ハンディキャップにとらわれない多様なキャリアの実現を応援! [企業インタビュー シミックグループ]

先進的な障害者雇用をおこなう企業の担当者にインタビューし、ハンディキャップをお持ちの方の働き方のリアルな現場をお伝えします。
今回は医薬業界のリーディングカンパニー「シミックグループ」の障害者雇用全体を統括されている岡本様に障害者枠のキャリアパスやオンライン面接で採用担当者が気にするところについて伺いました。

CMICグループ_岡本泰治様_profileお話を伺った方:岡本泰治 様
シミックウエル株式会社管理部部長。障害者職業生活相談員。
特例子会社の立ち上げ・マネジメントだけでなく、シミックグループの障害者雇用全体(採用~定着・育成など)の統括を担う。

※本記事の内容は2021年7月取材当時の内容です。

難病の創薬も。将来性・社会貢献性の高い事業を展開

シミックグループ独自のペンタゴン型事業モデル
▲シミックグループ独自の事業モデル「PVC」

――本日はありがとうございます。まずは貴社のビジネスについて簡単に教えていただけますか?

私たちシミックグループは、医薬品開発の支援会社(CRO)としてスタートしましたが、 今では「世界中の誰もがより健康でその人らしい生活を送るため、ヘルスケアの革新に貢献します」というビジョンのもと、 CROのみならず、製造や営業・マーケティングなど製薬企業のバリューチェーンをすべて支援できるよう業容を拡大し、グループ独自の事業モデル「PVC: Pharmaceutical Value Creator」を展開しています。
全てのフェーズをグループで手掛けているため創薬から流通までの全体像が見えること、またベンチャーから大手企業まで製薬業界のプレイヤーに幅広く関われるといった魅力があり、年々CRO業界を志望してくださる方も増えています。

さらには難病の薬の研究・製薬や最近では新型コロナウイルス感染症のワクチン接種のオペレーションなどもおこなっています。現状のヘルスケアの課題解決から数十年先の医療業界を創造できる、社会貢献性の高い事業だと思います。

CMICの岡本様が広報誌を広げながらダイバーシティ&インクルージョンの取り組みについて説明している
▲広報誌を見せながら説明をしてくださる岡本様。最新号ではパラアスリートへの取材も掲載。

――岡本様は特例子会社にてグループ全体の障害者雇用の窓口を担われていると伺いました。

はい、2019年に山梨県小淵沢にてシミックグループの特例子会社「シミックウエル」の立ち上げからおこない、今年2年目を迎えています。
私もハンディキャップを持ったメンバーと働いた経験があり、「障害者雇用について経験を積みたい」と思いが大きくなったため障害者雇用を専門に扱う企業に飛び出しました。その知見をシミックに持ち帰り、ようやく形になりつつあります。
また、シミックグループの各人事担当者とコミュニケーションをとって一貫性のある採用や定着を考えたり、時にはハンディキャップのある社員の「社内第三者機関」として相談にのったりすることもあります。

――社内にハンディキャップの知識がしっかり身に付いている方がいるのは心強いですね。

シミックグループの経営陣も意欲的にダイバーシティに取り組んでおり、「法定雇用率達成だけが目的の障害者雇用ではなく、シミックグループ創業のスピリッツ”CMIC’S CREED”で重視する価値観“Wellbeing(ウェルビーイング)=誰もがその人らしくまっとうしていく/ 今この瞬間を生きようとする”に貢献する」という考えが中心にあります。
ハンディキャップがある社員へも決まりきった簡易な仕事を一方的に与えるのではなく、社員の個性や特性を活かした業務創出に取り組んでいます。

特例子会社にはグループ全体から多様な仕事が集まってきているため、シミックウエルの社員は日々様々な業務を経験しています。
共に働いていると、知的障害や発達障害をお持ちの方も得意なこと・特性を活かせる仕事を見つけて能力を発揮されるといった瞬間に立ち会えますね。

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障害者採用実績60名以上! ダイバーシティ&インクルージョンの波が来ている

難病の啓発ロゴが入ったマスクをつけるシミック岡本様
▲Rare Disease Day®(世界希少・難治性疾患の日)の啓発にもシミックグループは積極的に取り組んでいる:寄付していただいた方への記念品のマスクはシミックウエルで梱包・発送を実施。

――シミックグループでは障害者雇用だけにとどまらず、ダイバーシティ&インクルージョンの推進が活発ですね。

これには「経験豊富な女性が結婚や出産を機に辞めてしまう」という課題がありました。
そこでジェンダーに関わらずキャリアを継続して発展できるように見直しを進めたのです。
シミックグループのダイバーシティ推進担当も女性リーダーで、少しずつではありますが、女性管理職も増えています。

広報誌C-PRESS「ダイバーシティ&インクルージョン」特集
▲広報誌『C-PRESS』では「女性管理職登用」が組まれたことも。

シミックCEOの中村がもともとハンディキャップやジェンダー、国籍にとらわれずフラットに人と接するタイプでしたし、経営層もダイバーシティの重要性を強く発信しています。
それが社員にも徐々に根付いてきたのでしょう。女性やLGBTs、外国籍の方、ハンディキャップのある方とどんどん広く目を向けて会社の多様性を育くまれてきました。
多様なタイプ、価値観をもった方が在籍することで、社内にも新しい波が起きていると感じられますね。

ハンディキャップがあっても企画職やリーダーに抜擢!

