オープンポジションとはどんな求人?メリットや応募時の注意点も解説

転職活動をしていると、「オープンポジション」と書かれた求人・募集に出会うことがありませんか?

意味を知らずになんとなく避けている方はもったいないことをしているかもしれません。オープンポジションの求人は、特に障害をお持ちの方には積極的に応募していただきたい特徴があります。

この記事では、「オープンポジション」とはどんなものか、募集する企業側の目的やメリットはどんな点なのかなどを詳しく解説していきますので、ぜひ選択肢を広げるために参考にしてください。

オープンポジションとは

転職・就職の場で見られる「オープンポジション」とは、職種や職務内容を細かく限定せずに開かれた募集のこと。企業とのマッチ度や適性に合った人を採用する目的があり、ベンチャー・IT企業や中途採用、障害者雇用などの求人で見られることが多いです。

応募者の経験・スキル・希望を、会社の現状や既存のポジションなどとすり合わせながら、配属先や担当業務が検討されます。

 
キャリアアドバイザー
「事務系オープンポジション」「工場配属のオープンポジション」など基本的なスキルや条件を限定した求人もありますよ。

一般的な求人と比較して何が違うのか見てみましょう。

\基本的な求人票の見方・探し方はこちらの記事をチェック/

一般的な求人とオープンポジション求人の違い

通常の求人では、あらかじめ職種や内容などが決められています。

求人サイトなどの求人票を見ても、「事務職:人事・総務」「データ入力」などと職種や業務内容が細かく規定されており、「入社後、どこに配属されて、何をやるのか」がすぐにわかるような内容になっているものが多いのではないでしょうか。

一方で、オープンポジション求人は、職種・職務範囲・業務内容などが決められていません。前述したように、応募者の適性やスキルなどから、適切な仕事が判断されます。

また、既に社内に確立しているポジションが複数提示されていることもあるので、自分の経験に合わせて応募してみるのも良いでしょう。

 
キャリアアドバイザー
たとえばエンジニア経験がある方は、エンジニア職の募集にプラスしてオープンポジションで経験が活かせる募集がないかを探してみると可能性が広がります。

また、選考を通してどのような業務をお任せするか探っていく場合もあります。
「未経験OK」のオープンポジションもあるので、「まだ自分の適性が分からない」という方はオープンポジションでチャレンジしてみても良いでしょう。

ポテンシャル採用

「オープンポジション」と似たような採用の手法・名称として「ポテンシャル採用」というものがあります。こちらも適性を見極めてどこに配属されるかが決まっていきます。

一般的に新卒・第二新卒の採用はポテンシャル採用の性質が強いです。入社するまで配属が分からないこともあるでしょう。

 
キャリアアドバイザー
ポテンシャル採用においてはスキルよりも熱意やお人柄が重視されます。経験・スキルを活かしたい方には向きません。

企業がオープンポジションで募集を行う理由・目的

前章のような特徴があるオープンポジション求人ですが、なぜ企業はオープンポジションで人材を募集するのでしょうか?その理由に迫ります。

スキルにとらわれず自社への熱意や興味関心が高い人材が欲しい

オープンポジション求人を出す企業は、スキルを持っていない未経験者でも、自社に入社したいという意思が強く、事業に対してやる気がある人材ならぜひ採用したいと考えていることが多いです。

また、業界によっては求める人物像を言葉で表現するのが難しく、オープンポジションで募集をかけて、応募者の人柄や適性などを重視することもあります。

将来性のある若手を求めている

第二新卒のような若い人々を積極的に採用し、自社で活躍してもらえるように育てたいという意図がある場合もあり、将来に期待できる人材を探しています。

幅広い業務を経験して成長してほしい

オープンポジションを募集している企業は全社的に積極採用中であることも多く、様々なポジションが用意できる場合があります。

また、社内のさまざまな職種で人材が欲しい場合や、いろいろな業務を担当してもらい、幹部や経営者として育成したい場合などに募集が行われるケースもあります。

 
キャリアアドバイザー
事業が拡大している成長企業である可能性も高く、キャリアアップのチャンスです!

