DIエージェントを通じて転職に成功した皆さんのエピソードをご紹介します。今回は心臓機能障害をお持ちで、地方都市にお住いのYさんに転職エピソードをインタビューを実施しました。
「親身なキャリアアドバイザーがいたから、自信をもって転職活動に臨めた」と語るYさん。テレワークで働き始めたご感想もお話しいただいております。
お話を伺った方:Yさん(30代・女性)
- 障害:心臓機能障害
- お住まい:広島県
- ご経験:新卒から障害者雇用枠で入社した企業で一貫して事務職を務める。
- 就職先:大手企業子会社 (事務アシスタント)
※週30時間(一日6時間×週5日)の短時間就労・完全在宅勤務
「在宅勤務さえ叶えば辞めたくはなかった」
私は大学卒業後、障害者枠で入社した会社で10年弱勤め続けていました。
障害のため体調を崩すことも何度かありましたが、上司が柔軟に対応してくださり助けられながら、やりがいを感じて働いていました。
しかし、体力のことにくわえコロナの流行によってマスクを付け続けた業務が負担となり……会社の「テレワーク不可」という規則だけは、上司もどうすることもできず、お互い惜しまれながら退職という運びになりました。
――それは働く方、会社、双方にとって残念なことですね。「テレワークさえできれば働ける」というお声はよく聞かれます。
福利厚生もキャリアパスもしっかり用意された職場だったので、在宅勤務さえできれば辞めたくはなかったです。
――ご退職後は就労移行支援にも通われたそうですね。
はい。会社を辞めた後もまだ少し体力に自信がなかったので、就労移行支援に通うことから始めました。運よくオンラインでも通所できる事業所を見つけたので、そこに通って働けるように体調も整えていきました。
体力に自信がついてきたので、本格的に転職活動を始めたのが2021年の夏頃です。
体力面で制約がありますので、オープン就労にしようとは考えていました。
広島在住ということもあり大都市圏に比べると求人がそこまでたくさんあるわけではありません。なので、始めはいわゆる一般の人向けの大手求人サイトやエージェントに登録をしました。
求人選びやキャリアアドバイザーさんにお話を聞いていくにつれ、「一般枠での応募は難しそうだ」と感じ始めていました。
「ハローワークじゃなくちゃダメ」? 就労移行支援のアドバイスに焦り
――積極的に行動を起こされてきたのですね。利用していた就労移行支援からは何か転職のアドバイスはありましたか?
ブランクを長期化したくなかったこともあることにくわえて、私がいわゆる「就職超氷河期世代」だったこともあるので、早め早めに転職活動をスタートさせたかったのですよね。
しかし、就労移行の支援員からは「もうちょっと先でも良いんじゃない?」とどこかのんびりとしていて、私としては焦りを感じていました。
――Yさんの気持ちとは少しギャップがあったのですね。
それから、障害者雇用枠を専門に扱うエージェントさんなども探しましたが、支援員からは「ハローワーク経由の求人ではないとダメだよ。入社後、定着支援はつけられない」と言われており……。
その頃には、私もエージェント各社さんから話を聞いて知識を得ていたので、「広島で障害者雇用枠の事務職求人は少ない。ハローワークに求人がなければ他にはほとんどない」と知っていました。
ハローワークに求人がないから今こんなに困っているのに!!……と正直その時は思いましたね。
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――YさんがDIエージェントに登録いただいたのはちょうどその頃でしょうか。
「障害者雇用で在宅勤務ができるところ」を探していた際にDIエージェントさんに辿り着きました。
すごく気さくな担当のキャリアアドバイザーさんがついてくださり、次々に求人を紹介してくれました。
――補足をすると、「ハローワークに求人がなければ他にはない」というのは、少し極論ですね。エージェントがハローワークに出回っていない好条件の求人なども取り扱っていることはあります。障害者雇用とテレワークに特化しているDIエージェントだからこそたくさんのご紹介ができたのだと思います。
専門知識も豊富なキャリアアドバイザーさんだったので「ハローワーク経由でなくても定着支援はつかないのですか?」と聞いたんです。
すると「D&I*の定着支援が受けられる在宅求人に厳選してご紹介しますよ!」と言っていただけて。とても心強かったです!
――それは良かったです。就労移行支援もそれぞれ思いや特色がありますので、「ちょっと考え方が合わないかも?」と感じたら、セカンドオピニオン的にエージェントを使ってもらえれば嬉しいです。
*株式会社D&IはDIエージェントの運営会社。DIエージェントではご希望があれば入社後サポートがついているテレワーク求人や、定着支援がついている企業の求人をご紹介しています。 |
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D&Iの就労移行は利用者さんの意志を第一に、サポートをしております!
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私も気づいていなかった「障害について」
――他にはDIエージェントのキャリアアドバイザーからはどんなサポートがありましたか?
初回のカウンセリング以降、私の希望や志向性に合わせて複数の求人を紹介してくださったので、「この人が紹介してきてくれるなら大丈夫!」と信じて、どんどんと選考に臨みました。
――その積極性は大切ですね!
