障害発症、休職、1年半のブランク。壁を乗り越えて内定を勝ち取った転職活動 [転職成功事例 Vol.1]

DIエージェントを通じて転職に成功した皆さんのエピソードをご紹介します。
今回は、Tさんの転職エピソードです。

プロフィール
Tさん 男性(26歳)
障害:聴覚障害、解離性障害
経験:管理部門のアシスタント事務全般を約2年ご経験
就職先:建設系企業の人事アシスタント職に入社決定

新卒2年目でメンタル不調に。休職の末、退職を決意

――早速ですが、Tさんの転職活動についてお伺いしたいと思います。改めて、Tさんが転職活動を始められたきっかけを教えていただけますか?

直接的には、体調を崩したことがきっかけですね。前職は新卒で入社した会社なのですが、業績不振に陥っていて、それによる職場環境の悪化や先行きへの不安から、解離性障害を発症してしまったんです。休職をしたのですが、それでも働けるまでのコンディションに回復することがなく、退職を決意しました。

――DIエージェントに転職のご相談をしてくださったのはなぜでしょうか?

私は、新卒の就活の頃にもDIエージェントを利用していました。その時に、キャリアカウンセラーさんや営業担当の方が、私の就職活動を真剣にサポートしてくれて。就活には苦労していたので、とても助けられましたね。

――そうだったんですね。もう5年も前からご利用いただいてたんですか。当時、就活生向けのサービスってたくさんあったと思いますが、DIエージェントを選んでいただいた理由はありますか?

合同面接会には足を運んだことがあるのですが、聴覚障害を持っている自分としては、騒がしい場所で話を聞き取るのが難しくて。話の内容としても学生全体に向けた話だったので、どうも、自分が働くイメージが持てないなという印象がありました。DIエージェントでは、カウンセラーさんに個別に相談することができて、「Tさんの場合だとこういう働き方ができるよ」という具体的なアドバイスをしていただけたのがありがたかったです。

最初は抵抗を感じた就労移行への通所。実際は転職成功の鍵だった

――新卒の就活と今回の転職、Tさんの就職活動を2度お手伝いさせていただく中で、カウンセラーから色々なことをお伝えしたかと思います。印象に残っていること、助かったこと、逆に言われて辛かったことなど(笑)、何かありますか?

そうですね(笑)。あえて、辛かったことを挙げるとしたら、転職の相談をしたときに就労移行支援事業所に通うことを勧められたことですかね。やっぱり、働かなきゃお金を稼げないじゃないですか。自分ではもう働けると思っていたし、本当に就労移行に通わなきゃいけないのか?と。ただ、その時にカウンセラーさんに「まだ体調も万全ではないし、休職期間のブランクがある中での転職活動の方が不利になってしまう。就労移行に通った方が、安定して活動できたという実績が作れて、絶対にプラスになるよ」と言われ、納得しました。当時は結構厳しいこともビシバシ指摘された記憶があります(笑)。

――たしかに。就労移行に通うことに対して、そのように感じる求職者の方も少なくないと思います。実際に通われてからはどのように感じましたか?

やはり通ってみてよかったですね。訓練実績を積めたのもそうですし、色々な人に助言を求める大切さに気付くきっかけにもなりました。

――就労移行でのトレーニングを経てからの方が、選考の通過率もかなり良かったそうですよね。ちゃんと結果に繋がって、カウンセラーも喜んでいましたよ。


「精神障害のことを伝えて、もし不利になったら…」不安な思いに向けられたカウンセラーの一言

――転職活動を開始して、初めて精神障害を持っていることを伝えたうえで求人に応募されたと思います。手帳を取得していない障害については、「開示しない」という選択もできた中で、企業に伝えようと思ったのはなぜでしょうか。

