「障がいよりもあなたのワクワクすることを教えて」パナソニック流DEIな働き方【企業インタビュー パナソニックグループ(後編)】

DEI(Diversity, Equity & Inclusion)を推進するパナソニックグループ

前編では取り組みの一つである「ダイバーシティ・ネットワーキング」についてお伺いしました。こちらの後編ではインクルーシブデザイン視点のものづくりの話や「パナソニックで働くとはどういうことか?」といった仕事論を聞かせていただきました。

これから「パナソニックで働きたい」と考えている方はもちろん、「障がい者雇用」にモヤモヤを感じている方にとってもヒントとなるのではないでしょうか。

お話を伺った方々
パナソニックグループ 「ダイバーシティ・ネットワーク」運営スタッフの皆様
  • パナソニック㈱
    くらしアプライアンス社 秋庭 陽子さん
  • パナソニック オペレーショナルエクセレンス㈱
    エンプロイーサクセスセンター 中村 紀久子さん
  • パナソニック オペレーショナルエクセレンス㈱
    エンプロイーサクセスセンター 清中 愛捺さん
  • パナソニック オペレーショナルエクセレンス㈱
    リクルート&キャリアクリエイトセンター 香山 理恵子さん
  • パナソニック オペレーショナルエクセレンス㈱
    リクルート&キャリアクリエイトセンター 高尾 凪沙さん

※本記事の内容は2022年5月取材当時の内容です。

DEI 多様性ある人材の機会の平等を目指して

――従業員数は約24万人、世界にも名を轟かせるパナソニックではどのようなダイバーシティの取り組みがされているでしょうか?

中村さん

中村さん:
パナソニックではこれまでの「D&I」から一歩進め、グループ会社も一丸となって「DEI(Diversity, Equity & Inclusion―多様性、公平性、包括性)」を推進していこうとしています。
具体的には社内のバリアフリーマップを作ったり聴覚障害の方が研修に出られるように手話通訳をつけたり、仕事をする上での障壁を取り払って誰もが参画できるようなことをおこなおうとしています。
秋庭さんもバリアフリーマップを作成いただいていますね。

秋庭さん:
はい、私はデザイナーとして、そして発達障がいをオープンにして働いていますが非常に理解があると感じていますね。
たとえば現在はリモートワークができるのですが、週に1回の出社日には必ず上司が1on1(面談)の機会を設けてくださっています。
その場でも「何か困っていることはない?」「僕に何かできることある?」と気にかけてくださっているのがありがたく思います。

「●●障がいです、自己対処法はXXです」あまりに紋切型な面接、「スキルを発揮したい!」という想いを聞かせて

――DIエージェントから見ても、本当に一人ひとりに丁寧に向き合ってくださる会社さんだと感じています。何か選考のポイントはあるでしょうか?

香山さん

香山さん:
もしかしたらこれは採用をする側の責任もあるのかもしれないのですが、障がい者雇用における面接が非常に定型化されてきてしまったなと感じています。
面接官は「障がい内容を理解・開示できていますか?」と定番の質問をし、応募者側も「私は●●障がいです、自己対処法はXXです」といったようなパターン化されたやり取りがされがちです。

今は学校のキャリアセンターや就労移行でも「このように聞かれるから、こう返すべき」とレクチャーされているのではないかなと思います。

もちろんご自身の障がいについて知ること。そして、難しさに対する対処方法を理解しておくことは必要なことかもしれませんが、障がいの有無に関わらず……たとえば「自分の短所」や「仕事で失敗した経験」といったことは、誰だって話しづらいですしスラスラと言えるかと問われるとそうではないですよね。

選考過程や就職後の職場で「障がい者雇用を選択したのだから絶対に言わなければならない」と感じさせるような力の差が生まれてしまうことに危機感を抱いています。

――それはエージェントの責任も大きいですね……。幸せに働いてもらうためにと思って面接対策などのアドバイスをしていますが、その人らしさを損ねないように考え直したいと思います。

 

高尾さん 

高尾さん:
採用をおこなう私たちとしては平等に、スキルやご経験を重視して向き合いたいなと思っています。
任される業務量も多く、パナソニック社員としてブランドを守るという責任感も必要なので決して楽な仕事ではないのですが、それでも「自分のスキルをここで活かしていきたい」という人に来ていただけたら嬉しいですね。

「熱意がある人」「ワクワクしている人」と働きたい

――それでは、パナソニックが求める人物像を教えていただけますか?

