障害者枠で公務員になるには?公務員になるメリットとデメリット、試験の対策や民間企業との併願も紹介

障害者枠で公務員を目指すか、民間企業への就職を目指すかで、迷っている方も多いのではないでしょうか。

実際に「倍率の高い公務員採用試験に受からなかったらどうしよう」「本当に公務員だけに絞って就職活動を続けていいんだろうか」という不安を抱えている方は少なくありません。そこで、今回は障害者枠での公務員への就職について解説します。

公務員になるメリットや注意点、公務員試験に向けたおすすめの勉強法や試験の流れなども紹介し、民間企業との併願についても解説します。今後の働き方を考える参考として、ご自身の状況と照らし合わせながらお読みいただけると幸いです。

障害者枠での公務員に関する採用状況

まずは公務員の障害者枠での最新の採用状況をみてみましょう。

2023年12月時点での障害者雇用数は以下の通りでいずれも前年より増加傾向にあります。

  • 国:9,940.0人(前年は9,703.0人) 実雇用率 2.33%(前年は2.85%)
  • 都道府県:1万627.5人(前年は1万409.0人) 実雇用率:2.96%(前年は2.86%)

引用元
令和5年 障害者雇用状況の集計結果

いずれも公的機関での障害者の法定雇用率2.6%を上回っています。

近年では精神障害者の新規雇用数の占める割合が高くなっており、障害者枠の雇用に対する姿勢は、社会情勢の影響を大きく受けると言えるでしょう。

中央省庁による障害者雇用水増し問題

公務員の障害者雇用を語る上で、避けて通れないのが2018年に発覚した「中央省庁による障害者雇用水増し問題」です。障害者手帳を取得していない人を障害者として計上するなど、不正によって法定雇用率を満たしているように見せかけていました。

内閣府や厚生労働省・国税庁・地方裁判所や教育委員会・独立行政法人などにくわえ、都道府県や市・警察本部など中央省庁の8割の機関で、3,460人の水増しがあった事件です。

2019年に障害者枠の国家公務員試験を行い大量に採用することを決め、2020年には不足分の解消を発表しました。近年の採用数の増加はこのためです。

しかしあまりに急速に採用を行ったため、受け入れ態勢が整っておらず、雇用形態が非常勤に限られたり、早期離職に繋がったりしたケースもありました。

 
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公務員の定着率は高めですが、必ずしも配属先での配慮が万全とは限りません。
安心して長く働きたい場合、「自分と同じ障害をもった採用実績がある」「柔軟な対応が相談できる」民間企業を視野に入れるのも良いです。

引用元
朝日新聞デジタル|中央省庁、障害者雇用の水増し解消 採用の大半は非常勤

【2024年度実施】東京都の試験・選考情報

2024年度の東京都職員の採用情報です。
都の職員は定期採用を行っており、障害者採用枠の採用人数の発表は7月18日に予定されていますが、通年は40名の募集で、18~60歳までが対象となります。

詳細は東京都職員採用のホームページ「障害者採用選考(3類)」よりご確認ください。

引用元
東京都|令和6年度実施 障害者採用選考(3類)

【2024年度】4都道県の労働局の募集が実施

厚生労働省が公表している、2024年度の障害者の採用情報です。いくつかの都道府県で、都道府県労働局の常勤職員採用の告知がありました。

募集のある都道府県は以下のとおりです。

  • 北海道労働局
  • 東京労働局
  • 三重労働局
  • 愛媛労働局

引用元
厚生労働省|令和6年度都道府県労働局の採用について

外務省における障害者雇用の公募内容

2024年6月25日に更新された人事院の最新情報です。外務省が、障害者枠の非常勤職員20名を募集するとの告知がありました。

【募集要項】
※一部抜粋して引用します。

採用府省
採用予定機関
勤務地
①採用予定数
②公募内容
③申込期間
④選考方法
(選考日)
⑤任用期間
⑥勤務時間

外務省

東京都

①20名
②・入力、集計業務
・庶務関係業務
・資料作成業務(外国語を用いる業務を含む)
・設営、軽作業
・事務補助業務等

③R6.5.31
 ~R6.7.4

④1次:書類選考
(事前提出)
2次:面接試験
(R6.7月下旬)

⑤R6.10.1
 ~R7.3.31

⑥7.75h×5日/週

引用元
人事院採用情報NAVI|各府省における障害者選考の公募情報(非常勤)

 
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語学力を活かしたい方にはピッタリの職場です。

募集期間が短いことも多々あるので、普段から人事院のホームページなどをチェックしておくことが重要となります。

障害者枠で公務員になるには?