またすごく印象的だったのは、私の障害について、私以上に把握をして、気づきを与えてくれたことです。
担当キャリアアドバイザーさんから「他の心臓機能障害をお持ちの方に比べると、体力が少し弱めですよね?」と問われたのです。
「あ、もしかしたら肺機能が弱いからかもしれない」と、自分でも気づいていなかったこれまでの働きづらさの理由がわかって!
――ご自身の障害の理解が深まったのですね。
はい。それからは自分の中でも納得感が生まれ、書類選考に書く時も面接で障害や配慮を説明する時も、スラスラと書いたり話したりできるようになりました。
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「笑顔が素敵だから忘れずに!」に背中を押され
――その安心感と自信が面接でも成果を出せたのかもしれませんね。
キャリアアドバイザーさんとのやりとりでもう一つ印象的だったことは「Yさんは笑顔が素敵だから、その笑顔だけは忘れずに!」と言って面接に送り出してくれたことですね。
私自身、これまで自分の笑顔は好きではなかったのですが……。「そういった印象を持ってもらえているのは嬉しいな」と思って、面接でも明るく笑顔で受けました。
――誰もが緊張する面接で、そのように明るく振舞われるのは好印象をもってもらえそうですね。
「テレワークは孤独」と言われるけど……見守ってくれる安心感
――Yさんにとって初めての完全在宅ワークですね。働き始めてみていかがですか?
まだ入社間もなくではあるのですが、毎日新しいお仕事がどんどんと割り振られて、大変ながらも充実して働けています。
面接をしていただいた方が今の上司でもあるのですが、テレワークで寂しくならないように気を使っていただいているのか面白い持ち物を画面越しに見せて笑わせたりもしてくださって(笑)
世間一般では「テレワークは孤独感を感じやすい」とも言われていますが、ちょっとした雑談の時間を大切にしていただいたり、様々な部署からお仕事をいただくのでたくさんのチームの方ともお話ができたりと、コミュニケーションは活発で楽しいですね。
――D&Iの「エンカクトレーナー」(入社後サポート)もついていますが、いかがですか?
まだ入社後間もないので、たくさんお話はできていませんが、そのような存在の方がいてくれているだけでもすごくありがたいですね。
会社から貸与されているパソコンは遠隔操作ができるので、仕事でつまずいたところは、上司が画面上で操作して、方法をレクチャーしてくれるのは驚きましたね。
トレーナーと上司、Wで「見守ってくれている感」があり安心して働けています。
――在宅勤務で工夫されていることはありますか?
休憩もメリハリをつけて……たとえば「飲み物を仕事部屋ではなくリビングに置いておく」みたいな工夫はしています。座りっぱなしは体にも良くないですし、喉が渇いたらリビングに行って、犬を飼っているので「よしよし」して、リフレッシュしてまた仕事に戻ったり(笑)。
――すっかり在宅勤務に適応されていますね!
いつかカープの試合観戦を休日に
――それでは最後にこれから挑戦していきたいことを教えてください。
そうですね、まずは今のお仕事に慣れること。
それからは、もう一つ上のキャリアを目指すこともできるようなので、今の会社でのキャリアアップを頑張っていきたいと思っています。
――Yさんは前向きなので、きっと上司の方も評価してくださるのではないかなと思います。
もう一つ、今は久々に週5日で働き始めたので、土日遊びに行く余力はないのですが、少しずつ慣れて体力も安定してきました。
私は地元・広島のカープファンなので、土日に野球観戦に行きたいです!(笑)
平日はしっかり働いて、週末は楽しむ。公私ともに充実できたらなと思っています。
――在宅勤務で体力も温存できるからこそ実現できそうな夢ですね! ぜひワークライフバランスをとって、これからも明るく楽しんでお仕事を続けていただければDIエージェントとしても嬉しいです。
担当キャリアアドバイザーよりメッセージ
今回ご支援ができ、またご入社後も生き生きと働かれていることが伺えて嬉しく思います。
笑顔が素敵で、ご自身のキャリアやこれまでがんばってこられたこと、逆につまずいたところまで素直に包み隠さず話していただけたおかげでよりご希望に合う求人をご紹介できました。
障害がありながらも、10年弱総務(給与計算・採用など)をがんばっておられ、PCスキルの習得など「キャリアアップしたい、キャリアを伸ばしていきたい」という前向きさが印象的でした。
テレワークという環境でどうにか私としてもYさんのキャリアを継続させたく、今回ご希望に合う企業様とご縁をお繋ぎできたことを喜ばしく思っております。
まだまだ「地方にお住まいの方がテレワークで東京の企業で活躍されている」という事例は多くはありません。
広島でYさんがロールモデルになっていくことで、企業や同様の障害お持ちの方に広がっていくと思います。
そのような「働きたくても働けない」方々の選択肢を増やすためにD&Iはこれからも社会の障壁を壊していきます!