秋庭さん

秋庭さん:
一緒に働くとしたら……やっぱり「熱意ある人」が来てくださると嬉しいですよね。

創業者の松下幸之助は常々、社員に誠実な熱意の大切さについて語っています。

熱意は磁石
「いかに才能があり知識があっても、熱意の乏しい人は絵にかいた餅に等しい」と松下幸之助はいう。
「反対に、少々知識に乏しく、才能に乏しいところがあっても、一生懸命というか、強い熱意があれば、そこから次々とものが生まれてきます。」

引用:PHP研究所「松下幸之助.com―松下幸之助用語」

秋庭さん:
私の経験上のお話になりますがデザイン開発において能力も大切なのですが、誠実な熱意がなければ、いくら優れた能力があったとしても人の心を動かすような良いデザインはできない。
また、社会を幸せにしたいと願うエネルギーが溢れている方はパナソニックでも活躍いただけるのではないかなと思います。

香山さん:
そうですね、面接の場で話していてもその方の中にワクワク感があるかは伝わってきます。

「パナソニックは大きい会社だから安泰」「言われたことをやればいい」という意識ではなく、自身が担当する事業やサービスに責任を持ち、「大きく成長させていきたい!」という方が楽しめる環境です。

私は面接官をおこなうこともありますが、パナソニックが第一志望かどうかは気にしません。
「どんなことがしたいですか?」と問われても「自分にできることがあれば何でもいいです」と言うのでは少し寂しいですね……。
「事務職がしたい」という希望であっても、「ではパナソニックで働いたら事務職として何を成し遂げていきたいか」をぜひご自身の言葉で聞かせてください。

つまり、「スキルを前提として、これまでの経験をどう活かして、どのようなキャリアを作りたいのか?」
そういったことをお互いにワクワクしながら語れる人とお会いしたいですね!

インクルーシブデザイン商品の誕生も……「人々の幸せ」を生み出す力

――秋庭さんは発達障がいをオープンにされて、それを強みとして会社のDEI推進にも携わっているように感じました。パナソニックで働く中で大切にしていることはありますか?

秋庭さん:
私の中では「インクルーシブデザイン」は一つの大きなテーマです。
モノをつくる時の根幹にあり、色々な人の意見を取り入れて、誰もが安心して使える・全ての人に受け入れられる商品を作っていきましょうという考え方です。
私自身、障がい当事者としてより深くコミットして、本当に良い商品を作り、強い会社にしていきたいと思っています。

 
 
 
 
 
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秋庭さん:
たとえばこの、グルーミングをポジティブに変える「FIRST SHAVING SERIES」はインクルーシブデザインといっても良いと思います。
年齢も多様性の一つです。
この「FIRST SHAVING SERIES」は体毛が気になり始めた若年層の不安や戸惑いに寄り添った商品です。
前向きな気持ちでグルーミングができるように若年層に響くカラーになりました。

大きな目標になりますが、この商品のように有形でも無形のデザインであっても社会全体の意識改革をパナソニックからできたらいいなと、そんな挑戦をしていきたいです。
中村さんや香山さん達のような方々から日々たくさんエネルギーをもらっているので、私もそのエネルギーを人々の幸せに還元できるように頑張ります!

――近い未来、「ダイバーシティ・ネットワーク」発の商品も生まれてきそうですね! こちらもエネルギーをもらえるようなお話を聞かせていただきありがとうございました。

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