ここでは公務員になる方法について具体的に説明します。

まずは障害者枠で受験するか、クローズ就労(一般枠)で受験するかを考えます。倍率や採用時の配慮などに違いがあります。また、障害者枠の働き方も非常勤からフルタイムまで多様化しているので、キャリアプランや体調にあった選択をするようにしましょう。

そして、「公務員採用試験」に合格する必要があります。2019年には水増し問題を受けて、障害者限定国家公務員試験が開催されましたが、今後同じような形式で定期的な採用試験が行われるようになるかは未定です。

公務員を目指す方は、人事院や志望する機関、自治体のホームページをこまめにチェックするようにしましょう。

 
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「社会貢献性の高い仕事がしたい」「事務としてコツコツ安定的に働きたい」といったキャリア相談はDIエージェントでも承っております。このようなサービスもうまく利用しましょう。

国家公務員の障害者枠選考試験

人事院の採用情報サイトから、2024年度の試験・選考情報をもとに、試験の募集要項を見ていきましょう。

障害枠での受験資格は障害者手帳を取得(有効期限内のもの)している方が対象です。
2024年度に募集されている業種では、対象が1964年4月2日~2007年4月1日生まれの人とされています。

国家公務員試験の流れ

試験の流れは、基礎能力試験で一定以上の成績をおさめた人を対象に評定した上で、論文試験の結果が反映されます。一次選考を通過すると二次選考の面接があります。

基礎能力試験の内容は採用枠によって異なり、2024年度の障害者枠の選考方法は書類選考と面接試験です。

2024年度から、総合職の試験に選択I「政治・国際・人文系」と「政治・国際・人文区分」の創設や、高卒程度を含むすべての基礎能力試験に情報に関する問題が出題されるなどいくつかの変更があり、大卒者程度の試験問題は40題から30題に削減されます。

 
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2019年に行なわれた試験では、点字での出題や識字障害者への配慮、車椅子の乗り入れなど選考時の障害別の配慮が細かにされていました。
民間企業であってもこのような配慮は可能ですので、お気軽にご相談ください。

地方公務員の障害者採用試験

地方公務員の場合は、自治体によって形式が異なります。対象となる学歴などによって初級・中級・上級の3種に区分されていることもあります。

ここでは一例として、2023年度の東京都職員の採用(3類)を見てみましょう。一次選考は筆記試験となり、二次選考は面接です。

選考段階 試験種目 解答題数・時間
一次選考 教養試験 40題・2時間20分
一次選考 作文 1題・1時間30分
二次選考 口述試験 個別面接 2回

自分の志望する自治体で採用が行われているかは自治体のホームページで確認しましょう。

引用元
東京都職員採用|障害者採用選考(3類)|令和5年度実施|試験・選考情報

障害者枠で公務員になった場合の業務内容

それでは、障害者枠で公務員として採用されたあとはどのような仕事をするのでしょうか。
一般的には、資料作成や集計、庶務など事務職をメインとした業務内容となっています。

より詳しい業務内容は「人事院の障害者選考試験」に各省庁のホームページリンクが一覧になっているので、目指す機関が決まっている方は確認をしてみましょう。一次選考通過者には合同業務説明会行われます。

また、地方公務員を目指す方は各自治体の要項を確認しましょう。

中途採用の場合は、これまでの経験を元に業務内容は話し合いによって対応していきます。配慮措置も面接などを通して決定していきますので、自身が求める合理的配慮を具体的にまとめておくのがおすすめです。