最初は、「精神障害を持っていることを企業に伝えることは不利になるのでは?」という懸念と、「でも、隠して仕事をして後から問題になるのも避けたい」という気持ちと、両方がありました。それをカウンセラーさんにご相談したときに、「体調は自分で日々モニタリングして、その結果を自ら報告するようにします、という主体的な姿勢さえ企業さんに伝われば、選考で不利になることはないよ」と背中を押していただいて、「やっぱり伝えよう」という結論につながったんです。

――そうでしたか。また、面接に向けて、ご自身の障害を客観的にとらえて、説明できるようにするという練習もされたそうですね。

はい。カウンセラーさんから、「解離性障害を発症してから回復するまでの過程を時系列で全部まとめてきて」と宿題を出されたことがありました。面接では、何がきっかけで体調が好転したのかという、回復のきっかけの部分をよく聞かれるよ、と言われて。なかなか言葉にするのが難しくて、内容をブラッシュアップするために結局3回くらいカウンセラーさんに面談してもらいましたね。でも、それが功を奏して、応募してから1か月ほどで無事にご内定をいただけました。

約1年に及ぶ準備期間を経て、2社の内定を獲得

――前職の退職から約1年、不安を抱きながらの転職活動だったと思いますが、結果的に2社の内定をいただいたそうですね。改めてどんなお気持ちでしたか?

いや、自分でもびっくりしています。2社もご内定をいただけるなんて予想外でした。

――カウンセラー曰く、転職活動の中でも面接対策に一番時間をかけたとか。その中で「これをやっておいて良かった」というものはありますか?

前職でどんな仕事をやっていたか、書き出して棚卸しをしたことですかね。これも、カウンセラーさんから「そもそも『人事』や『総務』など、会社の中の役割って、なぜあると思いますか?考えてきてください」という宿題を出されたことがきっかけで。そこから、「その仕事に何が求められているか」「自分はその中で何を大切にして働いてきたか」を考えていきました。書き出していく中で、そういえば自分って仕事をするときにこんなことに気を付けていたな、と思い出して。前職の仕事を俯瞰し、自分の経験を振り返るきっかけをいただけました。

――たしかに。「前職ではアシスタント事務の経験しかないし、自己PRなんて何を話したらいいわからない」って悩んでいらっしゃったそうですね。

そうですね。2年ほどで前職を退職してしまったこともあり、最初は企業に何をPRしていいかわからなかったんです。でもカウンセラーさんとの会話の中で、自分が前職で何気なく取り組んでいたこと、例えば自分の仕事を段取りよく進めるために、普段から周囲の社員の方に声をかけて情報収集していたという話をしたら、すごく評価してくれて。「周囲を見渡して、自分から必要な情報を取りに行けるって、素晴らしいことですよ。それ、立派な自己PRじゃないですか」と言ってくれたんです。そこから話を組み立てていったら、面接でも上手く自己PRを話すことができました。正直、カウンセラーさんに小難しい宿題を結構出されたのできつかったですけど(笑)。ただ、その分、得るものは大きかったです。

内定だけでない、転職活動で得たもの

――不安もあり、焦りもあり、結構ハードな転職活動だったと思います。内定が最も大きな成果だと思いますが、それ以外に何か得たものはありますか

「一人のビジネスマンとして、どう働いていこうか」という、これまで意識したことのなかった働く上での軸やビジョンが、おぼろげながらも見えてきた気がします。まずは、知識や経験をしっかり築いて、その先で他の人の役に立てるような人材になりたいなと思っています。

――ありがとうございます。Tさん「らしく」ありながらも、ご自身がもっとこうなりたいと思い描く自分になるために必要なものを、今後も獲得していかれることを願っています。DIエージェント一同、今後もTさんのご活躍を応援しています。

Tさんを担当したカウンセラー T. Y
大学卒業後、大手コンサル会社でSEとして勤務。
職場環境により、自身がメンタル不調を経験したことから、「同じ境遇の方々の転職をサポートしたい」という思いで2014年に株式会社D&I(DIエージェント運営会社)に入社。
キャリアカウンセラーを担当し、のべ1700人以上の方の転職を支援。