします。

ハローワークで在宅ワークを探そう|求人検索の使い方

ハローワークで在宅ワークを探そう|求人検索の使い方

ここからは、ハローワークで在宅ワークを探す場合の、求人検索の使い方を紹介します。

ハローワークインターネットサービスとは、ハローワークの求人情報をインターネットを使って検索・閲覧できるサービスのこと。

スマートフォンをはじめ、タブレットやPCを使って気軽に求人情報を閲覧でき、事前に登録してログインしてから使う方法と、ログインせず求人情報を検索する方法の2通りあります。

サイトに登録しておくと「求職者マイページ」が作成でき、気になった求人をお気に入りに登録できたり自分の求職活動状況を確認できたりなど、様々な便利機能を使いながら就労先を見つけることができます。

一方、登録せずに使う場合は求人情報の検索のみに対応しているので、求人情報に目を通したいという方におすすめです。

ここからは、ログインせずに求人情報を検索する方法と、マイページからログインする方法を簡単に紹介します。

ログインせず求人情報を検索する方法

ハローワークインターネットサービスにログインせずに求人情報を検索する方法は、下記リンクに入り、「求人情報検索」をクリックします。

「基本検索条件」で「求人区分」を選択し、「年齢や就業場所」「希望する職種」「雇用形態」などを選択または入力して「検索」をクリックしましょう。

なお「在宅ワーク(勤務)」に関して選択する項目はないので、「フリーワード」内に全角で入力してから検索しましょう。詳細については下記リンクをご確認ください。

ハローワークインターネットサービス
ハローワークインターネットサービス|求人情報検索のしかた(簡単な検索方法)

求職者マイページからログインして使う方法

求職者マイページからログインして使う方法は、ハローワークインターネットサービスに入り、「求職者マイページにログイン」をクリックします。

次にマイページ作成時に設定したID(メールアドレス)とパスワードを入力してログインしましょう。

マイページを既に作成した方は下記リンクよりログインできます。

ハローワークインターネットサービス|求職者マイページログイン

求人検索の方法について知りたい方は、下記リンクをご確認ください。

ハローワークインターネットサービス|求人情報検索のしかた(簡単な検索方法)

求職者マイページを作成する方法

ハローワークインターネットサービスに自身の情報を登録し、便利な機能を活用しながら求人を探したい方は求職者マイページの作成をおすすめします。

マイページを作成する場合は、同サイトトップページの「マイページを開設して求職申込み」をクリックし、メールアドレス・パスワードの登録を経て登録完了です。マイページの作成を希望する方は下記リンクより登録できます。

ハローワークインターネットサービス

職業訓練情報を検索する方法

ハローワークインターネットサービスでは職業訓練情報の検索も可能です。この場合も、マイページ作成や求人検索同様に、同サイトトップページの「ハロートレーニングコース情報検索」をクリックすることで閲覧できます。下記リンクからすぐに検索できるので、職業訓練を探したい方はぜひご活用ください。

ハローワークインターネットサービス|職業訓練検索・一覧

ハローワークのほかにも!在宅ワークの仕事の探し方

ハローワークのほかにも!在宅ワークの仕事の探し方

在宅の仕事を探せるのはハローワークだけではありません。ここではその他の方法を3つ紹介します。

クラウドソーシングを利用する

1つ目はクラウドソーシングを利用する方法です。近年ではインターネット上で在宅可能な仕事探しをする人も増えています。

例えば、ランサーズやクラウドワークスといったクラウドソーシングサイトでは、「仕事をしたい人」と「仕事を依頼したい企業」が同じサイトに登録し、双方の合意で仕事が進められるというものです。

企業に雇用されるわけではなく、クラウドソーシングサイトを仲介とした業務委託や請負委託になります。

就職・転職エージェントを利用する

2つ目は就職・転職エージェントを利用する方法です。最近では、就職・転職エージェントを利用して在宅でできる仕事を探す人も増えています。エージェントサービス登録の際に在宅勤務のできる会社を希望することを伝えておくと良いでしょう。