障害者枠での公務員試験に合格するためのポイント

では、障害者枠の公務員試験に合格するためにはどのような対策をすべきか、おすすめの勉強法を紹介します。

障害のための配慮はされていますが、問題の難易度に変化はありません。一般的な公務員試験対策を着実に行っていきましょう。

 
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公務員として採用されると日々法律や制度に触れることになります。その下地となる学力が試されていると考えましょう。コツコツと事務処理を行う能力、公共の福祉に貢献する奉仕の心構えも重要です。

合格に必要な勉強時間の目安

公務員試験の最初の関門は筆記試験(一般教養・論述試験)です。内容は高校卒業程度といっても出題範囲が広いため、対策もぬかりなく行わなければなりません。

合格のために必要な時間は平均800~1,000時間、1日4時間の勉強で半年程度が目安ともいわれています。

必要書類の不備に注意

民間企業の書類選考にも共通することですが、応募書類・申し込みの手続きはかなり厳格に定められています。応募書類に不備があった時点で不合格になりますので、ここでのミスは絶対にないように気を付けましょう。

特に障害者手帳は、受験日当日において有効であることが必要なため、期限などに注意してください。

一次試験の対策は市販のテキストがおすすめ

一次試験対策を独学で行いたい場合、市販のテキスト(参考書)で勉強するのが王道の勉強法です。

テキストや過去問題集を使って、傾向を掴み、時間内に解ききる練習をしていきましょう。基礎能力試験や論文、面接、合理的配慮の伝え方などについて紹介します。

 
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最近では公務員試験対策の解説動画がある場合もあるので、効率的に勉強していきましょう。

暗記科目の勉強におけるポイント

教養試験においては暗記が重要になってきます。そして、暗記における勉強方法で有効なのが「正文化」です。

試験は「5つの選択肢から、正しい答えを選ぶ」という形式が多いです。そこで正解以外の選択肢の誤っている箇所を正しい情報に訂正し、覚えていくことが「正文化」という勉強法です。

正文化とは、問題文の誤まった部分を訂正し正しい答えを導きだす手法で、正しい答えに直すことでしっかり知識として定着させることにもつながります。

引用元
人事院|2023年 一般職試験(高卒者試験) 基礎能力試験問題

人事院のサイトで公開されている過去問を解いて実際の出題形式に慣れながら、本番に向けた試験対策をしましょう。

手書きの「論文」を時間内に書ききるには?

作文・論文においては当日に課題が発表され、その場で手書きで論述を行うことが多いです。

時間内に指定の文字数を書ききることが重要ですので、時間配分には気を付けましょう。時間制限を設けて、練習をしておくとよいでしょう。

  • 時間や文字数などの制約を厳守する
  • いきなり書き始めるのではなく、論展開を組み立ててから書く
  • 社会課題や時事的なことがお題になることも多いので、日々情報収集をしておく
  • コンプライアンスや倫理に反するような内容は避ける
  • 読みやすい丁寧な文字で書き、誤字脱字がないかチェックする
 
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2019年の公務員試験においては、書字障害がある方はパソコンの使用も認められていました。障害配慮の有無は事前に確認をしておきましょう。

面接試験の対策方法

面接対策はマナーなどの「振る舞い」、そして「質問へどのように答えるか」がキーとなります。

そうはいっても、話している時の自分の癖や振る舞いはなかなか気づかないものです。自分でビデオ撮影をして確認したり、予備校の面接対策に参加したり転職エージェントに見てもらいフィードバックを受けたりといった方法でチェックするのも良いでしょう。

次に、必ず聞かれる質問への回答練習はくり返し行いましょう。「志望動機」や「どのように活躍するか」は必須の質問です。スムーズに答えられるようにしましょう。

想定外の質問や「こんな場面ではどうしますか?」といった質問も、すぐに答えられなくても慌てずに。「少し考えさせてください」と時間をもらってもよいです。

 
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公務員と民間企業の面接における最大の違いは「働く目的」。公務員では国や地域、そこで暮らす人たちへの奉仕の姿勢が大切です。民間企業の場合は、いかに組織の一員としてビジネスに貢献できるかを自己PRするようにしましょう。