人手が足りないためとにかく採用したい

人材不足が課題の企業の場合、スキルや人柄などにかまわず「採用」ということに重きを置いていることも。また、自社にとって「良い人材」ならいつでも採用したいと考えている場合もあります。

ポジションを絞るとなかなか適した人材に来てもらえない可能性があるため、オープンポジションとして募集をかけています。

障害者雇用枠におけるオープンポジション

障害者雇用枠の「オープンポジション」の場合、より障害特性に合わせて柔軟にポジションを用意し、仕事内容などを調整していくといった意味合いも強くもつことがあります。

聴覚障害をお持ちのAさんが「オープンポジション」に応募した場合…

  • これまで営業事務のスキルを積んできた
  • データ分析も得意
  • ただし、電話対応はできない

→応募先企業の「営業アシスタント職」では見積書作成に加え電話対応もすることになっているが、「オープンポジション」で応募してきたAさんに対しては「電話対応のない、営業のデータ分析をする事務」をお任せすることになった。

このようなことも起こりうるのが障害者雇用枠のオープンポジションです。

 
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障害者雇用枠においては一般的な転職市場よりもオープンポジションの比率が多い傾向にあります

オープンポジションのメリット&向いている人

オープンポジションのメリットやどんな人が応募するのに向いているかを確認しましょう。

自分にマッチするポジションが柔軟に用意される可能性が高い

オープンポジションの最大のメリットは適性をベースにポジションを検討していくことです。既存のポジションや求人に捉われずに活躍できる可能性を秘めています。

 
キャリアアドバイザー
「あと少しの配慮があれば働けるのに……」と悔しい思いをされてきた方はぜひオープンポジションをご検討ください!

選択肢が広がる

キャリアが浅い方も既にスキルをお持ちの方も「オープンポジション」を選択肢に加えると、応募できる求人の幅が広がります。特に障害者雇用枠のオープンポジションが多く用意されています。

 
キャリアアドバイザー
「絶対に事務職が良い!」と考えている方もオープンポジション求人の詳細までチェックして想定配属の部署に事務職ポジションがないかを確認しましょう。

ニッチな経験・職種が活かされることもある

専門職・研究職などそもそも募集が頻繁にはなく、募集のボリュームも少ない場合、これまでの経験・スキルが活かせる業界や企業のオープンポジションに挑戦してみても良いでしょう。

 
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「○○の部署は人手不足ではなかったが、そのような特別なスキルを持っているならぜひうちの会社に来てほしい!」とオープンポジションで転職を成功された例が多数ありました!

自分の適性を客観的に見てもらいキャリア形成に活かしたい人に向いている

現在お仕事を探している方の中には、「まだ何がしたいかはっきり分からない」という方も少なくはないでしょう。

「自分のコミュニケーション能力を活かせる仕事はなんだろう…?」と考えて、オープンポジションに応募した場合、接客業だけでなく顧客対応やコミュニケーション能力が必要とされる営業アシスタントなど企業ごとに様々な可能性を検討してくれることがあります。

 
キャリアアドバイザー
また「なんでも幅広く経験してみたい!」というゼネラリスト指向がある方もオープンポジションの応募に向いているといえそうです。

オープンポジションのデメリット&向いていない人

オープンポジションのデメリットは「必ずしも自分の希望通りのポジションにつけるわけではない」ことです。

自分の適性をうまく説明する必要がある

選考中はご自身の興味があること、志向性、「できる/できない」や「向いている/向いていない」といった自己開示は積極的にしていきましょう。
求人に書かれている応募条件をよく見ることも重要です。

 
キャリアアドバイザー
「計算を苦手としているのに”真面目さ”をPRしていたら経理の配属になってしまった!」といったようなミスマッチを避けましょう。

選考の難易度が高い場合がある

オープンポジション求人では、定量化されたスキルではなく、数値などで測るのが困難な人柄や適性などから採用が判断されます。そのため、面接官に対するアプローチの仕方が難しく、選考されにくいこともあります。

急いでいる場合は向かないことも

急募求人でない限り、「選考の中でじっくり適性を見極めていく」「ポジションを各部署に打診していく」などもあるので選考には時間を要する場合もあります。「転職を急いでいる」という方は、オープンポジションの求人には向いていないかもしれません。