――シミックウエルにとどまらず、これまでシミックグループ全体では60名以上のハンディキャップをお持ちの方が働かれてきたそうですね。どのような方が活躍をされていますか?

これまでは身体障害者の比率が高く、専門性も高い業界ですので製薬業界や医療業界のバックグラウンドをお持ちの方を中心に即戦力として仲間に入っていただいておりました。
しかしこれからはハンディキャップに関わらず、また未経験の方も活用にも力を入れていきたいと思います。
英語力に自信がある方も翻訳業務などスキルを活かせるようなポジションもありますね。もちろん医薬などの専門用語を覚えていく必要はありますが、本人の意志と向上心を尊重しています。

――ハンディキャップへの配慮やサポート体制はありますか?

お仕事に関しては、配属先にて実務を通して覚えていただきます。
ダイバーシティに関する社内広報や社内研修も積極的におこなっており、オープンな環境なので安心して入ってきていただけるかと思います。

それにくわえて月1回の定期面談も実施しています。普段の業務連絡とは異なった場を設けて「ちょっと相談したかったココだけの話」などもしてもらい、小さな不安も芽も取り除けるうに配慮しています。

また「ハンディキャップの自己受容の仕方」や「特例子会社で働く方の発信スキル」などをテーマに、ハンディキャップを持つ当事者向けの研修も外部講師を招いて実施してきました。前回開催時は会場から質問も多く出て盛況に終わりました。

――OJT/OFF-JT、面談と万全のサポートですね。入社後にはどのようなキャリアパスが歩めるのでしょうか?

まず全社的な取り組みとして「ヘルスケアプロフェッショナル認定制度」というスキルアップ制度を設けています。
キャリアパスとしては業界未経験からキャリアをスタートさせて病院と製薬会社の仲立ちをおこなうような高度な専門職のルートを歩んだ方もいます。

――お仕事の幅も広いのですね。

ハンディキャップを持つの社員の中には、他の当事者に対してピアカウンセリングをおこない、厚い信頼を得ている方もいらっしゃいますね。
「障害者枠では決められた仕事しかできない」というイメージがありますが、弊社では企画職に近い形で1年間の研修を考えて運営のリーダー役となって中心で進める仕事もお任せしようとしているところです。
特にDIエージェントから応募いただいた方は、仕事に対する意欲が高い方が多いなぁという印象です。

――ありがとうございます! エージェントではキャリアカウンセリングをし、職業準備性を身に付けていただいた上で企業様とご縁をお繋ぎしています。働く方のキャリアプランの言語化や意識づけのお手伝いという意味ではお役に立てているのかなと思います。

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働く方の「こんなことをやりたい!」の声に最大限応える

CMICオフィスのオープンスペースでの相談風景
▲東京オフィスは22階。温かく、気さくに相談にのってくださいます。

――では、シミックさんが求める人物像がありましたら教えてください。

向上心をもって「こんなことがやりたい!」と将来のビジョンを明確に持っている方をシミックは歓迎します。
キャリアの希望を積極的に発信してもらえれば、受け取った私たちは必ず現場の担当者にその希望を伝えるようにしています。
反対にスキルがあっても「就職さえできればどこでも良い」「会社の決められたレールに乗りたい」という受け身な方はうちのカルチャーにはマッチしないかもしれないですね。

――実現したいことがある方にとっては最高の環境ですね! 岡本様は採用の面接官もされていますが、面接ではどのような部分を見ていますか?

最近ではオンライン面接の機会が増えましたね。対面だと緊張してしまうかもしれませんが、自宅でリラックスした状態で受けてくださって普段の「素」の部分が見えるのが嬉しいです。
コミュニケーションの取り方や普段のお仕事をしている姿のイメージも湧いて、配属先を検討したり現場担当者にも伝えやすくなったりします。
面接用の自分を作るのではなく、ぜひありのままの姿を見せていただければなと思います。

――では最後にシミックグループが障害者採用にかける思いをお聞かせください。

シミックグループ全体では7,000名近くの人が働いていますが、徐々に障害への理解やダイバーシティの考え方が浸透してきています。
ハンディキャップや生い立ちに関わらず、意欲を持った方が活躍できる場面は多く用意されています。
ぜひこれからの世代を作る波を巻き起こそうという意思をもった方に興味をもっていただければ嬉しいです。

――ここまで一人ひとりのキャリア開発に真摯に向き合ってくれる企業様があることに感動しました。本日はありがとうございました!

現在シミックホールディングスでは、医薬業界に興味のある方を積極的に募集中です。
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