障害配慮について

障害者雇用ならではの面接内容は、障害配慮についての質問と説明です。

面接官は必ずしも障害に詳しいとは限りません。どんな時にどのような配慮が必要か、自分ではどのように対処ができるのかを相手に伝わるようにわかりやすく説明しましょう。

 
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自分の体調・体の状態と必要な配慮・自己対処は必ず聞かれると言っていいでしょう。スラスラと答えられるように練習しておきましょう。

障害者枠で公務員に就職するメリット

公務員就職のメリットは「安定と社会的信用を得られる」というイメージが一番にあがります。定着率の高さや手当(福利厚生)の充実度、休日の多さなど制度上安心して長く働ける環境だと言えます。

「障害に対する理解」だけでなく、コンプライアンス順守の意識も高くあるべき機関なので、その点に安心感を覚える方も多いでしょう。

 
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令和5年 障害者雇用状況の集計結果」を見ると、障害別の新規雇用数が身体障害者で457.0人、精神障害者で516.0人、でした。一方で、知的障害をお持ちの方の合格者は92.5人と少なく、採用が進んでいない状況にあります。

引用元
厚生労働省|令和5年 障害者雇用状況の集計結果

障害者枠は離職率が低く定着率が高い

「安定のイメージ」は、公務員は民間企業と比べると圧倒的に「障害者枠での離職率が低く、定着率が高い」ことにもあるでしょう。

国の調査結果によると、以下のように障害者の定着率が高いことがわかります。

「平成30年10月23日~令和2年6月1日までに採用された障害者を対象

・ 採用者数 5,786.5人(実人員では5,268人)

・ 離職者数は実人員で 876人(定着率 83.4%)」
引用元
国の行政機関の障害者の採用・定着状況等特別調査の集計結果

民間企業全体の1年後の定着率が50~70%と考えると、非常に定着率が高い状況にあります。

やりがいがある

なにより国や地域の仕事に携われてやりがいも大きいです。公共の福祉に関わる配属によっては、障害当事者の意見や考えを仕事に活かせるかもしれません。

障害者枠で公務員に就職するデメリット

必ずしも全員に公務員の働き方がマッチするとは限りません。ここでは公務員就職のデメリットもご紹介します。

倍率が高く、公務員試験の対策が大変

安定のイメージが強いため倍率が高く、試験対策に時間がかかります。一次試験は広い出題範囲から出題されるので、まんべんなく広く学習することが苦手な方はしっかりとした対策が必要です。

 
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一般枠の公務員の場合でも、予備校に通ってしっかり対策される方も多いです。

今後の定期採用が不透明

既にお伝えしている通り、2019年に大量採用を行ったため今後国家公務員を大量に採用するとは限りません。2021年以降は各省庁、団体が個別で採用を行なっているようです。

 
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不足が起きた際に臨時採用などは行っているようです。臨時採用は人事院のサイトをこまめに見ておきましょう。

条件・業務や雰囲気のミスマッチ

また仕事の幅に関しては、一般事務など補助的な仕事に従事する場合が多いです。評価制度も年功序列が基本となるため、「決められた仕事以外もどんどん挑戦していきたい」「頑張った分だけ評価されたい」という志向の方は、ミスマッチを起こす可能性もあります。

また、配属先も「受かるまで分からない」部分が多く、通勤が可能かどうか、興味のない仕事でも続けていけそうかをよく考えましょう。

 
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「想像以上に任された業務が少なかった」「車椅子なのにテレワーク不可でつらい」というようなギャップに悩む声はよく聞きます。

国家公務員になった場合の給与

「安定している」と言われる公務員。障害者枠の給与額はどのくらいなのでしょうか。

行政職俸給表(一)の年齢階層別、給与決定上の学歴別人員及び平均給与月額によれば、平均給与月額は全体で40万4,015円で、採用前の経歴や級、経験年数などに応じて決められます。