 
キャリアアドバイザー
転職をお急ぎの方はDIエージェントにもご相談くださいね。
「いつまでにどうなりたいか?」といったゴールに合わせた求人を紹介しています。

オープンポジションに応募するときの注意点

ここでは、オープンポジションに応募する際の注意点をチェックしましょう。

応募の条件や資格が厳しいことがある

技術職や専門職が多い企業では、オープンポジションとはいえ応募の条件が決められていることもあります。自分に応募資格があるかどうか、応募する前にきちんと確認することが大切です。

希望する仕事ができるとは限らない

オープンポジション求人では、選考のなかでポジションが決まるため、実際に入社した後どんな仕事を任されるかわかりません。自分が望んでいる業務を担当させてもらえなかったり、やりたくない仕事を任されたりする可能性もあるということを知っておきましょう。

オープンポジション求人の探し方

オープンポジションの求人はどのように探せばよいのでしょうか。代表的な「求人サイト」と「エージェント」についてご紹介します。

 
キャリアアドバイザー
おなじみのハローワークでは、オープンポジションの求人よりも募集要項が細かく決められている求人の方が多いようですね。

求人サイト

まずは「求人サイト」からオープンポジション求人を探す方法が挙げられます。キーワード検索画面に「オープンポジション」と入力、もしくは詳細条件で「オープンポジション」を選択して検索してみましょう。

障害者雇用枠専門の求人サイト「BABナビ」では、300件近くのオープンポジション求人が掲載されています(2023年12月現在)。

引用元
オープンポジションの求人|障害者雇用枠のお仕事をお探しの方の求人サイト|BABナビ(バブナビ)

エージェント

エージェントは、求職者お一人おひとりのご希望を伺った上で、キャリアのプロであるアドバイザーがピッタリの職場を探してきてくれる、完全無料で使えるサービスです。

ご自身でオープンポジションの求人を探す必要はなく、「こんな企業のオープンポジションがあるのですがいかがですか?」と提案があるのを待っているだけでOKです。障害者雇用枠専門のエージェントに何社か登録しておくことをオススメしています。

 
キャリアアドバイザー
なぜエージェントがオススメか?それはエージェントしか情報を持っていない非公開求人があるからです。

企業に応募者を積極的にアピールするエージェントも!

特に障害者雇用枠専門のDIエージェントは「求人開拓」を得意としています。一度登録しておけば、マッチする職種やオープンポジションで募集している企業に皆さんのことを積極的にPRしていきます。

 
キャリアアドバイザー
企業のことにも精通しているので、「Aさんは穏やかな社風に合いそうだな」と思ったら、DIエージェントからその会社にアタックすることも!

オープンポジション求人を上手に活用して自分にマッチする企業に出会おう

オープンポジションの求人では、人柄や適性をもとにどんな仕事を任せるかが決められます。障害者雇用枠でもオープンポジションでの募集が盛んに行われているため、スキルに自信がない方もぜひ活用してみましょう。

障害を抱えながら働く上では、 障害の特性に合った業務に従事することや、障害に理解や配慮のある環境で働くことが大切です。

今の職場を続けていくことに負担・不安を感じている方や、これから障害に合った仕事で就職を目指している方は、ぜひ一度DIエージェントにご相談ください。

DIエージェントは、「障害をお持ちの方一人ひとりが自分らしく働ける社会をつくる」ために、障害者枠で就職・転職を検討されている方に対して就職・転職についてのアドバイスや、ご希望に沿った障害者枠の求人紹介を行っております。

専任のキャリアアドバイザーが丁寧にヒアリングし、お一人おひとりに寄り添った働き方を提案させていただきます。

「今の自分に無理のない働き方をしたい」「理解のある環境で働きたい」というご希望がありましたら、まだ転職は検討段階という状態でもかまいませんので、ぜひお気軽にご相談ください。

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監修:東郷 佑紀
大学卒業後、日系コンサルティングファームに入社。その後(株)D&Iに転職して以来約10年間、障害者雇用コンサルタント、キャリアアドバイザーを歴任し、 障害・年齢を問わず約3000名の就職支援を担当。