求職者にエージェントの担当者がついてくれるため、仕事内容の希望が伝えやすく、在宅でできる仕事についての不安や疑問も気軽に聞けます。就職・転職エージェントなら、企業とのやりとりを自分でする必要もないため、効率的に仕事を探すことが可能です。

障害者雇用に特化した転職エージェント・求人サイトを使う

3つ目は障害者雇用に特化した転職エージェント・求人サイトを利用する方法です。例えば本サイトの「DIエージェント」は、障害者雇用に特化した転職エージェント。障害者雇用をご希望の求職者様から希望をヒアリングし、理想に近い就労先をご提案しています。

就職・転職活動のノウハウや履歴書・職務経歴書などの書類添削をはじめ、面接対策など手厚いサポートも行っているので、サポートを受けながら理想的な就労先を探したい方は、ぜひこの機会にご相談ください。

在宅で仕事をする場合の注意点

在宅で仕事をする場合の注意点

メリットの多い在宅での仕事ですが、きちんと仕事をこなすためには、いくつか注意点があります。在宅で仕事をするときの2つの注意点を紹介します。

これから在宅で仕事をすることを希望している人は参考にしてみてください。

私生活と仕事の切り替えが重要

在宅勤務では、私生活と仕事を同じ空間で行うため、気持ちの切り替えができず、ついついだらだらとしてしまいがちです。

生活と同じ空間であっても、きちんと仕事と向き合えるように、自分を律することが必要となります。落ち着ける環境だからこそ、気持ちを緩めすぎないように気を付けましょう。

反対に、いつまでも仕事ができるという点でも、仕事をしすぎてしまうことがあります。家で仕事をするときには、仕事と生活のリズムをきちんとつけることが大切です。

1人で集中して仕事をしないといけない

これまで周りに人がいる環境で仕事をしていた方にとっては、1人での仕事に慣れるまでは、不安や孤独を感じてしまうことも少なくありません。

周りに励まされて頑張れるタイプの方は、自分だけでトラブルも乗り越える必要があり、不安になることもあるでしょう。1人で集中して仕事を進めることは、慣れるまでに少し時間がかかるものだと、事前に認識しておくと安心です。

ハローワーク以外でも在宅ワークを探すことは可能|理想的な職場を見つけよう!

ハローワーク以外でも在宅ワークを探すことは可能|理想的な職場を見つけよう!

障害者の方で、在宅でできる仕事を探している場合は、まずは在宅の仕事の種類をチェックし、自分に向いているものを見定めましょう。

なかには専門的な知識やスキルが問われる仕事もあります。空き時間を見つけて、在宅勤務に役立つスキルを身に付けておきましょう。

DIエージェントでも在宅勤務(テレワーク)ができる求人を多数扱っておりますので、気になる方はぜひ下記よりお申し込みください。

DIエージェントは、「障害をお持ちの方一人ひとりが自分らしく働ける社会をつくる」ために、障害者枠で就職・転職を検討されている方に対して就職・転職についてのアドバイスや、ご希望に沿った障害者枠の求人紹介を行っております。
専任のキャリアアドバイザーが丁寧にヒアリングし、お一人おひとりに寄り添った働き方を提案させていただきます。

「今の自分に無理のない働き方をしたい」「理解のある環境で働きたい」というご希望がありましたら、まだ転職は検討段階という状態でも構いませんので、ぜひお気軽にご相談ください。

なお、DIエージェントを運営する株式会社D&Iでは、障害者雇用に特化した「BABナビ」も運営しています。今回ご紹介したWebエンジニアなどの求人も閲覧できるので、ぜひこの機会にご覧ください。

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監修:東郷 佑紀
大学卒業後、日系コンサルティングファームに入社。その後(株)D&Iに転職して以来約10年間、障害者雇用コンサルタント、キャリアアドバイザーを歴任し、 障害・年齢を問わず約3000名の就職支援を担当。