例えば、高等学校を卒業した新卒の場合、5年未満は15万7,907~17万9,522円です。その後経験年数だけでなく業務の内容などによって級に分けられ、それに応じた給与額が加算されます。公務員の給料は障害者枠かどうかに関わらず、「別表第一 行政職俸給表(第六条関係)」の定める通り支給されます。また、手当も多いのが特徴です。

引用元
人事院|国家公務員給与等実態調査結果
人事院|別表第一 行政職俸給表(第六条関係)

  • 扶養手当:扶養親族のある人に支給。子どもがいる場合10,000 円/月など
  • 地域手当:民間賃金水準の高い地域で働く人に支給。東京都特別区の場合最高で俸給等の 20 %
  • 住居手当:賃貸住宅に住み、家賃を支払う人に支給。最高 27,000 円/月
  • 通勤手当:通勤時の交通費(定期券相当額)を支給。最高 55,000円/月
  • 期末手当・勤勉手当:いわゆるボーナス・賞与。俸給等の約 4.45 月分/年
  • さらに超過勤務手当(残業手当)もしっかりと支給されます。
  • 賞与や住宅手当が充実しており、平均的な障害者雇用枠の年収総額に比べると高くなる傾向にあります。

引用元
人事院|国家公務員の諸手当の概要

さらに超過勤務手当(残業手当)もしっかりと支給されます。賞与や住宅手当が充実しており、平均的な障害者雇用枠の年収総額に比べると高くなる傾向にあります。

障害者枠で公務員として働くうえでの注意点

障害者枠の公務員として働くうえでの注意点を2つお伝えします。

体調管理に留意が必要

公務員は年間休日日数が比較的多いとはいえ、公務員でも安定した勤怠は重要視されます。

また、解雇(リストラ)が少ないとはいえ「国家公務員法」では「休職1年で無給、休職後3年で免職」となりますので、環境に甘んじないように体調管理に努めましょう。

相談できる上司や医療機関、外部の支援機関を見つけておくことも重要です。

イメージとのギャップ

公務員に対してどのようなイメージをもっているでしょうか。

最近ではキャリア官僚をはじめ公務員も激務であると言われており、メンタルヘルスの問題で休職している職員も増えています。障害者枠の場合残業があまりないよう配慮はなされていますが、雰囲気がマッチするかの確認はしておきたいところ。

また「もっと稼ぎたい!」と思っても、残業の抑制や副業が禁止などのルールもあります。働き方や収入が現実的かはよく考えましょう。

引用元
人事院|義務違反防止ハンドブック

「公務員→民間企業」へのキャリアチェンジが難しい

公務員の仕事の進め方は特殊と言われています。いざ「民間企業にキャリアチェンジしたい」と思った時、やや転職のハードルが上がる傾向があります。

特に非常勤など有期雇用の方は将来を見据えて、ExcelやPowerPointなど汎用的な仕事のスキルを身に付けたり、資格を取得したりしておくとよいでしょう。

 
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憧れだけではなく、実際に公務員として働いている方の声を調べたり、面接で逆質問をしたりイメージとのギャップを埋めていきましょう。民間企業との比較をするのもいいですね。

引用元
人事院|職員の心の健康づくり

公務員と民間企業を並行して就職活動をするのはあり?

公務員を目指しているけれど、民間企業も気になるという方や、公務員と民間企業どちらにもチャレンジしてみたいという方もいるでしょう。

そこで、2つの就職活動を同時に行うことのメリット、またその場合の注意点などをお伝えします。

公務員と民間企業を併願するメリット

公務員と民間企業を併願するメリットとして、リスク分散ができる点が挙げられます。公務員は安定性の高い就職先として人気ですが、その分倍率は高く民間企業に比べて採用される確率は低いといえるでしょう。

また公務員の場合は、先にお伝えしたように事務などの補佐業務がメインです。一方で民間企業はさまざまな職種から選ぶことができ、自分の得意を活かして働くこともできます。

公務員試験に向けて試験勉強をしたり面接対策をすることは、民間企業の就職にも活かせるため、努力が無駄になることはありません。

以下の方たちのエピソードはのように公務員から民間企業へキャリアチェンジをされてイキイキと働ける職場を見つけられた方もいます。長い視野で考えてみてください。

併願する場合の注意点

現在就業中で、転職を目指している方の場合、仕事と試験勉強の両立はかなりハードなので、体調面にも影響が出やすくなります。スケジュール管理や準備は念入りに行いましょう。

公務員試験は受験可能な時期・期間が決まっており、試験勉強に費やしてきた期間が空くほど、民間企業への就職活動に切り替えた際にはブランク期間とみなされて不利に働くリスクがあります。

併願先として民間企業へのエントリーを進めるかも合わせて検討しておくことをオススメします。

障害者雇用枠の仕事を探す方法とスキルアップに利用できる支援制度

公務員への就職を目指しつつ、民間企業への就職も同時に行いたい場合は、障害者雇用専門のエージェントを利用するのがおすすめです。

障害者雇用枠での民間企業への就職を支援してきた実績があるエージェントなら、書類作成や面接対策など、就職成功に向けたさまざまなサポートを受けることができます。

エージェントは数多くありますが、中でも障害者雇用専門の転職エージェントとして10年の実績があり、数々の就職成功を支援してきたDIエージェントは、専属のカウンセラーと二人三脚で就職を目指すことが可能です。

障害者雇用専門の転職エージェント「DIエージェント」

DIエージェントは、就職に向けたアドバイスやサポートだけでなく、キャリア診断による強みの発見や専属カウンセラーによる伴走で、自分にぴったりの就職先を見つけることができます。

ハイクラス転職やキャリアアップ転職を支援してきた実績も豊富で、新卒の方もご利用可能です。また障害者手帳をこれから申請する方や申請中の方でも相談できるので、ぜひお気軽にご相談ください。

就労移行支援でスキルを身につける

転職にあたって現在のスキルに不安がある方におすすめなのが、就労移行支援事業です。就労移行支援は、学校のように通いながら就職に向けたスキル訓練を受けることができます。

障害者雇用枠を目指す方の中には、テレワークを希望される方もいるのではないでしょうか。就労移行支援事業所のワークイズでは、テレワークのスキル訓練に力を入れており、テレワークを希望された方のうち3人に2人の卒業者が、テレワークの就職に成功しています。また、訓練もテレワークで受けることが可能です。

ワークイズ

障害者枠の就職を目指すなら公務員と民間企業の併願がおすすめ

公務員は安定性の高い仕事で、社会的な信頼も厚いことから、新卒で就活をする際、最初から公務員を見据えて努力を重ねている方も多くいます。

一方で、公務員を目指しつつ民間企業への就職も捨てがたいと思っている方もいるでしょう。

そういう場合は、併願で活動をすすめるのがおすすめ。リスクを分散しつつ、就職成功の確率を高めることができます。

転職におけるゴールは「採用されること」ではなく「自分らしく働ける環境で長く続けること」だといえるでしょう。その視点で、 障害の特性に合った業務に就くことや、障害への理解や配慮のある環境選びが大切です。

民間企業との併願を視野に入れている方や、障害があってもキャリア成長や自己実現をあきらめたくない方は、ぜひ一度DIエージェントにご相談ください。

DIエージェントは、「障害をお持ちの方一人ひとりが自分らしく働ける社会をつくる」ために、障害者枠の就職・転職について情報提供や、ご希望に沿った障害者枠の求人紹介を行っております。

専任のキャリアアドバイザーが丁寧にヒアリングし、お一人お一人の実現したい働き方を提案させていただきます。

就職・転職はまだ検討段階という方もぜひお気軽にご相談ください。

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監修:東郷 佑紀
大学卒業後、日系コンサルティングファームに入社。その後(株)D&Iに転職して以来約10年間、障害者雇用コンサルタント、キャリアアドバイザーを歴任し、 障害・年齢を問わず約3000名の就職支援を担当。